天然繊維と人造繊維(化学繊維)の分類は、繊維の一般的な分類の方法であるが、天然繊維の綿を樹脂で架橋結合したものや、複合繊維のように分類上問題のあるものもある[1]。 化学繊維(人造繊維)には無機質繊維(無機繊維)と有機質繊維(有機繊維)がある[1]。 合成繊維は低分子の製造原料から合成によりつくられた高分子の組成の化学繊維[1]。 など 半合成繊維は天然高分子化合物を原料に他の物質との化合により多少の化学変化を加えて紡糸したもの[1]。 など 再生繊維は天然高分子化合物を原料にそれを溶解してから紡糸したもの[1]。 など 金属繊維(金糸・銀糸)、ガラス繊維、岩石繊維、炭素繊維など[2]。 JIS L 0204-2 : 2020「繊維用語(原料部門)?第2部:化学繊維」に記載されている化学繊維には以下のようなものがある(括弧内は英語表記)[3]。
分類
有機繊維
合成繊維
ポリエステル系合成繊維
ポリアミド系合成繊維 - ナイロン
半合成繊維
セルロース系半合成繊維 - アセテート
タンパク質系半合成繊維 - プロミックス
再生繊維
セルロース系再生繊維 - レーヨン、キュプラ、ポリノジック
無機繊維
JISによる化学繊維の種類
レーヨン(rayon, viscose)
ポリノジック
モダル
リヨセル(lyocell)
キュプラ(cupro)
アセテート(acetate)
トリアセテート
プロテイン繊維
プロミックス(promix)
ビニラール
ビニロン(vinylon)
エチレンビニルアルコール繊維(ethylene vinyl alcohol fiber)
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride, chlorofiber)
ビニリデン(polyvinylidene chloride, chlorofiber)
アクリル(acrylic)
モダクリル(modacrylic)
アクリレート(polyacylate)
ナイロン(nylon, polyamide)
アラミド(aramid)
ポリエステル(polyester)
ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)
ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate)
ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)
ポリアリレート繊維(polyarylate fiber)
ポリ乳酸(polylactide)
ポリエチレン(polyethylene)
ポリプロピレン(polypropylene)
ポリウレタン(polyurethane, elastane)
ふっ素繊維(fluorofiber)
ポリイミド(polyimide)
ポリエーテルエステルエラストマー(polyeterester elastomer)
ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide)
アルギネート(alginate)
エラストジェン(elastodiene, rubber)
エラストオレフィン(elastolefin)
メラミン繊維(melamine fiber)
ポリカーボアミド(polycarbamide)
トリビニル(trivinyl)
ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazol)
キチン繊維(chitin fiber)
炭素繊維(carbon fiber)
ガラス繊維(glass fiber)
金属繊維(metal fiber)
セラミック繊維(ceramic fiber)
歴史
1884年:フランスのイレール・ドゥ・シャルドネ[注釈 1](fr:Hilaire de Chardonnet)が硝酸セルロース(ニトロセルロース)よりレーヨンを製造、1889年のパリ万国博覧会に「シャルドネの絹」として出品される[4](ニトロセルロースは1832年発明)。
1892年:イギリスのクロス(en:Charles Frederick Cross)とビーバン(en:Edward John Bevan)がビスコースレーヨンを発明、特許を得る[4]。