崔洋一監督は「前作『いつか誰かが殺される』は赤川次郎物という俺にとっては未知の世界だし、ましてやアイドル映画だった。監督することには、そういう楽しみと苦しみがあった。じゃ、今度は欣喜雀躍の企画とみんなは思うわけだ。しかし、実はこっちの方が苦しいんでね。こういうのが得意かというと冷静になって考えてみると、こういうものは俺初めてやるわけで、なぜかハードボイルドないしアクションというイメージが俺の場合、あるでしょ。得意技と思われてるけど実際はやってないわけで、不思議だね。お話としてはかつてどこかで見た西部劇であろうし、昔からあるパターンのもの。で、結局何が今回の映画を規定しているかというと今だろうなという気がする。撮ってる俺は今だし、演じてる方も背景もそうだし、そういう斬り口が見えれば、非常に古典的な類型化された話でもいいんだというところはあるんじゃないかな」等と述べた[3]。
原作の舞台は山陰の温泉町[4]だが、崔が好きな沖縄に変更した[3]。プロデューサーの黒澤満は崔に「それはお前の趣味だ。この原作を沖縄で撮る必然性は何もない」と猛反対したが、製作者の角川春樹は「やりたければやらせてやれ。あいつが話を沖縄に持って行ってどう料理するか楽しみだ」と賛成した。しかし話が辺野古開発に反対する男の話に決まった際は、崔が劇中で赤旗を振らせる可能性を考慮し、「赤旗だけは振るなよ!」と釘を刺したという[5]。崔は脚本の丸山昇一と話し、もう飛んだり跳ねたりする見せ場が10分か15分に1度という約束事から解き放れようと考え余分な説明は露出させず、地味な流れをつくった[3]。但し、主人公の生き方を原作から崩さないよう心掛けた[3]。主人公の旧友の息子・その少年の目で描かれた設定は、ロバート・B・パーカーの『初秋』を彷彿とさせる[3]。
脚注[脚注の使い方]^ 友よ、静かに瞑れ (角川文庫 (6000))
表
話
編
歴
崔洋一監督作品
1980年代
十階のモスキート
性的犯罪
いつか誰かが殺される
友よ、静かに瞑れ
黒いドレスの女
花のあすか組!
Aサインデイズ
1990年代
襲撃 BURNING DOG
J・MOVIE・WARS 月はどっちに出ている
月はどっちに出ている
平成無責任一家 東京デラックス
マークスの山
犬、走る。DOG RACE
豚の報い
2000年代
刑務所の中
クイール
血と骨
ス SOO
カムイ外伝