千葉港
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JR東日本千葉都市モノレール千葉みなと駅」においても、1986年昭和61年)日本国有鉄道(国鉄)京葉線の千葉港駅(ちばみなとえき)として開業しており、「ちばこう」との誤読を防ぐため、駅名標や方向幕などでは当初から「千葉みなと」と表記されることが多かった。1992年平成4年)には正式名称も「千葉みなと駅」に改称している。
法令上の千葉港

法令上の「千葉港」は千葉市、船橋市、市川市・習志野市・市原市・袖ケ浦市にわたる港湾法上の国際拠点港湾もしくは港則法上(葛南区、千葉第1区 - 5区および外港)の特定港に指定されている範囲を指す[4]
地名としての千葉港

千葉市中央区には「千葉港」いう町名がある。1970年(昭和45年)に千葉市新田町、新宿町1丁目、中央港の各一部が町名変更して成立した。いずれも昭和に入って市域に編入された埋立地である。町名は千葉港の中心的位置にあることから港の玄関口として「千葉港」を採用したという経緯がある。千葉みなと駅の東口に位置し、この地区には千葉市役所東京出入国在留管理局千葉出張所、みなと公園などがある。

また、千葉みなと駅の南側は「千葉みなとエリア」とも称される[5]。この地区には千葉みなと桟橋税関検疫所が入る千葉港湾合同庁舎、千葉ポートタワー千葉ポートパーク結婚式場ベイサイドパーク迎賓館AMANDAN SAIL)など、港湾・親水施設が集中している。

なお、「千葉港」よりも古い町名である「中央港」は1967年(昭和42年)に成立した。埋立地であったため元となる地名は存在せず、海の玄関口として中心的な地域であったことから「中央港」と命名した経緯を持つ[6]港湾施設が集中する千葉中央ふ頭の殆どを含んでおり、千葉みなと駅の所在地でもある。
港の区分

千葉港には、千葉港区と葛南港区の2つの港区があり、千葉港区は千葉市、市原市、袖ケ浦市に展開している。葛南港区は船橋市、市川市、習志野市に展開している。この内、水産庁により市川港[7]第1種漁港に指定されている。その他、指定外の一般呼称として船橋港[8]、袖ヶ浦港、長浦港[9][10]などがある。

港は千葉港区、葛南港区合わせて11地区に分かれている。また、千葉港区は港則法上(千葉第1区 - 5区)に区分けされている。

千葉港区(第1、第2、第3、第5区)

千葉中央地区(千葉中央ふ頭・千葉出洲ふ頭、第1・3区)

千葉北部地区(幕張新都心、第5区)

千葉南部地区(第2区)

千葉港区(第4区)

姉崎地区

八幡地区

五井地区

北袖ケ浦地区

南袖ケ浦地区

葛南港区

葛南中央地区(船橋中央ふ頭)

葛南東部地区(船橋東ふ頭・日の出ふ頭)

葛南西部地区(市川ふ頭)


海港コード

国際連合欧州経済委員会(UNECE)が制定している国際連合貿易輸送位置コード(UN/LOCODE)は以下である[11]

JP_CHB:千葉港区の第1、第2、第3、第5区

JP_FNB:葛南港区

JP_ANE:千葉港区の第4区

※第三管区海上保安部[12]においてAIS(船舶自動識別装置)による目的地コードには千葉(千葉港区の第1、第2、第3、第5区)、船橋(葛南港区)、姉ヶ崎(千葉港区の第4区)のコードが用いられているが、船舶の動船状態を取得するサービスであるMarineTraffic[13]では更に市原、習志野が追加されている。
千葉港区

千葉中央地区
千葉中央地区周辺(千葉みなと)

港則法上の第1区・第3区および外港。当地区は千葉港発祥の地であり千葉港区の拠点港「千葉港」を有する。水深12メートル岸壁3バース(うちコンテナバースは1バース)、水深10メートル岸壁5バースが整備されており、千葉中央ふ頭では、主にコンテナ貨物と完成自動車貨物を取り扱っている。コンテナターミナルは、千葉港の商港的機能の強化を図るため1994年(平成6年)6月に開設、ガントリークレーン1基で供用していたが、1997年(平成9年)3月に更に1基増設し、現在では2基体制となっている。

千葉中央地区の出洲ふ頭では、主にRORO船貨物(紙・パルプ、化学工業品、鋼材)を取り扱っている。野積み場には製材や鋼材などが保管されている。

千葉中央ふ頭および出洲ふ頭には耐震強化岸壁が1バースずつ整備されており、大規模災害時には緊急物資の輸送を担う。千葉中央ふ頭の西側は専用岸壁で構成されており、各種加工工場や流通基地が立地し、背後に立地する食品業者やLPG基地によるジェット燃料(成田国際空港向け)などが輸入されている。

