プロデューサーを務めた丸山正雄は、今敏の映画作品で最高傑作であるとしている[1]。
本作は批評家から好意的に受け入れられ、Rotten Tomatoesでは93%の「フレッシュ」評価を得た[2]。
『ロサンゼルス・タイムズ』の批評家、ケネス・トゥーランはこの映画について、「映画が私たちの個人的、集団的な潜在意識の中にある場所を熟考することで、『千年女優』は映画という物がこれまであまり行ったことのない領域の魅力的に踏み込んでいる」と述べている[3]。『シカゴ・トリビューン』のケビン・M・ウィリアムズは、この映画に4つ星をつけ、「映画芸術の作品だ。これは現代日本のアニメーションの最高傑作だ(中略)アニメーションだが、人間的であり、深く愛したことのある人の魂に響くだろう」と感想を述べた[4]。
2004年2月、『Cinefantastique』は、このアニメを「10 Essential Animations(10本の最重要アニメーション)」の1つに挙げ、「アニメの新たな成熟を象徴しており、40年間の技術的な成果が、感情的に豊かなストーリーのためについに全面的に投入された」と述べた[5]。
2014年のイギリスの名門映画雑誌『トータルフィルム』による歴代アニメーション映画ベスト75に、『パーフェクトブルー』(1997)、『千年女優』(2002)、『東京ゴッドファーザーズ』(2003)と3つも今敏作品をラインアップした[6]。 『千年女優』は前作『パーフェクトブルー』で高い評価を得た今敏監督の二作目の映画で、初のオリジナル作品[7][8]。丸山正雄が企画を、真木太郎がプロデューサーを務めた[9]。 今作の企画は、前作を見てプロデュースすることになった真木太郎の「騙し絵みたいな映画を作ろう」という一言から生まれた[7][10]。脚本作りは、今が思い付いた「かつて大女優と謳われた老女が自分の一代記を語っているはずが、記憶は錯綜し、昔演じた様々な役柄が混じりはじめ、波瀾万丈の物語となっていく。」という一文から始まった。この一文をもとに今が肉付けして書いた大まかなプロットが原案となり、この段階で物語の最初と最後を形作る構成は決まった[8]。この時点で映画のラストシーンがイメージされ、完成した映画にそのまま残っている[11]。そしてシナリオライターの村井さだゆきやプロデューサーも交えてそのプロットの中に盛り込むエピソードや細かな人物設定などを膨らませて行った[11]。
受賞歴
第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞(『千と千尋の神隠し』と同時受賞)
第6回ファンタジア国際映画祭・最優秀アニメーション作品賞&芸術的革新賞
第33回シッチェス・カタロニア国際映画祭・最優秀アジア映画作品賞
2003年度東京アニメアワード・劇場映画部門最優秀作品賞
第57回毎日映画コンクール・大藤信郎賞
第8回アニメーション神戸作品賞・劇場部門
制作