南アメリカのほとんどの国(ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、パラグアイ、アルゼンチン、ウルグアイ)ではスペイン語が公用語である。ブラジルではポルトガル語が公用語であり、ほぼ全ての国民にとって母語でもある。その他、ガイアナでは英語、スリナムではオランダ語、フランス海外領土のギアナではフランス語が公用語となっている。
とはいえ、先住民や移民の子孫の間では、母語などとしてそれ以外の言語を使うケースも少なくない。ケチュア語がエクアドル・ペルー・ボリビアの3か国で、アイマラ語がペルーとボリビアで、そしてグアラニー語がパラグアイで、それぞれスペイン語と並んで公用語になっているほか、南米各地の先住民コミュニティ内ではその他数多くの言語が、特に日常生活において今でも使われ続けている。非先住民系の言語としては、ヒンディー語とインドネシア語がスリナムで話されている。イタリア語がアルゼンチン、ブラジル、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ、チリで話されている。ドイツ語がアルゼンチン、チリ、ベネズエラ、ペルー、パラグアイの極一部とブラジル南部各州の多くの地域で話されている(フンスリュック方言(英語版)は国で最も話されているドイツ語の方言であり、その他のドイツ語の方言も広く話されている。ブラジル式ポメラニア語もリバイバルされている)。ウェールズ語はアルゼンチンのパタゴニアのトレレウ、ラウソンで話され、書かれている。少数の日本語話者もブラジル、ボリビア、コロンビア、パラグアイ、エクアドルにいる。レバノン系、シリア系、パレスチナ系のアラビア語話者はブラジル、エクアドル、チリ、アルゼンチンのアラブ人コミュニティーにおり、コロンビアとパラグアイには少ない。
上流階級と高等教育のある人々は一般に英語、フランス語、ドイツ語またはイタリア語を学習する。この地域で観光は大きな産業であり、英語や他のヨーロッパの言語はしばしば話されている。ウルグアイと近接しているため、南ブラジルの大半にはスペイン語の話される小さな地域がある。 ヨーロッパ、特にスペイン、ポルトガルとの歴史的な繋がりのため文化的に豊かである。またアメリカ合衆国の大衆文化からも影響を受けている。 南アメリカのスペイン語圏アメリカの文学は、1960年代・1970年代のラテンアメリカ文学ブームで大きな人気を得た。小説ではガブリエル・ガルシア=マルケスが、他のジャンルではパブロ・ネルーダやホルヘ・ルイス・ボルヘスといった作家が注目された。 南アメリカの広範な人種混合により、ラテンアメリカ料理は黒人、インディオ、アジア人、ヨーロッパ人の影響を受けている。西アフリカの影響を受けているブラジルのバイーアは特に有名である。アルゼンチン、チリ、ウルグアイでは一般にワインが好まれており、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリ南部とブラジル南部の住民は好んでマテ茶を飲み、パラグアイでは冷やしたテレレが飲まれる。ピスコはチリとペルーでグレープワインから生産される酒であるが、双方の国が起源を主張している。ペルー料理は中国、日本、スペイン、アフリカ、アンデス、アマゾンの料理の要素の混合である。 インディヘナとしてはペルーとボリビアの人口の大多数を占めているケチュア人、アイマラ人は他のスペイン語圏諸国よりも注目される存在となっている。大陸南西部のアルゼンチンとウルグアイでは南ヨーロッパ人の子孫がマジョリティである。チリ、パラグアイ、コロンビア、エクアドル、ベネズエラではメスティーソが最大のエスニック・グループである。スリナムはアジア人が最大の唯一の国である。フランス領ギアナではクレオールが最大のエスニック・グループだが、ガイアナ、ベネズエラ、スリナム、コロンビア、ペルー、エクアドルでもまた大きな人種集団である。ブラジルは南アメリカで最も多様な人種構成の国であり、多くの黒人、白人、ムラートと、注目されるべき数のアジア人、アメリカインディアンの住人を抱えている。
文化
住人
地域機構
ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体
アンデス共同体
メルコスール
南米諸国連合
脚注[脚注の使い方]