南アメリカ
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アマゾンは自然の宝庫として知られており、多くの固有種が存在するが、1960年代以降ブラジル政府が積極的な開発に乗り出したため、徐々に森林が失われ始めている。

アマゾン熱帯雨林は、東のブラジル高原に近づくにしたがってサバンナ気候に移行する。さらに東のブラジル北東部に入ると、気候は乾燥しステップ気候となる。ブラジル高原の南東部は大西洋に面しているが、ここは降水量も多く肥沃な土地で、サンパウロやリオデジャネイロなどブラジルのみならず南米屈指の大都市が連なる人口集中地帯となっている。

アマゾンから南へ向かうとマトグロッソ高原に入るが、ここはアマゾン川水系とラプラタ川水系の分水嶺となっている。マトグロッソ高原の南には熱帯半乾燥気候のグラン・チャコ地方やパンタナール大湿原があり、さらにその南には、アルゼンチンの温帯草原、いわゆるパンパが広がっている。パンパは非常に肥沃な土地であり、各地で大牧場が営まれ、アルゼンチンの主要輸出品である牛肉を生産している。パンパのみならず、ラプラタ川流域の北東方面にあるパラナ川パラグアイ川ウルグアイ川といった支流の流域にも肥沃な温帯草原が広がっており、豊かな農牧業地帯となっている。ラプラタ川の河口にあるブエノスアイレスはこの地域の経済の中心である。

パンパの南には、乾燥して冷涼なパタゴニアの台地が広がっている。この地域はパンパに比べて自然条件が厳しく、牧場が点在する程度で開発は進んでおらず、強風の吹きすさぶ荒涼とした土地が広がる。パタゴニアは冷涼な気候と強風が特徴であるが、この気候は南に、つまり南極に近づくにつれてより一層強くなる。南アメリカ大陸と属島であるフエゴ島との間には細いマゼラン海峡が通っており、パナマ運河ができるまでは大西洋と太平洋をつなぐほぼ唯一の商業水路であったが、南極から吹きつける強風によって非常な難所として知られていた。フエゴ島の南端近くには、世界最南端の都市として知られるウシュアイアがある。南アメリカの最南端は、フエゴ島のさらに南のオルノス島に位置するホーン岬であり、ドレーク海峡を挟んで南極大陸と向かい合っている。

ヨーロッパからは、ブラジルの北東部と北米大陸東海岸はそれほど距離に差はない(ロンドン<>ニューヨーク間が5576キロである一方、植民地時代のブラジルの主都だったサルヴァドールと宗主国ポルトガルの首都リスボンの距離は6515キロ)。つまり、南アメリカは北アメリカと比べて、それほどヨーロッパから離れていないということができる。このことが南アメリカの大西洋岸地域をヨーロッパと密接に結びつけた。
地域詳細は「南アメリカの主権国家及び属領の一覧」を参照南米共同体加盟国.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}南米の6大都市サンパウロ, ブラジルボゴタ, コロンビアサンティアゴ, チリリマ, ペルーブエノスアイレス, アルゼンチンリオデジャネイロ, ブラジル

or
地域およびその面積
(km2)[7] (per sq mi)人口
(July 2009 est.)[7]人口密度
per km2首都
Argentina  アルゼンチン2766890 2,766,890 km2 (1,068,300 sq mi)40,482,0001430 14.3/km2 (37/sq mi)ブエノスアイレス
Bolivia  ボリビア1098580 1,098,580 km2 (424,160 sq mi)9,863,0000810 8.4/km2 (21.8/sq mi)ラパスまたはスクレ[8]
Brazil  ブラジル8514877 8,514,877 km2 (3,287,612 sq mi)191,241,7142200 22.0/km2 (57/sq mi)ブラジリア
Chile  チリ[9]0756950   756,950 km2 (292,260 sq mi)16,928,8732110 22/km2 (57/sq mi)サンティアゴ
Colombia  コロンビア1138910 1,138,910 km2 (439,740 sq mi)45,928,9703770 40/km2 (103.6/sq mi)ボゴタ
Ecuador  エクアドル0283560   283,560 km2 (109,480 sq mi)14,573,1014710 53.8/km2 (139.3/sq mi)キト
Falkland Islands  フォークランド諸島 (イギリス)[10]0012173    12,173 km2 (4,700 sq mi)3,140[11]0026 0.26/km2 (0.7/sq mi)ポート・スタンリー
French Guiana  フランス領ギアナ (フランス)0091000    91,000 km2 (35,000 sq mi)221,500[12]0210 2.7/km2 (5.4/sq mi)カイエンヌ
Guyana  ガイアナ0214999   214,999 km2 (83,012 sq mi)772,2980360 3.5/km2 (9.1/sq mi)ジョージタウン
Paraguay  パラグアイ0406750   406,750 km2 (157,050 sq mi)6,831,3061560 15.6/km2 (40.4/sq mi)アスンシオン
Peru  ペルー1285220 1,285,220 km2 (496,230 sq mi)29,132,0132170 22/km2 (57/sq mi)リマ
South Georgia and the South Sandwich Islands サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島 (イギリス)0003093     3,093 km2 (1,194 sq mi)200000 0/km2 (0/sq mi)キング・エドワード・ポイント[13]
Suriname  スリナム0163270   163,270 km2 (63,040 sq mi)472,0000270 3/km2 (7.8/sq mi)パラマリボ
Uruguay  ウルグアイ0176220   176,220 km2 (68,040 sq mi)3,477,7801940 19.4/km2 (50.2/sq mi)モンテビデオ
Venezuela  ベネズエラ09116445   916,445 km2 (353,841 sq mi)31,648,9302780 30.2/km2 (72/sq mi)カラカス
総計7007178245130000000?17,824,5137008385742554000000?385,742,55421.5/km2

歴史

南アメリカに人類が出現したのは「氷河の時代」や「人類の時代」といわれる更新世の末期である。その時期に東北アジアから野生の動物を追って渡来してきたモンゴロイドホモ・サピエンス・サピエンスの狩猟民が、気候の温暖化・乾燥化によって変化する環境に適応しながらこの地方に定着した。中央アンデスにおいてはやがてジャガイモトマトなどこの地域の植物を栽培化していき、この食料生産と農耕を基盤として独自の文明がはぐくまれた。これらの国家は消長を繰り返すが、15世紀末にはアンデス地域の過半はタワンティンスーユ(四つの地方)と呼ばれ、現ペルー南部高原のクスコを首都にしたインカ帝国によって統合されていた。このほかの地域では大規模な帝国は生まれなかった。

しかしインカ帝国は大航海時代からのヨーロッパ人の世界進出の波に飲み込まれ、1533年スペインフランシスコ・ピサロクスコに入城することでほぼ滅亡した。


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