1980年代後半以降、国有企業の非効率の問題が徐々に露呈し始めた[7]。政府は全面的な国有企業改革を推進し、社会的サービスの機能を企業から切り離し、国営企業を純粋な経済単位とした[7]。1990年代以降企業の余剰人員が整理され、失業者が急速に増え、失業者に対する社会的ケアや支援が重要課題となった[7]。市場経済の進展に伴い、私営企業、民間企業等の非国有企業が急成長し、国有企業以外に雇用される人々が増加し、「単位」に属さない住民が増加した[7][4]。外資系企業の発展は、沿海地区の経済が飛躍的に発展させると同時に、都市と農村の格差を拡大させ、都市に出稼ぎに行く流動人口を加させた[7]。このような事情のもと1980年代後半以降、全国規模での基層社会組織再編を伴った社区建設事業になっていった[7]。社区建設とは、党と政府の主導の下で、社区の力に拠り、社区の資源を活用して社区の機能を強化し、社区の問題を解決し、社区成員の生活レベルを向上させ、社区の経済、政治文化、環境の協調・発展を促進する過程である[7]。1990年代後半以降、政府はこのような社区建設を強力に推し進め、「単位」制度の下で周縁化されていた居民委員会の機能を強化した[8]。居民委員会は行政の末端組織である「街道弁事処」の指導を受け、国家政策の宣伝、計画出産の管理、社会治安の維持、流動人口の管理、失業者の就業斡旋、青少年教育などの街道弁事処から下達された行政的な活動を行っている[8]。
出典^ アメリカがどうしても中国共産党を破滅に追い込みたい「本当のワケ」(橋爪 大三郎) 。現代ビジネス 。講談社(1/4)
典拠管理データベース: 国立図書館
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