双単線にすることで一方の線路の整備を行いながら他方の線路を使って運行を継続することが可能となる[1]。トラブル等で1線がマヒした場合でも単線運転が可能となる。また、双単線では両方の線路に同じ方向の列車を通して複々線のように使用されることもある[1]。これにより通常時でも駅や信号場等の待避設備に寄らないで複々線のように双方共走行しながら追越すことも可能となり、性能や種別の異なる列車を共存させやすくなる。
一方、日本では運転間隔が稠密なため双単線は殆ど採用されていない[1]。日本のように列車本数が多い国では、駅間で追越や保線での単線運転は難しいため、アメリカやヨーロッパに比べると採用例が極めて少ない。ただし、日本でもATACSやCBTCなどの無線を用いた移動閉塞を導入する際に信号システムを単線並列運転に対応させる流れはある。
日本では以下のような例がある。
東日本旅客鉄道(JR東日本)上越線支線(上越新幹線)
越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間
上越新幹線の保線基地への回送線が、信号システム上、単線並列として整備され、後にガーラ湯沢駅の設置により路線が旅客化された。
東日本旅客鉄道成田線(本線佐原方面・空港支線)
成田駅 - 成田線分岐点間(正式には全区間成田駅構内)
東海旅客鉄道(JR東海)中央新幹線[2]
九州旅客鉄道(JR九州)山陽本線
下関駅 - 門司駅間
関門トンネルの保守点検時間を確保するため。
西日本旅客鉄道(JR西日本)桜島線
西九条駅 - ユニバーサルシティ駅間
西日本旅客鉄道(JR西日本)湖西線
大津京駅 - 近江塩津駅間
2004年より機能停止中
東京地下鉄(東京メトロ)千代田線
綾瀬駅 - 北綾瀬駅間
同駅区間運転の営業線・回送線(北綾瀬駅構内にホームが無い)の2系統を兼ねている。
東京地下鉄(東京メトロ)丸ノ内線2022年度末のCBTC化の際に単線並列運転に対応させる予定。
出典^ a b c d e f g h 井上孝司『配線略図で広がる鉄の世界』p.40、2009年 ISBN 978-4-7980-2200-0
^ “全幹法第9条第2項に基づく添附図書_連動図表”. 2020年6月16日閲覧。
関連項目
単線
複線
複々線
複単線 - 複線と単線を並走させる場合等の形態
今泉駅・松阪駅・人吉駅/人吉温泉駅・田川伊田駅 - 単線の路線2線が一旦合流して単線となり暫く走行した後、駅に進入する例
表
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鉄道線路の形状と配置
本線
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単線並列
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複線
単複線