動物界
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棘皮動物毛顎動物のように卵黄が等しく分布する等黄卵 (homolecithal egg[注釈 9])の場合は、ウニのように等割(とうかつ、equal cleavage)を行うか、環形動物や多くの軟体動物のように不等割(ふとうかつ、unequal cleavage)となる[70][73]。これらは卵割面が割球同士を完全に仕切るため全割と呼ばれる[71]。それに対し、端黄卵(たんおうらん、telolecithal egg)では分裂溝が卵黄の少ない動物極から現れるため、ハート形分裂(クラゲ型分裂;刺胞動物)の時期を経る[70][73]。クラゲ型分裂がより極端になると、頭足類軟体動物)のように最初の分裂溝が植物極に達しないまま次の分裂溝が動物極に現れる盤割(ばんかつ、discoidal cleavage)を行う[70]節足動物イソギンチャク(のように多量の卵が中央にたまっている心黄卵[注釈 10] (centrolecithal egg)では、表割(ひょうかつ、superficial cleavage)が行われる[70][73][71]。第3分裂(4細胞期から8細胞期)では、不等割を行うものでは動物極側のものは小さく、植物極側のものは大きいため、それぞれ小割球(しょうかっきゅう、micromere)と大割球(だいかっきゅう、macromere)と呼ばれる[72][74]

また、卵割では分裂ごとに紡錘体のとる位置や方向が定まっているためそれぞれの分裂方向が一定しており、大きく分けて放射卵割(ほうしゃらんかつ、radial cleavage)と螺旋卵割(らせんらんかつ、spiral cleavage)の2つの卵割配置 (cleavage pattern) がある[72][74]。放射卵割では、各分裂の分裂面がその前の分裂に対して直角に起こり、分裂面は卵軸に対して平行か直角に規則正しく起こる[74]。8細胞期以降は不規則な分裂が混ざってくるものが多い[74]。分類群としては、刺胞動物[72]有櫛動物[72]箒虫動物[72]、ウニ類(棘皮動物[72]毛顎動物[75]腕足動物[75] が挙げられる。螺旋卵割では4細胞期から8細胞期(第3分裂)に紡錘体が卵軸に対し45°の角度をなして斜めに位置する[72][75]。その後の各分裂はだいたい互いに直角に行われるが、初めの分裂面が卵軸に対し傾いているため、以降の分裂面もすべて卵軸に対して角度をなして交わり[74]、螺旋状に並ぶ[72]。分類群としては、扁形動物[72][75]環形動物[72][75]軟体動物[72][75] に代表され、紐形動物[75]内肛動物[75] など少なくとも8つの門が螺旋卵割を行う[75]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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