千姫
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墓所は伝通院と茨城県常総市天樹院弘経寺にあり、また徳川家松平家)が三河時代から帰依していた浄土宗の総本山である京都の知恩院に、定例により分骨され宝塔に納められた。知鑑は後に位牌や遺物を祭るため、伊勢に寂照寺を開いた。戒名は「天樹院殿栄譽源法松山禅定尼」。
人物『魁題百撰相 秀頼公北之方』による千姫の錦絵(月岡芳年画)

従兄にあたる初めの夫・豊臣秀頼とは夫婦仲睦まじく、千姫が16歳のとき、秀頼が女性の黒髪を揃える儀式「鬢削」を千姫にしていたのを侍女が見ている。

穏和な性格の持ち主と伝えられる一方で、秀頼と側室の間に生まれた娘・天秀尼が処刑されそうになった際に体を張って必死の助命嘆願を行い、その結果、天秀尼は助けられたとされる。天秀尼は後に「縁切り寺」として有名な東慶寺の住職となった。

曾祖父・織田信秀と祖母・の聡明さと美貌を受け継いだ、美しい姫君であったという。2人目の夫・本多忠刻(母・熊姫は徳川家康と織田信長の孫で、千姫の従姉である)も眉目秀麗であったといわれ、美男美女夫婦で仲睦まじかった。

亡くなった際、娘・勝姫の長女である奈阿姫(本多忠平室)は祖母の菩提を弔うために「浄土三部経」を書き写し、弘経寺に納めた。奈阿姫の書いた「浄土三部経(紺紙金泥阿弥陀経)」は現在、茨城県常総市指定文化財となっている。

祖父・家康や父・秀忠から可愛がられ、また、弟・家光とも姉弟仲は良好だったらしい。歴代の幕府もその経歴から処遇に関しては細心の注意を払った。

江戸時代に『吉田御殿』(あるいは『千姫御殿』)の伝承があり[注 2]、夜な夜な美男を招き入れては殺す千姫像は、錦絵浪曲にもなった。昭和時代においてもその伝承を基にした映画[注 3]やテレビドラマ[注 4]が制作され、広く知られていたが、史実ではない。豊臣家や「千姫事件」の坂崎直盛への同情が生んだ民間伝承である。

血筋

徳川慶喜は千姫の血を引いている[6]

        本多忠勝 本多忠政                                      
  
                 本多忠刻  
  
     織田信長 徳姫            
    
              熊姫       
  
          松平信康           勝姫 池田綱政 池田政純 静子 一条溢子 徳川治紀 徳川斉昭 徳川慶喜
           
織田信秀  徳川家康               
  
          徳川秀忠           
  
     お市           千姫  
        
         豊臣達子  
  
    浅井長政  
 

千姫が登場する作品
映画

千姫御殿(
1948年大映、演:花柳小菊

千姫(1953年宝塚映画、演:浅茅しのぶ

千姫1954年・大映、演:京マチ子

彦左と太助 殴り込み吉田御殿1955年東映、演:喜多川千鶴

千姫御殿(1960年・大映、演:山本富士子

大坂城物語1961年東宝、演:星由里子

千姫と秀頼(1962年・東映、演:美空ひばり

真田風雲録1963年・東映、演:本間千代子

くノ一忍法1964年・東映、演:野川由美子

くノ一忍法帖 柳生外伝1998年キングレコード東北新社、演:白島靖代


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