北極圏に位置しない諸国も、北極海航路や資源開発、安全保障などで関与している。北極評議会は北極圏に領土を有する各国と他の北欧諸国(スウェーデン、フィンランド)の正規メンバー8カ国に加えて、日本を含む非北極諸国13カ国がオブザーバー参加している[2]。
2017年暮れの12月8日、北極に面したロシア・ヤマル半島で、中国がロシアに資金協力する形で結ばれた協力案件でLNG(液化天然ガス)開発プロジェクトでもある「ヤマルLNG」が正式稼働。2019年に全面竣工後、3本の生産ラインで毎年中国へ400万tのLNGが供給されている。この量は中国が輸入するLNG総量の8%に相当し、中国はこの箇所をシルクロードになぞらえ「氷上シルクロードの重要拠点」と位置づけている[3]。
また中国も北極進出を2004年に行なっており、同国は初となる北極観測基地「黄河基地」をノルウェー・スバールバル諸島に建設している。そして2017年には、気象や航路調査、海洋生物多様性調査などで北極を3か月かけ一周する調査活動も行なった。
一方、北極に近い極東に位置する日本は2015年、国家政策の一つ『我が国の北極政策』を発表し、航路や資源開発に取り組む姿勢を示した[4]。前述の北極圏評議会オブザーバー参加に続いて、産官学で北極圏の課題を話し合う「北極サークル」に2018年10月、河野太郎外務大臣が出席し、閣僚を初めて派遣した。上記のヤマルLNGプロジェクトには日本企業も関与している。こうした日本の積極姿勢は、中国の北極進出を視野に入れている[5] 。
脚注[脚注の使い方]^ 「北極で繰り広げられる壮絶な軍事演習、新たな冷戦の舞台裏」
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