労働党_(イギリス)
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政権奪還を賭けた2015年イギリス総選挙では選挙前の世論調査では保守党と支持率が拮抗していたが[16]、選挙結果は地盤だったスコットランドの議席の殆どをスコットランド国民党(SNP)に奪われるなどしたために26議席を失って敗北した。勝てるはずの選挙を落としたミリバンドは、敗北の責任を取って党首を辞任すると表明した[17]

後継を選出する党首選挙では、党内最左派で反緊縮などを掲げるジェレミー・コービンがUNITE(イギリス最大の単一労働組合)他多数の労働組合からの支持と一般党員の熱狂的な支持を受けて最有力に躍り出ると、圧倒的な得票率で当選し、翌年にはイギリスの欧州連合離脱決定を受けて再び実施された党首選でも圧勝し、再選した。

コービンはブレアやブラウンら党内穏健派からは根強い反発を受けていたが、2017年イギリス総選挙で30議席増の262議席を獲得し、保守党を単独過半数割れに追い込んだ。しかし、318議席と第1党を維持した保守党からの政権奪還は叶わなかった。

2018年の地方選挙では予想に対して議席が伸び悩み、支持率の頭打ちが指摘されている。労働党内の反ユダヤ主義を押さえきれていないとの批判があり、ユダヤ人の多い選挙区では軒並み保守党が勝利した[18]

2019年2月18日にコービンに反発した所属議員7人が離党した。英政界で行われた離党としては過去40年近くで最大のもの[19]

2019年8月に50項目以上に及ぶ公約を発表した。その中には商業捕鯨の禁止・競馬におけるムチの使用の見直し・ロブスターカニなどを生きたまま茹でる調理法の禁止・ガチョウアヒル肝臓を肥大化させたフォアグラの輸入禁止など動物保護・愛護の視点から打ち出されたものも含まれた[20]

2019年12月の総選挙では、焦点となっていたブレグジットへの態度を曖昧にしたことなどが影響して59議席を失い、1935年以来の記録的大敗を喫した。総選挙で大敗を喫した後、コービン党首が辞任した。2020年4月4日にキア・スターマーが新党首に選出された[21]。スターマーの元で、労働党は産業政策を軟化させ、ブレア党首時代の親ビジネスの中道路線に回帰した。

近年は、スコットランド民族主義への対応・ヨーロッパ連合への態度から年々議席を減らしている。かつてレッド・ウォールと言われるほど岩盤支持地域であったイングランド北部・スコットランドで「労働党離れ」が進んでいて、親EUイングランド都市部層が支持基盤となっている。スコットランドでは親EU・反イギリス連邦のスコットランド民族主義左派政党であるスコットランド国民党にスコットランドの支持基盤そのものを、イングランド北部ではヨーロッパ連合離脱・移民と難民削減を求める労働者層を保守党に奪われた[22]

2021年末以来、労働党はトラス政権の混乱などから各種世論調査で保守党に大幅な差をつけてリードしており、次期庶民院総選挙では労働党の勝利が予想されている[23]
支援団体

古くから労働組合を強固な支持団体としており、組合出身の組織内議員も多数存在する。ただ、本項にもあるように組合寄りの政策を取り過ぎたあまり、経済活動の停滞や財政の圧迫を招いたこともある。一方でトニー・ブレアは「脱労働組合」路線を掲げて中間層の支持取り込みを図り、総選挙で大勝を収めた。

また保守党が富裕層や地方出身者・中高年層からの支持が強いのに対して、労働党は低所得者層や都市部の地域・若年層から支持が強い傾向が見られる。ロンドンマンチェスターエディンバラなどの都市部では多くの選挙区で議席を獲得している。人口ごとに割り当てられた小選挙区制度の区割りの上で、労働党有利とされる由縁でもある。

スコットランドでも支持され、トニー・ブレア、ゴードン・ブラウンが党首になったが、スコットランド国民党の台頭によって2015年の総選挙ではスコットランドの議席の殆どを失い、以後の総選挙でも取り戻す事ができていない。

また音楽映画業界などのエンターテインメントの業界からの支持も強い。著名な支持者として、ビートルズ(メンバー全員)、ピーター・ガブリエル(1998年には国内最高の個人献金を寄付)、ノエル・ギャラガー(元オアシス)、J・K・ローリングハリー・ポッターシリーズの著者)など。また、2007年にはブラーデイヴ・ロウントゥリーが労働党公認で総選挙に出馬している(結果は落選)。ただし、イラク戦争を契機に緑の党自由民主党などに支持を鞍替えする人物も目立っている。
歴代党首

は、首相経験者。ただし、首相在任期間と党首在任期間は異なる。

背景灰色は、任期中に与党入りしていない、野党党首。

代名肖像就任日辞任日在任期間生没年月日
1ケア・ハーディ1906年2月17日1908年1月22日7000100000000000000?1年339日1856年8月15日 - 1915年9月26日
2アーサー・ヘンダーソン1908年1月22日1910年2月14日7000200000000000000?2年23日1863年9月13日 - 1935年10月20日
3ジョージ・ニコル・バーンズ1910年2月14日1911年2月6日357日1859年1月2日 - 1940年4月21日
4ラムゼイ・マクドナルド1911年2月6日1914年8月5日7000300000000000000?3年180日1866年10月12日 - 1937年11月9日
5アーサー・ヘンダーソン1914年8月5日1917年10月24日7000300000000000000?3年80日1863年9月13日 ? 1935年10月20日
6ウィリアム・アダムソン1917年10月24日1921年2月14日7000300000000000000?3年113日1863年4月2日 - 1936年2月23日
7ジョン・ロバート・クラインス1921年2月14日1922年11月21日7000100000000000000?1年280日1869年3月27日 - 1949年10月23日
8ラムゼイ・マクドナルド
1922年11月21日1931年9月1日7000800000000000000?8年284日1866年10月12日 - 1937年11月9日


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