双極性障害
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並存として多いものには、アルコール薬物依存症が約30%[25]過食症むちゃ食い障害が13から25%[26][27]パーソナリティ障害(特に境界性パーソナリティ障害)が30から40%[28]、パニック障害などの不安障害、などがある[2]。その他としては、ブリケ症候群、月経前緊張症候群注意欠陥・多動性障害 (ADHD) などもある[2][29]。なお、双極性障害との鑑別がつきにくい疾患もある[30]
境界性パーソナリティ障害 (BPD)
自殺未遂や対人関係の問題、気分の波や衝動性など、表面上の症状は似た点も多い。BPDは元来精神分析的な観点から定義されているが、診断基準上は行動面の特徴で診断するほかないため、判断を誤る可能性がある。見逃されやすい軽躁を確実に見極めることも重要である。アキスカルらは双極スペクトラムの患者がしばしばBPDと誤診されていると指摘した[31]。士気低下 (Demoralization) による行動化によりBPDと診断されている可能性もある[29]。また双極性障害の患者の約30%がBPDを合併しているとされ[32]、パーソナリティ障害の合併率としては最も多く、次いで演技性、反社会性、自己愛性パーソナリティ障害と続く[33]。双極II型などの双極素因者に安易に抗うつ薬抗不安薬を投与し、“薬害性BPD”患者を作らないように注意する必要があるだろう[34]
自己愛性パーソナリティ障害 (NPD)
自己愛性パーソナリティ障害は境界性パーソナリティ障害と同様に分裂(スプリッティング)が生じており、誇大的自己とそれを反転させた無価値な自己とを抱えている。現実が思う通りにならない事態に直面すると無価値な自己へと「転落」して深刻な抑うつを呈し、事態が思う通りに展開して誇大的自己へと復帰すると一転して躁的万能感を示す。自己意識と連動した抑うつと軽躁の交代によって、双極II型障害や、急速交代型(rapid cycler)としばしば誤診される。双極性障害における各相期の持続期間は通常4週間以上であり、パーソナリティ障害では4週を越えることは少ない。パーソナリティ障害の場合、薬物療法は奏功せず、対症療法の域を出ない[35]
統合失調感情障害
双極I型障害の極期には幻聴妄想を伴うことがあるが、統合失調感情障害では気分の症状がない時期にも精神病症状がある[10]
注意欠陥・多動性障害

ADHDでは気分の高揚はない[22]。子供のイライラやかんしゃくはほとんどが正常か、注意欠陥多動性障害 (ADHD) などであり、流行する診断名に巻き込まれないよう[10]。ほとんどかんしゃくは非常に短期間であり、ここでいうエピソード的ではない[36]#子供の双極性障害も参照。
物質・医薬品誘発性双極性障害
アルコールカフェインなど、気分の変動が薬物の使用開始と中止に沿って、起きておさまり、適切な離脱の期間をすぎて気分の変動がおさまる[37]。DSM-5では、一部の抗うつ薬や向精神薬が躁病を起こしても、症状の数が十分でない、イライラといった程度では診断すべきではない、と記される。ステロイドが例に挙げられている。
他の医学的疾患による双極性障害
脳梗塞、甲状腺機能亢進症など、医学的疾患によって気分の変動が起きており、その身体疾患の治療によって症状が改善される[10][37]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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