十二夜
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本作は2007年に再演され、2009年にはロンドンのバービカン・センターで上演された[39]

2020年、舞台をベル・エポックパリ ピガールに移した「ミュージカル『ピガール狂騒曲』」を宝塚歌劇で上演[40]
映画

1910年にヴァイタグラフ・スタジオがフローレンス・ターナー、ジュリア・スウェイン・ゴードン、マリン・セイス主演で『十二夜』の短いサイレント映画版を作っている。また、オーストラリアで1986年に『十二夜』 (Twelfth Night) として映画化されている。

1996年の映画『十二夜』はトレヴァー・ナン監督によるイギリス映画で、19世紀を舞台にしている。イモジェン・スタッブスがヴァイオラ役、ヘレナ・ボナム=カーターがオリヴィア役、トビー・スティーブンスがオーシーノ役である。メル・スミスがサー・トービー、リチャード・E・グラントがサー・アンドルー、ベン・キングズレーがフェステ、イメルダ・スタウントンがマライア、ナイジェル・ホーソーンがマルヴォーリオを演じた。喜劇的な要素が減って正攻法のドラマになっているため、批判を受けた[41]

2001年にディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーモトクロスの世界に舞台を置き換えて『モトクロスト』 (Motocrossed) を制作している。

2004年の映画『ホワイト・ライズ』ではローズ・バーン演じるアレックスがアマチュアの『十二夜』上演でヴァイオラを演じる。

本作は2度、アメリカの高校を舞台にした作品として翻案されている。1985年に制作された『彼女はハイスクール・ボーイ』 (Just One of the Guys) と、2006年の映画『アメリカン・ピーチパイ』 (She's the Man) である[42]

『彼女はハイスクール・ボーイ(英語版)』は、高校生のテリー(ジョイス・ハイザー)が性差別ゆえに憧れの仕事であった新聞社のインターンに選ばれなかったと考え、両親の留守中に男装してライバルの高校に男子として入学し、そこで友人になったリックに恋してしまうという物語である。設定は『十二夜』に似ているが、名前や展開などは原作と大きく異なり、自由な翻案である。

アメリカン・ピーチパイ』は『彼女はハイスクール・ボーイ』よりも原作に近い作品になっている。本作は『恋のからさわぎ』が『じゃじゃ馬ならし』を現代化したのと同様の手法で『十二夜』を現代のティーンコメディに作り替えており、同じチームが脚本を担当している。舞台はイリリアというプレップスクールで、芝居の主要人物の名前も同じである。例えばイリリアの公爵オーシーノは「デューク・オーシーノ」(「公爵」を意味する「デューク」がファーストネーム)となっている。ただしヴァイオラは男装後「シザーリオ」ではなく、兄の実名「セバスチャン」を使用して男性のふりをする。物語はサッカーチームのライバル関係をめぐるものに変わっているが、混乱したロマンスは原作と同じように描かれている。主人公のヴァイオラは兄セバスチャンのふりをし、オリヴィアはヴァイオラをセバスチャンだと思って恋に落ちる。「シザーリオ」という名前は高校の生徒たちが行くレストランの名前に使われている。イリリア学園サッカーチームでデュークのチームメイトになるのはアンドルーとトービーである。マルヴォーリオの脇筋は省かれているが、少しだけ登場するタランチュラにマルヴォーリオという名前がつけられている。モニークやマルカムなど、シェイクスピアの作品から直接来ているのではない人物も登場する。

恋におちたシェイクスピア』には『十二夜』への言及がある。映画の終盤で、ジュディ・デンチ演じるエリザベス1世ジョセフ・ファインズ演じるシェイクスピアに十二夜の祝宴用の喜劇を書くよう頼む。映画に登場するシェイクスピアの恋人はグウィネス・パルトロウ演じる「ヴァイオラ」であり、富裕な商人の娘で、役者になるため男のふりをする。シェイクスピアは金銭的に困窮し、『ロミオとジュリエット』を書こうとしてスランプに陥っている劇作家である。ヴァイオラは映画の最後で『十二夜』のヒロインのモデルとして提示される。『十二夜』が難破で始まることをふまえ、この映画はヴァイオラが恋人であるシェイクスピアと引き裂かれ、意に染まぬ結婚を強いられてアメリカの植民地に向かった後、難破を生き延びてヴァージニアの岸に降り立つ場面を含んでいる。

『十二夜』は『Vフォー・ヴェンデッタ』で言及されている。登場人物であるVがイヴィーと踊りながらヴァイオラの台詞を引用する。
テレビ番組

1937年5月14日にBBC Oneが『十二夜』の30分間の抜粋をロンドンで放送した。これは記録に残っているものの中では、シェイクスピアの戯曲がテレビで放送された最初の例である。ジョージ・モア・オフェラルが新しいメディアであるテレビ用にプロデュースしたもので、のちにアカデミー賞を受賞する著名な女優グリア・ガースンが若手として出演している。アレクサンドラ・パレスのBBCスタジオからライヴで放送され、テレビ放送を記録する技術は存在しない時代であったため、スチール写真以外の映像記録は残っていない[43]

1939年にマイケル・セイント=デニスの演出により、こちらも将来のアカデミー賞女優であるペギー・アシュクロフト主演で芝居の全編がテレビ放映された。サー・トービー・ベルチの役は若き日のジョージ・ディヴァインが務めた。

1957年にアメリカのNBCが『ホールマーク・ホール・オヴ・フェイム』のプログラムでこの芝居を放映した。これは『十二夜』がはじめてカラーでテレビ放映された機会であった。モーリス・エヴァンズが舞台で当たり役であったマルヴォーリオを再び演じ、デニス・キング、ローズマリー・ハリス、フランセス・ハイランドも出演した。

1966年にオーストラリアでテレビ版の『十二夜』が放映されている。

1969年にジョン・シッチェルとジョン・デクスターの演出でUKテレビ版が制作された。ジョーン・プロウライトがヴァイオラとセバスチャンを演じ、アレック・ギネスがマルヴォーリオ、ラルフ・リチャードソンがサー・トービー・ベルチを演じ、トミー・スティールが非常に独創的なフェステであった。


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