舞台設定は原作と同じ南京で、主人公も原作と同じ宋金花だが、芥川龍之介をモデルにした日本人作家・岡川が金花と出会い、恋に落ちるという設定。よって、原作のようにキリスト似の男に奇跡を感じるというシーンはない。映画では、金花の病気は治らず、岡川は日本に帰国後に自殺するという重苦しい内容になっている。
キャスト
岡川龍一郎:レオン・カーフェイ(梁家輝)
宋金花:富田靖子
岡川の妻:中村久美
藕香院の主人:ラウ・シュン
譚永年:トォオ・ツォンホウ
山茶:ジェシカ・チャウ
キリスト:マーク・カスバーグ
吹き替え
岡川龍一郎 : 宮本充
譚永年 : 土師孝也
山茶 : 渡辺美佐
小僧 : 金丸淳一
有馬瑞香/内藤愛美/岡のりこ/大坂史子/水野龍司/小野美幸/坪井智浩/佐藤ユリ/大島一貫/大前潤司/木村雅/佐藤由菜/広田雅宣/岩田安生/定岡子百合/松本大/小山武宏/入江崇史
スタッフ
原作:芥川龍之介 『南京の基督』 『歯車』
監督:トニー・オウ
脚本:ジョイス・チャン
脚本協力:楠本浩美
音楽:梅林茂
サンポーニャ演奏:瀬木貴将
ストリングス編曲:柏木広樹
撮影:ビル・ウォン
美術:エディ・マー、西村薫
照明:梁雄偉、横山秀樹
録音:Showreel Film Facilities、田中峯生
編集:張嘉輝、張耀宗、三宅弘
助監督:劉小娟、比嘉一郎、藤岡浩二郎
整音:堀内戦治
音響効果:帆苅幸雄
OP撮影:佐光朗
OP編集:冨田功
現像:天工彩色沖印有限公司、IMAGICA
タイトル:マリンポスト
プロデュース:森重晃、チャイ・ラン
プロデューサー補:小柳憲子、千葉誠治
アシスタントプロデューサー:沼澤明、ポール・チェン
企画:アミューズ
製作者:大里洋吉(藝神集團)、レナード・ホー(嘉禾電影)
製作協力:東映京都撮影所、俳協
日本語字幕翻訳:戸田奈津子
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 『秦淮の夜』は、1919年(大正8年)、雑誌『中央日報』2月号に発表された。日本人旅行者が可憐な少女娼婦を買い、愛しさと歓喜で抱きしめるという話で、谷崎潤一郎の実体験を元にしている。谷崎はその前年の1918年(大正7年)末に中国に旅行し、翌年に『秦淮の夜』の他、『美食倶楽部』『蘇州紀行』『南京奇望街』などの紀行文を発表している。
出典^ 牧野陽子.
^ 西原大輔 2008.
^ 久米正雄「続七月の文壇」(時事新報 1920年7月14日号に掲載)
^ a b c d e 三島由紀夫「解説」(芥川龍之介著『南京の基督』)(角川文庫、1956年)
^ 南部修太郎「最近の創作を読む 六」(東京日日新聞 1920年7月11日号に掲載)
^ 芥川龍之介「南部修太郎への書簡」(大正9年7月15日付)
^ a b c d 三好行雄「作品解説」(文庫版『杜子春・南京の基督』)(角川文庫、1968年。改版1977年)
参考文献
『芥川龍之介全集3』(ちくま文庫、1986年)
文庫版『杜子春・南京の基督』(付録・解説 三好行雄)(角川文庫、1968年。改版1977年)