ある与えられた量体系において、一定の規則に従って定義される、それらの倍量及び分量を含む、基本単位及び組立単位の集合を「一貫性のある単位系」(coherent system of units)と言う[3]。
単位系の構成に当たっては、一貫性が何より重視される。この原則を崩すと、単位系を導入する意味の多くが失われるからである[4]。
国際単位系の組立単位を例に取ると、例えば; 単位系の違いは、基本単位の違いによるものである。自然科学分野、工業分野ではMKSA単位系を発展させた国際単位系(SI)が最もよく使用されるが、CGS単位系などが用いられる場合もある。他に、基本的な物理定数のみに基づいて定義される自然単位系として、原子単位系、プランク単位系などがあり、量子論などの研究で使用される。メートル法、および英米のヤード・ポンド法や日本(東アジア)の尺貫法などの度量衡法も単位系として扱われることがある。 日本の計量法体系では、国際単位系をベースとした単位が法定計量単位となっており、それ以外の計量単位は特殊の用途(計量法#用途を限定する非SI単位)などの他は使用することができない。
「速さの単位」について見ると;
メートル毎秒は一貫性がある。
キロメートル毎秒は1000という比例定数を含むため、一貫性がない。センチメートル毎秒も0.01という比例定数を含むため、一貫性がない[5]。
もちろん、キロメートル毎時も3600という比例定数を含むため、一貫性がない。
密度の単位について見ると;
キログラム毎立方メートル(kg/m3)は一貫性がある。
グラム毎立方センチメートル(g/cm3)は、一貫性がない(ただ比重にほぼ等しいので、しばしば使われる。)
単位系の種類
計量単位
法定計量単位
国際単位系
メートル法
CGS単位系
MTS単位系
自然単位系
幾何学単位系 (Geometrized units
ヤード・ポンド法
尺貫法(市制)
異なる単位系の間には前順序関係があり、その関係から同値類を構成して分類できることが指摘されている[6][7]。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ JIS Z 8103:2019における対応英語。ISO/IEC Guide99:2007に基づく。
^ その単位系における基本単位から組み立て方(普通は掛けたり、割られたりする)
出典^ JIS Z 8103:2019、p.7、番号213
^ JIS Z 8103:2019、p.7、番号212
^ JIS Z 8103:2019、p.7、番号214
^ 佐藤文隆、北野正雄『新SI単位と電磁気学』岩波書店、2018年6月19日、167頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-00-061261-6。
^ 国際単位系(SI)第9版(2019) 「接頭語がSI単位と共に使われる場合、接頭語によって、1 以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は一貫性を持たないものとなる。」、p.106
^ 北野正雄. Mathematical structure of unit systems. https://arxiv.org/pdf/1305.1291.pdf
^ ⇒http://www.sceng.kochi-tech.ac.jp/koban/quatuo/lib/exe/fetch.php?media=start:kitano.pdf
関連項目
計量単位
一貫性 (単位系)
単位一覧
物理単位
国際単位系
参考文献
[1] BIPM 著、産業技術総合研究所 計量標準総合センター 訳『国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版』産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2020年3月。
表
話
編
歴
SI単位
基本単位
秒
メートル
キログラム
アンペア
ケルビン
モル
カンデラ
組立単位
ラジアン
ステラジアン
ヘルツ
ニュートン
パスカル
ジュール
ワット
クーロン
ボルト
ファラド
オーム
ジーメンス
ウェーバ
テスラ
ヘンリー
セルシウス度
ルーメン
ルクス
ベクレル
グレイ
シーベルト
カタール
併用単位
分
時
日
天文単位
度
分 (角度)
秒 (角度)
ヘクタール