動詞
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意志による分類

名称働き備考
意志動詞 (volitional verb)人間などの意志による動作を表す動詞希望・可能・命令・禁止などの形をとれる。
無意志動詞 (non-volitional verb)意志によらない動作などを表す動詞希望・可能・命令・禁止などの形態をもたない。

視点による分類

名称働き例語備考
主体動作動詞主体の動作をとらえている動詞書く・食べる…など自動詞も他動詞もある。「いる」をつけると動作の進行を表す。
主体変化動詞主体の変化をとらえている動詞立つ・結婚する・開く・壊れる…などほとんどが自動詞である。「いる」をつけると結果の持続を表す。
主体動作・客体変化動詞主体からは動作を、客体からは変化をとらえている動詞開ける・壊す…などすべて他動詞である。
能動態と受動態に対立があり、「いる」を能動態につけると動作の進行を表し、受動態につけると、結果の残存を表す。

日本語の動詞
分類

言語学では、日本語の動詞を形態により 3 種類に分ける。五段動詞、一段動詞、不規則動詞(「する」と「来る」)である。五段動詞を、-u 動詞、グループ 1 動詞、子音動詞、強変化動詞とも呼ぶ。一段動詞を、-ru 動詞、グループ 2 動詞、母音動詞、弱変化動詞とも呼ぶ。この呼び名は、語幹語尾に基づいている。

五段動詞語幹が子音で終わる。原形は -u で終わる。kak-u, kak-imasu, kak-anai
hanas-u, hanas-imasu, hanas-anai
一段動詞語幹が母音 (i, e) で終わる。原形は -ru で終わる。mi-ru, mi-masu, mi-nai
tabe-ru, tabe-masu, tabe-nai
不規則動詞「する」と「来る」のみ。s-uru, s-imasu, s-inai
k-uru, k-imasu, k-onai

助動詞

言語学では、日本語の、「-て」に後続し文法的機能を示す動詞を分類して助動詞と呼ぶ。これは、国文法では「補助動詞」と呼ぶ。国文法でいう「助動詞」については助動詞 (国文法) を参照すること。
国文法

日本語動詞の活用の種類
文語口語
四段活用
ナ行変格活用
ラ行変格活用
下一段活用五段活用
下二段活用下一段活用
上一段活用
上二段活用上一段活用
カ行変格活用
サ行変格活用

国文法では、動詞は用言の一つであり、活用する自立語である。活用の形態により、五段活用上一段活用下一段活用カ行変格活用サ行変格活用に分類される。
動詞の活用形

各形に後続する主な言葉

未然形ない・う・よう・ぬ・れる・られる・せる・させる
連用形た・だ・て・ます・「、」・たい・ながら
終止形と・「。」・から・けれど
連体形とき・の・こと・名詞
仮定形
命令形「!」・と・「。」

複合動詞

「押し続ける」「作り上げる」のように 2 つの動詞を結合したものを複合動詞という。前の動詞(連用形)を前項動詞、後続の動詞を後項動詞という。

意味的には、「切り倒す」「ふりかける」のように 2 つの動詞の意味をほぼ対等に結合した複合動詞 (語彙的複合動詞) もあるが、上例のように前項動詞が基本的な意味を担い、後項動詞が主として文法機能を果たす複合動詞 (統語的複合動詞) も多い。

特に前項動詞の種類に対する制限の少ない後項動詞「始める」、「続ける」、「尽くす」、「過ぎる (前に形容詞形容動詞の語幹もとれる) 」、「お…する (謙譲語) 」などは補助動詞としても扱われ、「押され続ける」のように 2 つの動詞の間に助動詞が介入できることもある。中には「かねる (不可能などを表す) 」のように、独自の意味を失いほぼ文法機能のみを担う、助動詞的な後項動詞もある (丁寧の助動詞「ます」も後項動詞形式の補助動詞「参らする」に由来する).
英語の動詞

英語では、補語を伴って状態を表すbe動詞 (SVC) と、それのみで動作を表したり副詞句を伴ったりする自動詞 (SV) と、目的語目的格補語を伴う他動詞 (SVOO, SVOC) がある。また "give up" (諦める)や "take care of" (世話する)のように、副詞前置詞名詞などを伴った形で、全体として一つの動詞のように用いられる句動詞となることもある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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