マーシュは映画が現実に忠実になるような映像の構成を研究していた。彼は「この映画に関連したホーキング博士の写真やドキュメンタリーの映像はある。あとは、われわれがそれらを最高の映画に構成し直そうとした。」と述べている[12]。また、レッドメインは本作に出演するにあたって、ホーキング博士と会った。レッドメインは「今でも、博士は動くことができない。しかし、博士の目には活力があった。」と述べ、博士を演じることに重責を感じたという。さらに彼は「映画を作る上で重要となる問題は、実際のできごとの時系列を追って撮影しているわけではないということだ。だからこそ、博士の病状の悪化をしっかりととらえておく必要があった。観客が博士の日常に入り込めるようにもそうする必要がある。ただし、それと同時に、博士のひらめき、ウィット、ユーモアを表現する必要があった。」と付け加えている[12]。
レッドメインはホーキング博士の数多くのインタビュー動画を見て、ホーキング博士の生活を研究するのに半年を費やした[13]。マーシュは「レッドメインがやらねばならなかったことは容易なことではなかった。身体表現が困難なだけではなく、膨大な時間をかけて役作りをする必要があった。単に身体の障害を表現するわけではない。身体を蝕んでいく病の進行過程を表現する一方、知的活動は病気にとらわれていないことも表現する必要があった。」と述べている。マーシュによると、ホーキング博士は映画製作に好意的であり、だからこそ、博士は自身が使っている音声データを提供してくれたのだという[14]。トロント国際映画祭の観客には、ホーキング博士が本作を鑑賞した後に涙を流し、看護師がその涙をふき取ったということが知らされた[13]。 2013年9月より、イギリスのケンブリッジを主なロケ地として主要撮影が始まった[15]。主要撮影の開始に先立って、同年9月23日から27日にかけてワーキング・タイトル・フィルムズはケンブリッジ大学のセント・ジョンズ・カレッジのニュー・コートの前の芝生で撮影を行った。その撮影は1963年のメイ・ボール
撮影
本作で使用されたメイボールにおける花火は、2012年のロンドンオリンピックでの花火を担当したTitanium社が打ち上げたものである[18]。 ヨハン・ヨハンソンが本作で使用される楽曲を作曲した。本作の楽曲は「アコースティックとエレクトロニクスの見事なブレンド」と表現されている。楽曲に関して、ヨハンソンは「オーケストラ、バンド、ソロ演奏のいずれであろうと、さまざまなソースから生まれるサウンドスケープの要素とエレクトロニクスで、ライブの録音の厚みを出そうとしている。」と述べている[19]。なお、本作のサウンドトラックはロンドンのアビー・ロード・スタジオで収録された[20]。 ユニオン・ビジュアル・エフェクツ 2014年9月7日、第39回トロント国際映画祭
音楽
視覚効果
公開