南チロル
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2011年の「言語集団調査」によれば、県の116コムーネのうち、103コムーネでドイツ語話者が過半数を占める[8]。住民のほぼすべてがドイツ語話者であるコムーネも多く、ドイツ語話者が人口の90%以上を占めるコムーネが77コムーネ、98%以上を占めるコムーネが26コムーネある[8]マルテッロではドイツ語話者100%(回答者全員が「ドイツ語話者」と申告した)となっている[8]。公文書や教育・メディアなどでは標準ドイツ語が用いられている。ただし、この地域で話されている「ドイツ語」は方言で、県内でも地方ごとに差異があり、東部はバイエルン人バイエルン語話者、西部はアレマン人アレマン語話者が多い。オーストリア公共放送オーストリア放送協会(ORF)は、南ティロルのドイツ語話者住民のための放送も行っており、「Sudtirol Heute(「今日の南ティロル」)というニュース番組が制作・放送されている。
イタリア語
イタリア語話者は県人口の約25%で、県都ボルツァーノをはじめとする南部に多い。2011年の「言語集団調査」によれば、イタリア語話者が過半数を占めるのは5コムーネで、ボルツァーノ (73.80%)、ライヴェス (71.50%)、ブロンツォーロ (62.01%)、サロルノ (61.85%) 、ヴァーデナ (61.50%) である[8]。これに次ぐのはメラーノ (49.06%) で、ドイツ語話者と拮抗している[8]
ラディン語
ラディン語レト・ロマンス語群の言語で、イタリア語とは同じロマンス諸語に含まれる。ラディン語話者はオルティゼーイをはじめとする県東南部のヴァル・ガルデーナ(英語版、イタリア語版)およびヴァル・バディーア(英語版、イタリア語版)に集住しており、8コムーネで過半数(いずれも80%以上)を占める[8]。2011年の「言語集団調査」によれば、ラディン語話者が最大の比率を占めるのはラ・ヴァッレ (97.66%) である[8]。8コムーネ以外では、オルティゼーイに隣接するカステルロットで15.37%を占める[8]。ラディン語話者はボルツァーノ自治県、トレント自治県ベッルーノ県にまたがる山間地域に集まっており、これらの地域は「ラディニア」と呼ばれる。ラディン語話者は全体で約3万人とされており[9]ユネスコの「危機に瀕する言語」では「危険」(Definitely endangered)と評価されている[9]。ボルツァーノ県にはこのうち約2万人が暮らす[8]
言語集団調査

言語集団調査(2011年) [8]

ドイツ語  69.41%
イタリア語  26.06%
ラディン語  4.53%

2011年の国勢調査に際して、イタリア国立統計研究所(Istituto nazionale di statistica, ISTAT)は、ボルツァーノ自治県統計研究所(Istituto provinciale di statistica, ASTAT)と協力し、住民が3つの「言語集団」(: gruppi linguistici / : Sprachgruppen)のいずれに属するかについての調査を行った[8]。これは、自治州憲章に定められた3言語(ドイツ語・イタリア語・ラディン語)の保障を実現するために状況を確認し、また公的資源・公的雇用を言語/民族比によって配分する際の参考にするためのもので、2011年10月9日時点で県内に居住するイタリア市民を対象に行われた[8]

調査に対する回答は匿名で行われ、回答用紙は密封された封筒で提出される[8]。いずれかの言語集団への「帰属表明」(Dichiarazioni di appartenenza / Sprachgruppenzugehorigkeitserklarungen)のほか、「帰属」するという自己認識をしていない住民はいずれかの言語集団への「集約表明」(Dichiarazioni di aggregazione / Sprachgruppenzuordnungserklarungen)を行うことができる[8]。「帰属」と「集約」は法的に差異がないものとされており、統計上は最終的に合算される[8]。14歳未満の子供は親権者がその「言語集団」を別種の封筒で回答するが、たとえば共同親権下にあって両親の「言語集団」が異なるというような場合には白紙で出すことも可能である[8]

調査では45万8641件の封筒が回収された[8]。国勢調査による県人口50万5067人よりも約5万人(人口の約10%)少ないが、国勢調査の対象になっている外国人が言語集団調査には含まれていないことや、調査時点で不在の住民がいること、また特定の言語集団に属すると表明することを望まない住民がいることによると考えられている[8]。白紙や無効回答、何も封入せずに提出された封筒(無回答)を除き、45万3272件が有意な回答とみなされた[8]。内訳は、いずれかの言語集団への「帰属」を表明した回答44万5647件、「集約」を表明した回答7625件である[8]。調査結果は、県単位では以下の実数と内訳が公表されており、コムーネ単位ではパーセンテージが公表される[8]

言語集団「帰属」「集約」合計
回答数比率回答数※回答数比率
ドイツ語310,36069.64%4,244(1.35%)314,60469.41%
イタリア語115,16125.84%2,959(2.51%)118,12026.06%
ラディン語20,1264.52%422(2.05%)20,5484.53%
合計445,647100.00%7,625(1.68%)453,272100.00%

※「帰属」と「集約」を合算した回答のうち、「集約」を表明した者の割合。
世界遺産

ドロミーティ(一部)

スポーツ
サッカー

県内に本拠を置くプロサッカークラブとしては以下がある。所属リーグは2014-15シーズン現在。

FCズュートティロールボルツァーノ) - レガ・プロ(3部リーグ)

4部リーグ(アマチュア最上位リーグ)のセリエDでは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州ヴェネト州のクラブとともにジローネCに属する。トレンティーノ=アルト・アディジェ州の地方リーグ(5部リーグ)として、エッチェッレンツァ・トレンティーノ=アルト・アディジェ (it:Eccellenza Trentino-Alto Adige) がある。
交通ボルツァーノ県の主要交通地図ボルツァーノ駅A22(ヴィピテーノ付近)ボルツァーノ空港

北のオーストリアへの国境越えのルートとして、ブレンナー峠(ブレンネロ峠)が著名である。
鉄道

ブレンナー線インスブルック〕 - ブレンネロ - フォルテッツァ - ブレッサノーネ - ボルツァーノ - 〔トレント - ヴェローナ

ボルツァーノ=メラーノ線 (it:Ferrovia Bolzano-Merano) メラーノ - ボルツァーノ

ヴァル・ヴェノスタ線 (it:Ferrovia della Val Venosta) マッレス・ヴェノスタ - メラーノ


ヴァル・プステリア線 (it:Ferrovia della Val Pusteria) フォルテッツァ - ブルーニコ - サン・カンディド


サン・カンディド=マリボル線 (it:Ferrovia San Candido-Maribor) (オーストリア国鉄ドラウ谷線サン・カンディド - 〔リエンツ - クラーゲンフルト - マリボル


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