マルヴォーリオは役者の間では人気のある役柄である。イアン・ホルムは何度もこの役を演じ、他にサイモン・ラッセル・ビール(ドンマー・ウエアハウス、2002年)、リチャード・コーデリー(2005年)、パトリック・スチュワート(チェスター、2007年)、デレク・ジャコビ(ドンマー・ウエアハウス、2009年)、リチャード・ウィルソン(2009年)などがこの役を演じている[36]。 若い女性が「男の世界」行う自立の道の探求、「ジェンダーの曖昧化」、(回り道ではあるが)「同性間の性的惹かれ合い」などのテーマゆえに、ミュージカルなどを中心に多数の舞台翻案が制作されている[37]。 Your Own Thing (1968年)、Music Is (1977年)、All Shook Up (2005年)、Play On! (1997年)などがその例であり、最後のふたつはそれぞれエルヴィス・プレスリーとデューク・エリントンの楽曲を用いたジュークボックス・ミュージカルである。ピーター・エリス作曲によるミュージカル Illyria も制作されている。シアター・グロテスコはオーシーノ公爵とオリヴィアの召使いの視点から現代版の翻案劇を制作している。この翻案は階級差別やリーダーシップなき社会について考察するものである。 1999年に『十二夜』は『十二夜?またはお望みのもの?』というタイトルで宝塚歌劇団により上演されたが、この作品には劇場と役者の役割についてさらに明らかな注釈がいくつか付け加えられており、さらに全ての役が女優によって演じられるため、ジェンダーをステージに適応させることがより多層的に描かれた[38]。なお、宝塚歌劇団は1980年に『十二夜』の翻案による『恋の冒険者たち』を上演している。 2005年には、尾上菊之助が蜷川幸雄に演出依頼し、『十二夜』を歌舞伎演目として作り替える『NINAGAWA十二夜』が上演された。本作は2007年に再演され、2009年にはロンドンのバービカン・センターで上演された[39]。 2020年、舞台をベル・エポックのパリ ピガールに移した「ミュージカル『ピガール狂騒曲』」を宝塚歌劇で上演[40]。 1910年にヴァイタグラフ・スタジオがフローレンス・ターナー、ジュリア・スウェイン・ゴードン、マリン・セイス主演で『十二夜』の短いサイレント映画版を作っている。また、オーストラリアで1986年に『十二夜』 (Twelfth Night) として映画化されている。 1996年の映画『十二夜』はトレヴァー・ナン
翻案
舞台作品
映画
2001年にディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーがモトクロスの世界に舞台を置き換えて『モトクロスト』 (Motocrossed) を制作している。
2004年の映画『ホワイト・ライズ』ではローズ・バーン演じるアレックスがアマチュアの『十二夜』上演でヴァイオラを演じる。
本作は2度、アメリカの高校を舞台にした作品として翻案されている。1985年に制作された『彼女はハイスクール・ボーイ』 (Just One of the Guys) と、2006年の映画『アメリカン・ピーチパイ』 (She's the Man) である[42]。
『彼女はハイスクール・ボーイ(英語版)』は、高校生のテリー(ジョイス・ハイザー)が性差別ゆえに憧れの仕事であった新聞社のインターンに選ばれなかったと考え、両親の留守中に男装してライバルの高校に男子として入学し、そこで友人になったリックに恋してしまうという物語である。設定は『十二夜』に似ているが、名前や展開などは原作と大きく異なり、自由な翻案である。
『アメリカン・ピーチパイ』は『彼女はハイスクール・ボーイ』よりも原作に近い作品になっている。本作は『恋のからさわぎ』が『じゃじゃ馬ならし』を現代化したのと同様の手法で『十二夜』を現代のティーンコメディに作り替えており、同じチームが脚本を担当している。