十二刻
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したがって正子・正午以外の時刻も季節により変動した[注 5]

寛政暦では、夜明けと日暮れ時は、太陽の中心の地平線に対する伏角が7°21′40″となる時刻であるとされる。これは、球面三角法を使用した計算で京都での春分秋分の日における日の出前・日没後2刻半の太陽の位置を求めた結果に基づくものであることが、後の明治時代以降に判明した[2]。この場合、夜明けと日暮れの長さは緯度・季節によって異なるが、京都のみならず江戸においても約36分前後となる。理科年表には、視太陽の中心の伏角が7°21′40″となる時刻を夜明、日暮として旧東京天文台における夜明・日出・日入・日暮の時刻が記されている[3]
方位との関係

正子の太陽方位つまり十二方位の子(し)、正午の太陽の方位はつまり十二方位の午(ご)である。地球上の南北線を子午線(しごせん)と呼ぶのは、このためである。同様に、東の方位は「(ぼう)」、西の方位は「(ゆう)」であるので、東西線を「卯酉線(ぼうゆうせん)」と言う。これらの関係は、他の正刻については正確ではないが大まかには成り立つ。
時辰の細分
2小時

代以降になると西洋の24時間制が入り、時辰も2分されて1時間に相当する小時(小時辰の略)も用いられるようになった。これにより時刻も、初刻から1時間の初と、正刻から1時間の正に分けられ、例えば子の刻であれば、23時から0時までが子初、0時から1時までが子正とされた。

日本語では、時辰の半分に当たる時間を半刻(はんとき)と呼んだ。
3刻

時辰を40分ごとの3刻に分ける。この3刻を早い順に上刻、中刻、下刻という。

例えば、子の刻ならそれぞれを「子の上刻」「子の中刻」「子の下刻」と呼ぶ。

ただし、期間のことではなく、それぞれ時辰の始まり・中間・最後である、つまり、上刻は初刻、中刻は正刻、下刻は次の初刻のことだとの説もある。
4刻

時辰を30分ごとの4刻に分ける。子の刻ならそれぞれを「子一つ」「子二つ」「子三つ」「子四つ」と呼ぶ。「草木も眠る丑三つ時(丑三つ刻)」の成句で知られる「丑三つ」は2時から2時30分である(不定時法のため少し変動する)。

日本語では、時辰の4分の1に当たる時間を四半刻(しはんとき)と呼び、これは江戸時代には日常的に用いられる時間の最小単位であった(天文学などの専門分野では更に細かい単位も用いられたが)。
補註^ 時間帯を表す明・朝・昼・夕・暮・宵・夜・暁などの語は、時間により2通りあるものもあり、それは斜線で区切って示した。
^ 24時間記法の6時ではなく、宣明暦では日の出の時刻。貞享暦以降は日の出2刻半(36分)前の夜明け。したがって冬は遅くなり、夏は早くなる。
^ 24時間記法の18時ではなく、宣明暦では日没の時刻。貞享暦以降は日没2刻半(36分)後の日暮れ。したがって冬は早くなり、夏は遅くなる。
^ ここでいう1刻は十二時辰ではなく、1日を100等分したものであり、1刻 = 14分24秒。
^ 現在の時刻による正午と、当時の南中における午の正刻は、経度のみならず、季節に依っても数分程度前後する。均時差アナレンマ参照。

出典^ 明治5年太政官布告第337号に、「改暦前の時刻の呼称を『字』を用いていた」とある。
^ a b 保柳睦美, 「江戸時代の時刻と現代の時刻」『地学雑誌』 1977年 86巻 5号 p.273-284, 東京地学協会, doi:10.1029/10.5026/jgeography.86.5_273。
^ 『理科年表』, p2-30.

参考文献

国立天文台『理科年表 平成29年』 第90冊(2017年版)、丸善理科年表〉、2016年11月30日。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-621-30095-4。 


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