単位系
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基本単位及び、基本単位の対象としての基本的な量の選択、組立単位の構成[注 2]の仕方、補助単位の取捨選択は、便宜の問題である。どの単位を基本単位とするかには選択の余地があり、異なる物理量の単位を基本単位とするいくつかの単位系が存在する。SI基本単位は、実は最も小さな基本単位の組というわけではない。より小さな基本単位の組が提案されており、それは電場磁場が同じ単位を持つ。これは、電場と磁場が実は同じ現象が異なる形で現れたものであるという物理法則に基づく。いくつかの科学の分野では、SIよりもそのような単位系が好まれることがある。

国際単位系(SI)には7つのSI基本単位がある。SIの他の単位は組立単位として表現することができる。基本単位の次元は互いに独立であるとみなされる。
一貫性

ある与えられた量体系の、ある選択された基本単位の集合において、1以外の比例定数を含まず、基本単位の冪乗の積となっている組立単位を「一貫性のある組立単位」(coherent derived unit)と言う[2]

ある与えられた量体系において、一定の規則に従って定義される、それらの倍量及び分量を含む、基本単位及び組立単位の集合を「一貫性のある単位系」(coherent system of units)と言う[3]

単位系の構成に当たっては、一貫性が何より重視される。この原則を崩すと、単位系を導入する意味の多くが失われるからである[4]

国際単位系の組立単位を例に取ると、例えば;

「速さの単位」について見ると;

メートル毎秒は一貫性がある。

キロメートル毎秒は1000という比例定数を含むため、一貫性がない。センチメートル毎秒も0.01という比例定数を含むため、一貫性がない[5]

もちろん、キロメートル毎時も3600という比例定数を含むため、一貫性がない。



密度の単位について見ると;

キログラム毎立方メートル(kg/m3)は一貫性がある。

グラム毎立方センチメートル(g/cm3)は、一貫性がない(ただ比重にほぼ等しいので、しばしば使われる。)


単位系の種類

単位系の違いは、基本単位の違いによるものである。自然科学分野、工業分野ではMKSA単位系を発展させた国際単位系(SI)が最もよく使用されるが、CGS単位系などが用いられる場合もある。他に、基本的な物理定数のみに基づいて定義される自然単位系として、原子単位系プランク単位系などがあり、量子論などの研究で使用される。メートル法、および英米のヤード・ポンド法や日本(東アジア)の尺貫法などの度量衡法も単位系として扱われることがある。

日本の計量法体系では、国際単位系をベースとした単位が法定計量単位となっており、それ以外の計量単位は特殊の用途(計量法#用途を限定する非SI単位)などの他は使用することができない。

計量単位

法定計量単位

国際単位系

メートル法

CGS単位系

MTS単位系


自然単位系

幾何学単位系 (Geometrized units)

ヤード・ポンド法

尺貫法市制

異なる単位系の間には前順序関係があり、その関係から同値類を構成して分類できることが指摘されている[6][7]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ JIS Z 8103:2019における対応英語。ISO/IEC Guide99:2007に基づく。
^ その単位系における基本単位から組み立て方(普通は掛けたり、割られたりする)

出典^ JIS Z 8103:2019、p.7、番号213
^ JIS Z 8103:2019、p.7、番号212
^ JIS Z 8103:2019、p.7、番号214
^ 佐藤文隆、北野正雄『新SI単位と電磁気学』岩波書店、2018年6月19日、167頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-00-061261-6。 
^ 国際単位系(SI)第9版(2019) 「接頭語がSI単位と共に使われる場合、接頭語によって、1 以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は一貫性を持たないものとなる。」、p.106
^ 北野正雄. Mathematical structure of unit systems.  https://arxiv.org/pdf/1305.1291.pdf
^http://www.sceng.kochi-tech.ac.jp/koban/quatuo/lib/exe/fetch.php?media=start:kitano.pdf

関連項目

計量単位

一貫性 (単位系)

単位一覧

物理単位

国際単位系

参考文献

[1]
BIPM 著、産業技術総合研究所 計量標準総合センター 訳『国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版』産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2020年3月。 










SI単位
基本単位



メートル

キログラム

アンペア

ケルビン

モル

カンデラ

組立単位

ラジアン

ステラジアン

ヘルツ

ニュートン

パスカル

ジュール

ワット

クーロン

ボルト

ファラド

オーム

ジーメンス

ウェーバ

テスラ

ヘンリー

セルシウス度


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