モータリゼーション以前の大規模工場には、製品や原料などを輸送するために、周囲の鉄道駅から線路(専用線あるいは専用鉄道)が引き込まれることが多かった。日本製紙の前身である、十條製紙や山陽国策パルプ、大昭和製紙も例外ではなく、ほぼすべての工場に鉄道が引き込まれていた。
輸送方式の変更(トラック輸送への転換など)によって1970年代後半から1990年代前半にかけて多くが廃止・撤去されたが、2008年(平成20年)3月現在でも5工場で使用されている。以下は現存する工場の一覧で、括弧内は路線が接続する路線名および駅名である。
石巻工場 (仙石線・石巻港駅)
岩沼工場 (東北本線・岩沼駅)
富士工場 (東海道本線・富士駅および吉原駅)
伏木工場 (氷見線・伏木駅)
岩国工場 (山陽本線・岩国駅)
かつて専用線・専用鉄道が使用されていた工場は以下の通り。 2007年(平成19年)秋、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、宮城球場の命名権募集に応募。他2社との競合の末、同年12月に命名権取得が決定。球場名を「日本製紙クリネックススタジアム宮城」(略称:Kスタ宮城、Kはクリネックスの頭文字)に改称することになった。
釧路工場 (根室本線・新富士駅)
白老工場 (室蘭本線・萩野駅)
旭川工場 (宗谷本線・新旭川駅)
勇払工場 (日高本線・勇払駅)
秋田工場 (羽越本線・新屋駅)
十條工場 (東北本線・北王子駅。線路自体は日本製紙物流北王子倉庫の専用線として使用していたが、2014年3月14日運行終了)
江津工場 (山陰本線・江津駅)
八代工場 (鹿児島本線・八代駅)
坂本工場 (肥薩線・坂本駅)
関係する人物
渋沢栄一(王子製紙創業者)
齊藤知一郎(大昭和製紙創業者)
齊藤了英(大昭和製紙第2代社長)
前田正名(華族、財団法人前田一歩園)
斉藤舞子(フジテレビアナウンサー)曽祖父が大昭和製紙の創業者で祖父が日本製紙元名誉会長
蝶野正洋(レスラー)父照正が山陽国策パルプ専務
くらもちふさこ(漫画家、父倉持長次が日本製紙初代会長。作品中に山陽国策パルプ時代の社宅などをモデルとした事物が登場する)
スポーツ関連
宮城球場の命名権取得