プレートテクトニクスでは、プレートが動くことでその上の陸地も地表を移動する。地球の歴史では殆どの大陸が1か所に集結して巨大な超大陸を形成したことがあった。顕生代に存在したパンゲアは有名であるが、原生代後期の10億年前頃にも「地上のほとんどの陸地が集まった超大陸」が存在したとする検討結果が1990年頃から報告されている。この超大陸はロディニア大陸と呼ばれるが、約7億年前に3つに分裂した[16]。ロディニアはそれ以前にあった比較的大きなヌーナ大陸・コロンビア大陸・アトランティカ大陸の3つが合体したものである[17]。これら3大陸は約19億年前にあった活発な大陸成長のピーク期に[18]、もっと小さな陸地が集合し成長して生成した[19]。 原生代後期に相当する地層から「氷河に起因する堆積物」が世界各地で発見されており、この時代に何度か寒冷な時期があった事が判明している。特にスターティアン氷期(7億3,000万年-7億年前)とマリノアン氷期(6億6,500万-6億3,500万年前)には当時の赤道近くの地層からも氷河に起因する堆積物が見つかっており、地球が非常に寒冷化したことが分かっている[13]。当時の地層から採取された岩石の分析結果(炭素同位体比)から、当時の生物圏が壊滅的な打撃を受け、地球上の全ての生物活動がほとんど停止していたことが判明した[20]。この現象を研究したカリフォルニア工科大学のカーシェビンクは、この時代に地球全体が凍結したスノーボールアース現象が起こったとしている。 太古代の生物は、古細菌と真正細菌が主体であった。原生代に入るとより進化し複雑な組織を持つ真核生物が繁栄し、原生代の後期には多細胞生物が生まれた。原生代最後のエディアカラ紀の地層からは多数の動物の化石が見つかっている。 酸素を生み出したシアノバクテリアは細胞内に核を持たない細菌であるが、21億年前の縞状鉄鉱床から細胞内に核を有する真核生物の化石が1992年に発見された[21]。これはグリパニア 植物の多細胞生物の化石で最も古いものは、カナダのサマーセット島の7億5,000年前?12億5,000万年前のハンティング地層
原生代後期の氷河時代
原生代の生物
真核生物の誕生コイル状のグリパニアの化石
多細胞生物の誕生
多細胞動物については 次の顕生代のカンブリア紀で硬い骨格を有する多種多様な動物群が一気に出現する。 地質時代・先カンブリア時代[* 1][* 2]累代代紀[* 3]基底年代
エディアカラ動物群のスプリッギナの化石、大きさは3-5cm
エディアカラ動物群のディッキンソニアの化石
ディッキンソニアの復元予想図
エディアカラ動物群のキンベレラの化石
区分
Mya[* 4]
顕生代新生代66
中生代251.902
古生代541
原生代
クライオジェニアン720
トニアン1000
中原生代ステニアン1200
エクタシアン1400
カリミアン1600
古原生代スタテリアン1800
オロシリアン2050
リィアキアン2300
シデリアン2500
太古代(始生代)新太古代2800
中太古代3200
古太古代3600
原太古代4000
冥王代4600
^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
^ 基底年代の更新履歴
^ 顕生代は省略、太古代は無し
^ 百万年前
前期、中期、後期に分けることができる[29]。
前期 古原生代(Paleo proterozoic)は、25億年前から16億年までを指す。
中期 中原生代(Meso proterozoic)は、16億年前から10億年前までを指す。
後期 新原生代(Neo proterozoic)は、10億年前から約5億4,100万年前までを指す。
尚、前期はシデリアン、リィアキアン、オロシリアン、スタテリアン、
中期はカリミアン、エクタシアン、ステニアン、
後期はトニアン、クライオジェニアン、エディアカラン(エディアカラ紀)にそれぞれ分かれる。
また、古生代カンブリア紀以前の地質時代を「先カンブリア時代」と呼ぶので、「先カンブリア時代地質区分」として研究する学者もいる。
脚注^ 「要説 地質年代」P31
^ 顕生代での時代の判定は「地球上の広い範囲で同時に認められる生物化石の変遷」を用いている。