千と千尋の神隠し
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その途中で、千尋は自分が幼い頃に落ちた「」がハクの正体である事を思い出し、彼女が川の名前を告げた事でハクは本当の名前を思い出す。ハクは、落とした靴を拾おうとして溺れかけた千尋を、浅瀬に運び助けたのだった。

翌朝[22]、臨時休業をしている油屋に帰ったハク達。ハクが千尋と彼女の両親を解放するよう湯婆婆に要求すると、今や千尋の味方となった従業員達もハクに賛同する。味方がいなくなり怒る湯婆婆は、油屋の前に集めたブタの中から両親を言い当てろと千尋に難題を出す。千尋はブタ達を真剣に見つめると、この中に両親はいないと正解を言い当てる。湯婆婆の目論見は外れ、契約書が消滅した事で千尋は晴れて自由の身となり、従業員達に祝福されながら油屋を去る。

昼になり[23]、異世界と人間界の境界のトンネルに帰るため食堂街の出口に着くと、夜は大河に変わっていた所が草原に戻っていた。見送るために一緒に来たハクは千尋に、この先には一人で行く事、この先の帰り道でトンネルを出るまでは振り返ってはいけない事、湯婆婆の弟子を辞めて自分も元の世界に戻るつもりである事を伝え、再会を約束して別れる。千尋は草原を歩き続けると、人間に戻った両親がトンネルの前で何事もなかったかのように待っていた。千尋は思わず振り返りそうになるがハクとの約束を思いだし必死に我慢して振り返らず、トンネルを抜けて人間界に戻った千尋が振り返ると、トンネルは最初に来た時とは違う姿に変わっていた。その後、再び車に乗って引越し先に向かう所で物語は幕を閉じる。
登場人物
主要人物
荻野 千尋(おぎの ちひろ) / 千(せん)
声 -
柊瑠美本作の主人公である10歳の少女[24]。荻野家の一人娘。すぐいじけて我儘を言ったり両親に頼ろうとする、典型的な都会育ちの一人っ子、現代っ子気質。悪く言えば怖がりだが良く言えば慎重で、家族の中で唯一入る前から異界を怪しんでいた。焦げ茶色の髪をポニーテールにしている。私服は白色に黄緑色のラインが入った半袖Tシャツに桃色の半ズボン靴下は白、は黄色。一人称は「私」。二人称は「あなた」である。千尋やリンを含む湯屋の下働きの少女達の制服は、上下共に桃色の水干[25][注 3]、裸足、何も被らない(水干の上着が桃色とは違う色の少女や水干の袴が桃色とは違う色の少女もいる) 。ちなみに大人の従業員ナメクジ女の制服は2つあり、1つは烏帽子を被り、白い着物の上に赤い袴、白い足袋草履(赤い袴に桃色とは違う色の水干の上着の女性や袴が赤とは違う色の女性もいる)。もう1つは何も被らず、色や柄のついた着物、裸足に草履。千尋やリンを含む従業員の多くが、掃除や調理の時などにたすきをつける。両親と共に新しい町へ引っ越してきた日に異界へと迷い込んでしまう。彼女の体が消えかけた時、ハクが丸薬を食べさせ元に戻してくれた[27][28]。神への料理を勝手に口にした罰を受けブタにされてしまった両親を人間に戻し、元の世界に帰る為に湯屋「油屋」の経営者である湯婆婆と契約を交わした事で名前を奪われ、「千」と名づけられ下働きをし始める。唯一事情を知った上で、味方をしてくれるハクが差し出した「千尋の元気が出るようにまじないをかけて作った」おにぎり(具のない塩むすび)を食べ、ずっと自分を心配してくれていたハクの優しさと思いやりに触れた事で、大粒の涙を流し感情を露わにする。また、ハクが保管してくれていた私服の中に、引っ越しの際に友人から贈られたメッセージカードを見つけ、自身の名前を忘れかけていた事に気づいた。初めは礼儀知らずで仕事の手際も悪かったが、湯屋での経験を通じて適応力や忍耐力を発揮していき、釜爺やリンとも交流を深める。リンによると、兄役から「リンと千、今日から大湯番だ。上役の命令だ」と言われ、二人がさせられた大湯番は本当はカエル男の仕事であり[注 4]、大湯は汚れた客専門の風呂[注 5]。大湯はカエル男達の千尋への嫌がらせで[31]風呂釜の中も周りも全く掃除されていなかった。だが釜は後でためた薬湯のおかげで綺麗になった。釜の中を掃除中の千尋にカオナシが渡そうとして、彼女が断り、彼が姿を消す時に落とした大量の薬湯の札の中の一枚を、オクサレ様が風呂に入った後千尋が使い、足し湯ができたので、カオナシと廊下で再会した時に「あの時はありがとうございます」と言った[32]。オクサレ様を接客した際には、余りの悪臭に鼻を両手で塞いでしまい湯婆婆に叱られたり、ヘドロ塗れ[注 6]の料金を (ロマンアルバムでは小判[34]、絵コンテでは小判と穴あき銭と記述[33]) 、受け取ると悲鳴を上げて身震いしていた。しかし彼の体にトゲのような物が刺さっており苦しんでいる事を確認すると、従業員達と協力して体から大量のごみを引っ張り出し元の河の神の姿に戻す。河の神を送り出した後、ごみに混じって砂金が発見された為湯屋に大きな儲けをもたらし、湯婆婆からよくやったと抱き締められる。この一件から、最初は人間である事から彼女を嫌っていた従業員達からも認められ周囲になじみ始める。物語終盤ではカオナシ[注 7]にニガダンゴ[36]を食べさせ、飲み込まれた従業員達を助け、魔法で傷ついたハクをダンゴで救い[37]、銭婆とも和解させ、過保護に育てられた坊の親離れに一役買うなど活躍する。ボイラー室で重い石炭を燃える火の中に投げ入れたり、ダンゴを飲み込ませる為竜の姿のハクの口を力づくでこじ開けるなど、見かけによらずパワフルな面もある。彼女は最初、ダンゴを両親に食べさせようと思い、河の神から貰ったその日に一口味見をし、非常に苦かったのであんまんを猛烈な勢いで食べた[38]。就寝時、大量のブタの中の両親を見分けられずダンゴを食べさせられなかったという悪夢を見た。ハクがダンゴにより吐き出した銭婆のハンコに、湯婆婆により彼の体内に入れられた虫がくっついていたが、虫が苦手な千尋が踏み潰した。千尋はその虫が、ハンコの守りのまじないだと思い込み、銭婆に踏み潰した事を謝った。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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