時刻の最大精度を整数秒で扱う場合はGMTと世界時 (UT) はUTC の意味で使用され、GMTはUTCまたはUTに置換して表す[16][17]。
国際原子時との関係詳細は「国際原子時」を参照
国際原子時は、1970年に国際度量衡委員会 (CIPM) が定義した時刻系である。「国際単位系における時間の単位である秒の定義に従い、いくつかの機関で運転されている原子時計の指示値に基づき国際報時局 (BIH) が定める基準となる時刻の座標」と定義されている[18]。1988年からは、それまでの国際報時局に代わり国際度量衡局が1972年以降の協定世界時が国際原子時に完全同調する歩度で整数秒差を維持するように管理している[19][20][12][13]。
国際原子時の起点は、世界時 UT2 の1958年1月1日0時0分0秒である[注釈 4][21]。各国毎の現示は時間に関する国立研究所などが実施し、原子時計データを国際度量衡局へ送信して国際的な時刻目盛の算出に参加している[2]。
世界時および調整詳細は「閏秒」および「地球の自転」を参照
UT1 世界時は各国天文台の地球自転観測データをもとに国際地球回転・基準系事業が定め[22][23]、地球の自転周期はおよそ10年周期の長短とミリ秒単位の不規則さで変動しているが、協定世界時は1972年以降、国際原子時と整数秒差を維持しつつ UT1 世界時と近似的一致を保証するため、秒を挿入または除去する閏秒調整を導入し[12][13][4]、偏差0.9秒[注釈 5]以内[24][4]に収めるべく、国際地球回転観測事業中央局が ΔUT1 (UT1-UTC) の予測値に基づき定めている[22][23]。2018年1月現在、協定世界時は国際原子時から正確に37秒だけ遅れている。
旧協定世界時の調整詳細は「#旧協定世界時」を参照
1971年まで使われた旧協定世界時 (UTC) は、公認されたセシウム原子の振動数を F0 とし、周波数や秒間隔を F = F 0 × ( 1 + s ) {\displaystyle F=F_{0}\times (1+s)} そのオフセット値「50 × n × 10?10、n は整数」を s で定め、 歩度をできるだけ変更せずに UT2 世界時と近似的な一致を得るため F を1年間固定[25][26]していた。