千住火力発電所(お化け煙突)は、昭和時代を代表する東京の名所の一つであったことから、映画や小説など、多くのメディア・媒体で取り上げられることも多かった。
映画
『煙突の見える場所』(1953年、新東宝・ベルリン国際映画祭国際平和賞受賞)
タイトルバックに煙突の航空写真、そして車窓から見た煙突の本数が変わる様子などが分かる。
『東京物語』(1953年、松竹)
『この広い空のどこかに』(1954年、松竹)
『赤線地帯』(1956年、大映)
浅草を俯瞰したタイトルバックで、浅草寺の向こうに煙を吐く4本煙突が見える。
『危険な英雄』(1957年、東宝)
荒川で誘拐犯捜査中の刑事の背景に巨大なお化け煙突が登場。3本から一瞬4本に変わるところが分かる。
『天使の時間』(1957年、松竹)
『リングの王者 栄光の世界』(1957年、新東宝)
主人公と彼の妹、そして恋人が歩く土手の背景に、1本に見える煙突が確認できる。
『一粒の麦』(1958年、大映)
車窓から4本から2本に変わる様子が見える。
『警視庁物語 魔の伝言板』(1958年、東映)
『女が階段を上る時』(1960年、東宝)
客の家を訪れたバーの雇われマダム(高峰秀子)の背景として4本のお化け煙突が登場する。
『青い芽の素顔』(1961年、日活)
荒川越しに煙を吐く4本のお化け煙突が登場する。
『零戦黒雲一家』(1962年、日活)
『左ききの狙撃者 東京湾』(1962年、松竹)
西新井橋下の河川敷から見上げた4本のお化け煙突が登場する。まだ稼動中であり、煙を吐いている。
『いつでも夢を』(1963年、日活)
まだ木造の西新井橋の向こう、荒川越しにお化け煙突が登場する。
『見上げてごらん夜の星を』(1963年、松竹)
町屋付近の隅田川越しにお化け煙突が登場する。
『九ちゃんの大当りさかさま仁義』(1963年、東映)
映像としては登場しないが、主人公の坂本九たちが度々「お化け煙突の見えるアパートに住んでいる」と口にする。
『宇宙大怪獣ドゴラ』(1964年、東宝)
『HINOKIO』(2005年、松竹)
実際には千住火力発電所そのものではないが、4本のお化け煙突のネタがストーリー上の重要なファクターとして登場する。
アニメ
『おばけ煙突のうた』(1993年、早乙女勝元原作・アニメ絵本あり)
『エスパー魔美』(第55話「想い出さがし」1988年5月10日放送、テレビ朝日系列)
『鉄人28号オープニング』(2004年、テレビ東京)
『電脳コイル』(2007年、日本放送協会) - 13話にお化け煙突と隅田川がモデルの場所が出てくる。
『ヤッターマン』(リメイク版第18話「OldDays 下町の夕日だコロン!」2008年、日本テレビ系列) - ドクロリングがある場所として登場する。
漫画
『そよかぜさん』(手塚治虫)
『おばけ煙突』(1958年、つげ義春)
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)
「おばけ煙突が消えた日の巻」(1988年、週刊少年ジャンプ18号掲載・59巻収録・アニメにも登場している)[11]
「希望の煙突の巻」(2004年、週刊少年ジャンプ18号掲載・141巻収録)
『夕焼けの詩』(45巻収録、西岸良平)
『オバケのQ太郎』(1966年、藤子不二雄、『Qちゃん行方不明』より)
小説
『無邪気な人々』(1952年、椎名麟三)
『おばけ煙突の見える路地』(1998年、たかだしずえ)
『おばけ煙突』(1976年、つげ義春)
『わくらば日記』(朱川湊人) - 主人公が近くに住んでいた。
楽曲
『オバケエントツ』(2016年、スガシカオ)
脚注・出典^ ⇒歴史「明治・大正」東京下町問屋街
^ 電気ゆかりの地を訪ねてvol.29「千住発電所」(日本電気協会関東支部)下記リンク
^ 1942年4月18日に行われたアメリカ軍の東京初空襲(ドーリットル空襲)では東京第一陸軍造兵廠を目標としていた機体が位置を誤って隅田川対岸西方にある荒川区西尾久を爆撃しており、当発電所の近傍を通過しているが、被害は受けていない。「千住火力発電所も攻撃目標とされていた」とする新聞記事や文献等もあるが(東京新聞 2012年4月16日『本土初空襲から70年 爆心地の記憶 風化させぬ』「 ⇒たむたむ(多夢・太夢)ホームページ>本土初空襲(ドゥ〈?〉リットル空襲)」)、アメリカ軍の計画において目標として選定されていたかについては不明である。
^ “お化け煙突をご存知ですか?懐かしい昭和のシンボルの今昔