古生代カンブリア紀初期 (Nemakyt-Daldynian)、約5億4200万年前には珪酸塩や炭酸塩、リン酸塩からなる骨片(硬組織)をもつ微小有殻化石群 (SSFs, Small Shelly Fossils) が見られる[127][128][95][129]。化石に残る硬組織を獲得し、急速に多様な動物が出現したため、「カンブリア爆発」(カンブリア大爆発)と呼ばれる[127][130][131][129]。海綿動物、軟体動物、腕足動物、節足動物、棘皮動物、環形動物、脊索動物など、現在の動物門のほとんどを占める30余りの動物門[127]が化石記録に残っている。かつては現在とは無縁で現生動物よりも多数の動物群が突然出現したと考えられていたが、カンブリア紀以前の動物化石が発見されたり、カンブリア紀の生物群と現生の動物との類縁関係が判明してきたため、現在ではカンブリア爆発は複雑な器官(眼、触手、脚)を獲得したことよる活発な行動様式の発達および硬組織の発達による左右相称動物の多様化であると捉えられている[131][132]。5億3200万年前には Aldanella yanjiahensis と呼ばれる軟体動物の化石が見つかっている[90]。約5億2100万年前(トモティアン)になると、動物は眼を獲得し、それまで意味を持たなかった硬組織が防御や捕食に有利になり、それが軍拡競争として働いて多様な姿を持つ動物群が現れたと考えられている(光スイッチ説)[131]。また分子時計の解析から遺伝子レベルの生物の爆発的多様化はこれより数億年早いと考えられる[90][131][注釈 12]。カンブリア紀からオルドビス紀初頭にみられる大不整合の研究から、カンブリア爆発の原因は海洋中の化学成分(Mg2+、Na+、K+、Ca2+、Fe2+などのイオン)が増加した影響が指摘されている[133]。カンブリア爆発は2000万年[134][135] から2500万年[136][137] 続いた。
前期オルドビス紀にはカンブリア紀までに登場した動物門が大きく適応放散し[127]、これはGOBE (The Great Ordovician Biodiversification Event) と呼ばれる[138]。
オルドビス紀末に大量絶滅(O-S境界)があったが、無顎類(顎の無い脊椎動物)は生き残り、シルル紀に多様化し、顎のある脊椎動物も登場した[127]。デボン紀には硬骨魚類が多様化し、石炭紀には両生類が繁栄、ペルム紀には爬虫類が繁栄した[127]。
シルル紀には最古の陸上動物の化石である節足動物多足類が登場し、デボン紀に節足動物が多様化、石炭紀には翅を持つ昆虫類が登場した[127]。
中生代トリケラトプスの骨格化石
ペルム紀末には地球史上最大の大量絶滅(P-T境界)が起こり、中生代三畳紀には海洋生物が大量に絶滅[127]。哺乳類が登場した[127]。
ジュラ紀には恐竜が繁栄し、鳥類も登場した[127]。また、軟体動物の殻を破るカニ類や硬骨魚類が進化し、これに対抗して厚い殻をもつ軟体動物が進化した(中生代の海洋変革)[127]。白亜紀までには現生の昆虫類のほとんどが登場[127]。
白亜紀末には巨大隕石の衝突による大量絶滅がおこる(K-Pg境界)[127]。 新生代は哺乳類が優勢になり、鳥類、昆虫類、真骨魚類も適応放散し、現在と同様の動物相が形成された[127]。新生代の後半にあたる第四紀には人類も出現した。 化石動物について、上記の分類される現存動物門のいずれにも属さないとして、新たな動物門が提唱されることがある。以下に主要なもののみ挙げる。 カイメン[種名 1]
新生代
化石動物についての動物門
†三裂動物門 Trilobozoa
†盾状動物門 Proarticulata
†古虫動物門 Vetulicolia Shu et al., 2001ウェツリコラなどが属する。その後は脊索動物とされ、その1亜門(古虫動物亜門)になる[139]。
†葉足動物門 Lobopodia Snodgrass, 1938アイシュアイア、ハルキゲニアなどが属する。汎節足動物であり、現生汎節足動物の各動物門(有爪動物・緩歩動物・節足動物)の最も近い共通祖先から、それぞれの初期に分岐した系統(ステムグループ)の一部まで含んだ側系統群であると考えられる[140][141]。
絶滅した動物「絶滅した動物一覧」を参照
現生の動物の系統
下位分類
(海綿動物門)カイロウドウケツ[種名 2]
(海綿動物門)クシクラゲ[種名 3]