勲三等瑞宝章
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The Order of the Sacred Treasure, Gold Rays with Neck Ribbon
正章(右)と略綬(左)
勲三等瑞宝章(くんさんとう ずいほうしょう)名称から「勲三等」を除き、等級を旭日章にならい「中綬章」で示す正章に鈕を加える
瑞宝小綬章(ずいほう しょうじゅしょう)
The Order of the Sacred Treasure, Gold Rays with Rosette
正章(右)と略綬(左)
勲四等瑞宝章(くんよんとう ずいほうしょう)名称から「勲四等」を除き、等級を旭日章にならい「小綬章」で示す正章に鈕を加える
瑞宝双光章(ずいほう そうこうしょう)
The Order of the Sacred Treasure, Gold and Silver Rays
正章(右)と略綬(左)
勲五等瑞宝章(くんごとう ずいほうしょう)名称から「勲五等」を除き、等級を旭日章にならい「双光章」で示す正章に鈕を加える
瑞宝単光章(ずいほう たんこうしょう)
The Order of the Sacred Treasure, Silver Rays
正章(右)と略綬(左)
勲六等瑞宝章(くんろくとう ずいほうしょう)名称から「勲六等」を除き、等級を旭日章にならい「単光章」で示す正章に鈕を加える

正章(左)と略綬(右)[4]
勲七等瑞宝章(くんななとう ずいほうしょう)廃止

正章(左)と略綬(右)[4]
勲八等瑞宝章(くんはっとう ずいほうしょう)

授与基準

「勲章制定ノ件」(明治8年太政官布告第54号)によれば、瑞宝大綬章、瑞宝重光章、瑞宝中綬章、瑞宝小綬章、瑞宝双光章、及び瑞宝単光章は「国家又ハ公共ニ対シ積年ノ功労アル者」に授与される。

閣議決定により定められた「勲章の授与基準」
[2]によれば、瑞宝章は、「国及び地方公共団体の公務又は次の各号に掲げる公共的な業務に長年にわたり従事して功労を積み重ね、成績を挙げた者を表彰する場合に授与する」とされている。同規定中の「次の各号」とは、以下の通り。
学校において教育又は研究に直接携わる業務

各種施設において社会福祉に直接携わる業務

医療又は保健指導に直接携わる業務

調停委員、保護司、民生委員など国又は地方公共団体から委嘱される業務

著しく危険性の高い業務

精神的又は肉体的に著しく労苦の多い環境における業務

前各号に掲げるもののほか、人目に付きにくい分野における業務


授与する勲章は、その者の果たした職務の複雑度、困難度、責任の程度等について評価を行い、特に重要と認められる職務を果たし成績を挙げた者に対しては瑞宝重光章以上、重要と認められる職務を果たし成績を挙げた者に対しては瑞宝小綬章以上、その他の職務を果たし成績を挙げた者に対しては瑞宝単光章以上とする。

瑞宝章の授与は、形式的な職務歴により等しく行うものではなく、他の模範となる成績を挙げた者に対象を限り行うものとする。

一般行政事務に長年従事し成績を挙げた者のうち次の各号に掲げる者に対して授与する勲章は、それぞれ当該各号に掲げるものを標準とし、その他の者に対してはこれらの者との均衡を考慮して相当と認められる勲章を授与するものとする。なお、その者の功労全体を総合的に評価して、より上位の勲章の授与を検討することができるものとする。

ア 事務次官の職を務めた者 瑞宝重光章

イ 内部部局の長の職を務めた者 瑞宝中綬章

ウ 本府省の課長の職を務めた者 瑞宝小綬章


一般行政事務以外の国又は地方公共団体の公務等に長年従事し成績を挙げた者に対しては、前号に準じて相当と認められる勲章を授与するものとする。

勲章の授与に必要とされる職務従事期間は、その職務の重要度等を考慮し、適正に調整するものとする。

運用勲一等瑞宝章を佩用して貴族院本会議に臨む近衛文麿

旧制度下においては勲等の序列は旧来の宮中席次に則り、上位から旭日章宝冠章、瑞宝章の順に、同じ勲等の中では最も下位に位置づけられていた。その序列において、瑞宝章とその上位の宝冠章の格差は、宝冠章とその上位の旭日章の格差よりも大きいとみなされており、瑞宝章の各等級は旭日章と宝冠章に比べて半等級下位とみなされ、勲一等瑞宝章は旭日章と宝冠章の勲一等と勲二等の中間、勲二等瑞宝章は旭日章と宝冠章の勲二等と勲三等の中間に位置付けられていた[5]。しかし2003年(平成15年)、栄典制度の抜本的改革にあたり、栄典制度の男女公平化によって旭日章、桐花章、菊花章が女性にも等しく開放されることとなり、瑞宝章もこれまでとはその栄典の性質を変化させた。栄典制度改正により瑞宝章は旭日章と同格になり[5]、瑞宝章は旧制度下での旭日章と宝冠章の下位の勲章という位置づけから、国家に対する貢献の質的な違いで旭日章と差別化が図られることになった。すなわち、旭日章が「国家や公共への功労」という観点を重視して授与されるのに対し、瑞宝章は「公務か公務に準ずる公共的な業務への長年の奉仕」という観点を重視して授与されるように、より明確化されたのである。その国家に対する貢献と言う観点での質的な違いをより正確にいうと、旭日章の授章基準が“国家または公共に対し功労がある者の内、功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者”であるのに対し、瑞宝章の授章基準は“国家または公共に対し功労があり、公務等に長年従事し、成績を挙げた者”である[6]
外国人に対する儀礼的叙勲での運用

瑞宝章が儀礼叙勲で用いられることは少ないが、国賓の来日や皇族の外遊などの際に同席する、「広義のロイヤルファミリーとして一般に認知されているが、個人としては公式な王族身位を所持しない者」や「準王族・元王族」といった身位の者に対して大綬章(勲一等)が贈られてきた例がある。タイのソムサワリ元皇太子妃や、オランダマルフリート王女ベアトリクス女王の妹)の夫ピーター・ファン・フォレンホーフェン(英語版)などにその例を見ることが出来る。

珍しい例としては、明仁上皇が皇太子時代に美智子妃を伴ってマレーシアを公式訪問した際に、接遇にあたった「前国王の令息の妃」に対して儀礼叙勲として勲一等瑞宝章を贈与している。通常、女性王族であれば勲一等宝冠章が与えられるところであるが、マレーシアの国王は複数のスルタン家の中から任期を指定して輪番制で選ばれる。このため「正式な王家・王族」の定義が時期によって変わり、身位の定義が難しかった。そこで日本国政府の下した判断が、勲一等瑞宝章の贈与であった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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