化学兵器禁止条約第2条9項の規定により、以下の目的については例外が認められている。
工業、農業、研究、医療又は製薬の目的その他の平和的目的
防護目的、すなわち毒性化学物質及び化学兵器に対する防護に直接関係する目的
化学兵器の使用に関連せず、かつ化学物質の毒性を戦争の方法として利用するものではない軍事的目的
国内の暴動の鎮圧を含む法の執行のための目的
警察などが暴徒鎮圧に催涙ガスを使用しても条約違反にならないのは、この条項の「国内の暴動の鎮圧を含む法の執行のための目的」による物である。そのため、解釈によっては国内のテロリストなどに対して、化学兵器を使用することは違法行為ではない。 戦争時における化学兵器の使用禁止は、すでに1925年のジュネーヴ議定書で謳われているが、開発・生産・貯蔵といった行為は禁止項目ではなく、そのために化学兵器の開発や生産が米国やソ連、日本などによって行われていた。とくに第二次世界大戦後は、米ソの冷戦の激化にともない、大量の化学兵器が両国によって開発・生産・貯蔵される状態が続いた。 国際社会はBC兵器を問題視し、規制議論が行われ、1966年の国際連合総会において、「化学兵器及び細菌兵器の使用を非難する決議」が採択され[3]、生物兵器については、1975年には生物兵器禁止条約が発効したが、化学兵器については遅れていた[3]。 イラン・イラク戦争や湾岸戦争における化学兵器の使用あるいは使用の疑惑といった状況を背景にして、化学兵器の使用だけではなく、開発から生産、貯蔵までをも禁止するべきだとの国際世論が高まり、化学兵器禁止条約の署名に到った。
歴史
脚注[脚注の使い方]^ a b c d e 化学兵器禁止条約(CWC)の概要 外務省
^ “化学兵器禁止法に基づく規制の概要
表
話
編
歴
軍縮条約
概念
平和主義
人道主義
勢力均衡
軍備管理
多国間主義
国際組織
国際連盟
国際連合
NBC兵器以外
ハーグ条約(1899, 1907)
ヴェルサイユ条約(1919)
ワシントン海軍軍縮条約(1922)
ジュネーヴ議定書(1925)
不戦条約(1928年)
ロンドン海軍軍縮条約(1930)
第二次ロンドン海軍軍縮条約(1936)
環境兵器禁止条約(1978)
特定通常兵器使用禁止制限条約(1983)
ヨーロッパ通常戦力条約(1992)
対人地雷禁止条約(1999)
クラスター弾禁止条約 (2010)
核兵器
戦略兵器削減条約
第一次戦略兵器制限交渉(SALTT,1969)
第二次戦略兵器制限交渉(SALTU,1972)
第一次戦略兵器削減条約(START I,1991)
第二次戦略兵器削減条約(START II,1993)
第三次戦略兵器削減条約(英語版)(START III,未締結,1997)
モスクワ条約(SORT,2002)
新戦略兵器削減条約(New START,2010)
核実験制限・禁止
部分的核実験禁止条約(PTBT,1963)
地下核実験制限条約(TTBT,1974)
平和目的地下核爆発制限条約(PNET,1976)
包括的核実験禁止条約(CTBT,未発効,1996)
核兵器不拡散・禁止
核拡散防止条約(NPT,1968)
核兵器禁止条約(TPNW,2021)
非核兵器地帯