助詞
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かいくつかの事物を列挙し、その一つ、または一部を選択するときや、疑い、ある動作と同時進行あるいは、引き続いて、違う動作の行われるときなどに使用される。
なり例として列挙した中から、どれか一つを選択することを表す。副助詞とするときもある。なお、語源は、断定の助動詞「なり」の終止形
だの体言または用言の終止形に付いて、全体の中からいくつかの物事を並列および列挙する。
普通は、「…だの…だの」の形で用いられるが、「…だの…など」の形で用いられることもある。
断定の助動詞「だ」に助詞「」が付いたものが語源。

副助詞

体言副詞、格助詞の後などにつき全体として副詞的に働く。

ばかり体言または副詞活用語連体形、格助詞の後などにつき、だけと同じく物事や程度、原因を該当する範囲に限定したり、「くらい」と同じく物事のおおよその程度、分量時刻距離を表す。また、動作が完了して、まだ間もないことを表したり、すぐに実行される段階にあることを表す時にも使用されたりする。また、繰り返しが暗示される用法もある。語源は、動詞「はかる」の連用形から転成した名詞「はかり」。話し言葉では、「ばっかり」「ばかし」「ばっかし」などを用いることがある。
漢字表記は、「許り」。
まで名詞や活用語の連体形につき、事柄や動作の距離的または時間的な限度および範囲または到達点を示したり、程度や動作限定に用いられたりするほか、極端な例を挙げ他を類推させる時(格助詞の後にもつく)にも用いる。
漢字表記は「迄」。
だけ名詞や活用語の連体形、あるいは格助詞の後につき、分量や程度、限度および範囲の限定の際に用いられる。元来は「」の転じた語で、漢字表記もそのまま「丈」である。
ほど動作や物事および状態の段階を表したり、許容範囲を示す名詞「程」の転じたもので、名詞や活用語の連体形につき大凡の分量や程度、動作や状態の程度、打ち消しの語と呼応して程度の比較に用いる。また、「?ば?ほど」の形で程度の高まりに比例して他の事柄もあがる意味を持つ。
くらい・ぐらい大凡の分量や程度、基準、事態を示した上での程度の強調を表す。元々は名詞「」が転じたもので、漢字表記も「位」。
など名詞および活用語の連体形につき、多くの中の一例を挙げて他のいくつかの物を総括する時や、婉曲表現の時に用いる。
漢字表記は「等」。古くは「抔」とも。
なり名詞や副詞、活用形の終止形、助詞などにつき他にある適当な物としての例示を示す。
やら体言または、体言に準ずる語、一部の副詞、助詞などに付き、不確実であるという意を表したり(ただし疑問文または、否定文の場合)、はっきり言わずに、ぼかして言うときや下に打ち消しの語を伴って、いずれとも不定である意を表すときに使用する。語源は、断定の助動詞「なり」の連用形「に」、係助詞「」、動詞「あり」の未然形「あら」、推量の助動詞「む」の複合した「にやあらむ」が変化した語、「やらん」から。
か多く疑問を表す語について、不確かな意味を示す。理由や原因などの説明にそえて不確かさを示す。いくつかのものを並べ、それらを選択的に示す。
がてら
なぞ・なんぞ
かり
ずつ数量や程度を示す語について、同一の分量が割り当てられることを表したり、同じような分量や程度が繰り返されることを表したりする。 漢字表記は「宛」。
のみある物事に限定されることを示す。強く指定する意を表す。
きり事柄がその範囲に限定されることを示す。その限度・限界を示す。その状態がつづいていることを表す。
や項目を並べ立てるのに使う。

係助詞

係助詞(けいじょし、かかりじょし)とはついた語に意味を添えて強調するもの。述語と呼応することもある(古典語では係り結びがあり、現代語では「しか」が否定形に呼応)。(副助詞に含める説もある)

