ADHDでは気分の高揚はない[22]。子供のイライラやかんしゃくはほとんどが正常か、注意欠陥多動性障害 (ADHD) などであり、流行する診断名に巻き込まれないよう[10]。ほとんどかんしゃくは非常に短期間であり、ここでいうエピソード的ではない[36]。#子供の双極性障害も参照。 光トポグラフィーが、治療抵抗性のうつ病でかつ、統合失調症や双極性障害との鑑別が疑われる場合に使用されることがあるが、2016年に日本うつ病学会は、適切な診断を経ていない検査のみによる診断に注意を促している[38]。 双極性障害は遺伝要因の影響が強い。一卵性双生児の一致率は、サンプルサイズや診断基準によって多くの異なる報告があるが、40-80%程度である。双子研究から推定された遺伝率は、研究によって異なるが80%前後と高い値を示すものが多い[39](遺伝率は個体間の差異のうち遺伝によって説明できる割合のことで、親から子に遺伝する確率ではない)。 双極性障害は遺伝に関係するとされているが、I型からはI型が、II型からはII型が遺伝するため、I型とII型は別の遺伝子に起因するものであると言われている。脳画像解析は双極性障害の被験者と健康な被験者の間に、脳の様々な部位で容積の差異があることを明らかにした 関連遺伝子を多数持ち[40]、潜在的リスクのある人が、ストレスなどの外的要因[40]にさらされた時に発生すると考えられ、統合失調症と同様に、ストレス脆弱モデルという概念で説明されうる。メンデルの法則に従わないこと、一卵性双生児であっても発症の有無は70%程度しか一致しないことなどから、遺伝病とはみなされない。遺伝要因があっても生活習慣で回避できる可能性はある。社会リズムを保つことや、薬物乱用、ストレスを避けることなどは意義があると考えられる。 双極性障害は、神経細胞の細胞内のカルシウムイオンの制御能が変調をきたしているとの説がある[40]。
物質・医薬品誘発性双極性障害
アルコールカフェインなど、気分の変動が薬物の使用開始と中止に沿って、起きておさまり、適切な離脱の期間をすぎて気分の変動がおさまる[37]。DSM-5では、一部の抗うつ薬や向精神薬が躁病を起こしても、症状の数が十分でない、イライラといった程度では診断すべきではない、と記される。ステロイドが例に挙げられている。
他の医学的疾患による双極性障害
脳梗塞、甲状腺機能亢進症など、医学的疾患によって気分の変動が起きており、その身体疾患の治療によって症状が改善される[10][37]。DSM-5では、躁病を引き起こす最も知られたものに、クッシング病、多発性硬化症、脳卒中、外傷性脳傷害が例示されており、抑うつでは甲状腺機能低下症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳傷害といったものが知られるが、その関連性が明確に確立されていないものもある。
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