独立行政法人労働政策研究・研修機構法
(平成14年12月13日法律第169号)が制定され、一部の施行により、日本労働研究機構法が廃止された。平成15年10月1日からの施行により、日本労働研究機構が解散となり、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発足した。労働組合組織率の低下、金融規制緩和、労働問題の個別化の傾向など、労働問題の解決に政労使における調整よりも、自由な市場にゆだねるという政権の方針のなかで、日本労働研究機構の行っていた事業の中で、労使関係に類する事業は国内外にかかわらず大幅に縮小された。その結果、日本労働協会以来の基本的な柱としての政府、労働組合、使用者に中立とする理念が設置法から削除されることになった。同時期に、日本の使用者団体における労使関係の調整をリードしてきた日経連が事実上、経団連に吸収合併されることになった。労働政策研究・研修機構は労働省行政官の研修所と統合することで、研究と研修の融合に加え、これまでの政労使に中立な労働問題の総合的な情報提供、研究機関としての役割から、労働行政に資するための政策研究所として大幅に役割が縮小された。
平成17年末に行われた一連の独立行政法人改革の中で廃止法人候補としてあげられたものの、昭和33年以来、50年にわたる日本の労働問題に関する人的なネットワークまで含めた総本山的な役割が、これら労働問題に関する社会的な関心の高まりや労使関係の役割に対する見直しの機運の中、専門家や学識経験者、労働組合、使用者団体など幅広い層の支持を受けた署名活動などを背景に存続が支持されることとなった。
2006年9月、総合的職業情報データベースキャリアマトリックスによる情報提供サービスを開始した。 2009年、「労働政策研究・研修機構」「高齢・障害者雇用支援機構」「雇用・能力開発機構」で、 参事や参与などの肩書きがついた計6つのポストに厚労省や財務省、総務省のOBが嘱託職員として雇用されていたことや、報酬が独立行政法人の嘱託職員の相場より高かったこと等が明らかにされた。この問題が報じられた後、長妻昭厚労相(当時)は3法人の6ポストについて、年内に廃止することを発表した。[7] 2007年(平成19年)12月の閣議決定(独立行政法人整理合理化計画[8])において、以下の事業の見直しと効率化等を行うこととされた。
天下り問題
事業の見直し
研究内容を厳選し、民間企業や大学等が行う研究と重複しないようにすること。
海外からの研究者等の招聘や海外派遣数を縮減し、労働政策研究に直接的に効果が高いものに重点化すること。
労働基準監督官等の研修について、民間活用による効率化を図ること。
労働大学校の施設の管理運営業務を、民間競争入札の対象とすること。
職員研修の強化などにより、内部統制の徹底を図ること。
関連項目
若林亜紀 - 元職員でフリージャーナリスト。日本労働研究機構に関して記述した『ホージンノススメ―特殊法人職員の優雅で怠惰な生活日誌』(朝日新聞社)を出版。
小杉礼子 - 統括研究員
菅野和夫 - 元理事長
脚注[脚注の使い方]^ “令和2事業年度 決算報告書
^ “令和2事業年度事業報告書
^ “厚生労働省関係独立行政法人の長の任命について”. 厚生労働省大臣官房人事課 (2023年3月24日). 2023年10月25日閲覧。
^ 東京新聞2007年11月18日「実は、私の研究にも、例の機構の調査報告を使うことが多い。?(中略)?営利事業としてのシンクタンク市場に、同じ質の情報を求めたら失敗に終わるに決まっている」『時代を読む』ロナルド・ドーア))
^ “ ⇒学習指導要領” (2008年7月25日). 2008年7月25日閲覧。
^ “ ⇒「日本の労使関係と労働教育」” (2004年5月28日). 2008年7月25日閲覧。
^ 巧妙な「隠れ天下り」発覚 嘱託で入り年収1千万円 J-CASTニュース 2009年11月18日18時54分
^ 行政改革推進本部事務局 (2007年12月24日). “ ⇒独立行政法人整理合理化計画”. 2008年6月29日閲覧。(厚生労働省を参照)
外部リンク
独立行政法人労働政策研究・研修機構
労働政策研究・研修機構 - YouTubeチャンネル
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