半導体レーザー
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住友電気工業ソニーは共同で、従来、困難だった高出力の純緑色半導体レーザーを開発した[5]

有機半導体レーザー詳細は「有機半導体レーザー」を参照

近年では無機半導体と比較して高い分子設計自由度を特徴とする有機半導体の特徴を利用したレーザーの研究が進められ、2000年7月にベル研究所で発振に成功したと伝えられたが、これは後に捏造であると判明した[6][注 6]。その後も他の研究機関や大学で研究は継続され、徐々に成果が出つつある[7][8][9][10]
応用

他のレーザーと比べ、小型で消費電力が少なく安価に製造出来るため、民生分野の情報機器などで広く用いられている。
CDDVDBD等の光学ドライブの光ピックアップ、コピー機レーザープリンター光ファイバーを用いた通信機器などに利用されている。

高出力なものは1個の素子で5W以上、複数の素子を束ねたアレイとすることで数十Wの出力を持つ 例 や、数十kWもの出力を持つ ⇒ もある。こうした超高出力製品はレーザーマーカーやレーザー加工機などに応用される。

レーザー光のもつ拡散しにくく遠距離まで届く性質から、測量機器や、物を指し示すための目印として使用するレーザーポインターとしても利用され、特に低出力赤色半導体レーザー素子の小型化・低電力化・低価格化と共に広く普及した[注 7]

PC用のマウスは通常は安価なLEDが用いられるが、半導体レーザーを用いたものは「レーザーマウス」と呼ばれ、ハイレンジに属するマウス製品も作られている[注 8]

歯科用レーザーとしては比較的安価であるために、この半導体レーザーを用いた装置が日本では最も普及している。

フォトレジストの光源としてデジタル・イメージングでの走査露光を行う場合に用いられる。主な用途は、平版印刷版プリント基板である。

脚注
注釈^ IUPACでは、「半導体レーザー」はなく、「ダイオードレーザー」という用語を推奨している。
^ 出射する光の形、つまり光量の広がりの形状は、素子のレーザー出力部直近のものがNFP(Near Field Pattern) と呼ばれ、出力部より数cm離れたものがFFP(Far Field Pattern) と呼ばれる。NFPとFFPで90度ねじれる。
^ 半導体による光の増幅は可能だが、荷電キャリアの吸収によるフォトンの損失で実現できないだろうと、エドワード・テラージョン・バーディーンなどに語っている。
^ このときの発明の名称は「半導体メーザー」となっているが、赤外線の増幅を意図したものであった。この特許出願に記載の、半導体への自由キャリアの注入によって再結合放射(発光)を起こす機構は半導体レーザーでも用いられる。
^ この特許権は後年否定された。
^ これに関しては ⇒その真偽に関する調査がおこなわれた
^ 長波長の半導体レーザ光で発振用の結晶(レーザー結晶)を励起することで輝度の向上を試みたり、あるいは非線形光学効果の応用により波長変換を施し、短波長のレーザ光を得る手法(SHGなど)により、可視光レーザー光を発する製品も市販されている。
^ レーザーのコヒーレンス性(可干渉性)を利用して、微細な凹凸を敏感に検出することで感度を上げることができるとされる。

出典^ a b c 安藤幸司著、『半導体レーザーが一番わかる』、技術評論社、2011年6月25日発行、ISBN 978-4-7741-4653-9
^ a b 常深信彦著、『発光ダイオードが一番わかる』、技術評論社、2010年11月1日発行、ISBN 978-4-7741-4391-0
^ a b “「闘う独創研究者」西澤潤一博士が逃した大魚”. 2018年12月22日閲覧。
^http://www.hanel-photonics.com/laser_diode_market_fabry_perot.html 利用可能な波長の概要
^ “世界初、発振波長530nm帯で100mW以上の光出力を有する純緑色半導体レーザーを開発”. ソニー株式会社 ニュースリリース (2012年6月21日). 2021年11月4日閲覧。


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