当地区には港の玄関としてふさわしい景観と親水施設および港湾緑地として「千葉ポートパーク」が整備された。この一画には、県の人口が500万人を突破したことを記念して、千葉港のシンボルとして建設された高さ125メートルの「千葉ポートタワー」がある。更に千葉みなと桟橋、ケーズハーバーなど、客船ターミナルとして人々の憩いの場や賑わいの場として整備している。また蘇我寒川緑地においても、近隣の商業施設(ハーバーシティ蘇我)とともに賑わいの場となっている。

千葉北部地区
千葉北部地区周辺(幕張新都心)

港則法上の第5区。幕張新都心や海浜公園が立地し、県内外から多くの人々が訪れる地区となっている。幕張新都心は総面積522ヘクタール、就業予定人口15万人、居住予定人口3万6千人。業務研究、教育文化、商業、住宅などの諸機能が計画的に配され、環境デザインの描き出す街並みは、これまでの日本にない「新しい都市」と「未来への発展」にふさわしい都市を作り、マリン・リゾート施設など、ウォーターフロントとしての機能も加わることによって、さらに多様な人々の集積を目的としている。

前面の水際線には、日本一長い人工海浜(幕張の浜、検見川の浜、いなげの浜)が整備され、海水浴やウインドサーフィンおよび漁業水域として利用されている。

今後の計画として統合型リゾート(IR)導入可能性の検討予定や、海上空間を用いたドローンによる宅配の取組み(国家戦略特別区活用事例)、JFAナショナルフットボールセンター(仮称)が幕張海浜公園内に竣工予定である。

千葉南部地区

港則法上の第2区。千葉南部地区には大規模製鉄所や火力発電所などが立地しており、それぞれ専用岸壁が整備されている。
千葉港区(第4区)

姉崎地区
五井・姉崎地区上空写真

住友化学などが立地し、原材料の輸入や製品の積出しが行われている。

八幡地区

市原市の石油コンビナート地帯にあり、公共の岸壁では、砂利・砂、金属くずなどが取り扱われている。 また、造船所や鉄鋼業、電気機械業が立地し、専用岸壁で原材料の輸入や製品の積出しが行われている。 この地域には京葉臨海鉄道が敷設されていることから、発電所で使用する大型トランス(変圧器)のようなトラックでは輸送困難なものも、 鉄道で輸送されている。

五井地区

石油化学工業が多く立地し、石油コンビナートを形成しており、専用岸壁が整備され、原材料の輸入や製品の積出しが行われている。

北袖ケ浦地区

千葉港の南部に位置し、水深7.5メートル岸壁3バース、水深5.5メートル岸壁12バース、水深4.5メートル岸壁5バースなどが整備され、砂・砂利、非金属鉱物の積下しに利用されている。

南袖ケ浦地区

公共の岸壁(5バース)が整備され、砂利・砂、建設残土などが取り扱われている。 ガス供給業や石油化学工業、建設業が多く立地し、専用岸壁が整備されている。 地区内にある「袖ケ浦海浜公園」には多目的広場や展望塔が設置され、憩いの場となっている。

葛南港区

葛南中央地区

船橋市潮見町、市川市東浜の埋立地に位置しており、総面積は133ヘクタールある。水深10メートル岸壁5バース、水深7.5メートル岸壁11バースなどを供用しており、公共岸壁の主要貨物は、金属くず、鋼材、砂・砂利貨物となっている。岸壁の背後の野積み場では、これらの貨物が主に保管されている。また、海浜公園が整備されており、港湾緑地による親しみある場所となっている。全面の海域には大規模な干潟である三番瀬が位置している。また、東側に位置する日の出埠頭には船橋ボートパークが位置し、プレジャーボートなどが係留されている。

葛南東部地区

葛南東部地区には鋼材業者や港運業者、食品業者、自動車関係業者などが立地しており、これらの企業が扱う完成自動車貨物などが専用岸壁で取り扱われている。公共岸壁では、砂・砂利貨物などの取扱いを行っている。

船橋東ふ頭は船橋市高瀬町、浜町にあり、水深7.5メートル岸壁2バースの耐震強化岸壁が整備され、供用中である。また、水深6.0メートル岸壁5バースが整備されており鋼材などを取り扱っている。

日の出ふ頭は船橋市日の出、湊町にあり、水深5.5メートル岸壁5バースなどが整備されており砂、砂利、麦類などを取り扱っている。

葛南西部地区

市川市塩浜1丁目の埋立地に位置しており、水深5.5メートル岸壁2バースが整備され砂、砂利、鉄鋼などの取扱いに利用されている。鋼材業者や物流センターなどが立地する物流拠点となっている。
歴史
鎌倉・室町時代
千葉港の起源千葉市内を流れる都川

鎌倉時代には千葉常重鎌倉幕府を開いた源頼朝の重鎮であった千葉常胤の父)が1126年大治元年)に亥鼻千葉県千葉市中央区亥鼻町)に居館(亥鼻城)を構えており、都川周辺は亥鼻城址として栄え、下総国令制国上の千葉県千葉市)の地方船着場として都川河口(現在の千葉市中央区寒川町付近)を下総国の「」として利用されていたことが起源とされている[14][15]


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