文節活用語連用形などに接続し、ついた語句の範囲を、多くの事柄から一つに限定して提示したものとするような、強調の役割をしたり、題目を提示して、叙述の範囲をきめたり、叙述内容の成り立つ条件に限定を加える事を示す。

ここから、とりたて詞とも呼ばれる。また、格助詞副詞などに付いて意味や語勢を強めるなど、二つ以上の判断を対照的に示すこともある。ただし、主語を表す格助詞が日本語にないため、置かれることもある。また、格助詞「を」に接続した場合、「をは」ではなく単に「は」となる(「に」の場合は、そのまま「には」である)。現在では「わ」と発音する。
類似した事物の提示や並列、列挙や添加、程度、感動、強調、不定称の語について全面的な否定及び肯定などを示す。
こそ文末について強調したり、動詞の仮定形と接続助詞「ば」に付き、強調した上で提示したり何かを強める意を示す。古文では係り結びによって文末の活用語を已然形に変化させる。
でも断定の助動詞「だ」の連用形に係助詞の「も」が付いたもので、名詞や他の助詞につき、特殊に見えて一般と同じであるときや、一例として挙げるとき、極端な一例を提示し他の場合はましてと言うことを類推させるとき全てのものに該当ことを意味する時に用いる。
しか名詞や動詞の連体形、形容詞および形容動詞の連用形につき特定の事柄以外を全否定するときに用いられる。
さえ既存の物にさらに累加する時や強調して例示し他の物は当然であると類推させる場合、仮定表現を用いて条件を示すときに用いる。

接続助詞

文と文の意味関係を表して接続するもの。主に活用語に付く。

ば仮定の順接/一般条件/並立/を示す。高ければ買わない。/夏になれば暑くなる。/馬もいれば牛もいる。/活用語の仮定形に付く。
と確定の順接/一般条件/仮定の逆接/を示す。水を飲むと走り出した。/雪が降ると雪が積もる。/風邪になろうと休まない。/活用語の終止形に付く。
ても・でも仮定の逆接/確定の逆接/を示す。風邪になっても行く。/叫んでもだれも相手にしなかった。/活用語の連用形に付く。
けれど・けれども確定の逆接/並立や対比/を示す。読んだけれど理解できなかった。/よく学ぶけれど運動もする。/活用語の終止形に付く。
が確定の逆接/並立や対比/を示す。秋になったがまだ暑い。/ゲームもするが勉強もする。/活用語の終止形に付く。
のに確定の逆接を示す。秋になったのにまだ暑い。/活用語の連体形に付く。
ので確定の順接を示す。騒いでいたので叱られた。/活用語の連体形に付く。
から確定の順接を示す。雪が降るから電車は運休だ。/活用語の終止形に付く。
し並立を示す。暑いし、乾燥しているし、辛かった。/活用語の終止形に付く。
て・で確定の順接/動作や作用の継続/並立/補助の関係/を示す。お腹が減って死にそうだ。/帰ってすぐ食べる。/美しくて明るい。/観衆が見ている。/活用語の連用形に付く。
なり動作の継続/並立/を示す。一言言うなり座り込んだ。/寝るなり食うなりご勝手に。/動詞、動詞型活用の助動詞の連体形に付く。
ながら確定の逆接/動作の並行/を示す。見ていながら告げない。/泣きながら叫ぶ。/動詞の連用形、形容詞の終止形、形容動詞の語幹に付く。
たり並立を示す。/他を暗示する。寝たり食ったりしている。/よく歌ったりしたものだ。/活用語の連用形に付く。なお、イ音便・撥音便に付くときは、濁音化して「だり」になる。
つつ確定の逆接/動作の並行/を示す。いけないと知りつつやってしまう。/調整をしつつ前進し続けた。/動詞、動詞型活用の助動詞の連用形に付く。
ところで仮定の逆接を示す。行ったところで、しょうがない。過去の助動詞「た」の終止形に付く。
まま用言または助動詞の連体形に付く。
ものの逆接の確定条件を示す。言いはしたものの後悔している。活用語の連体形に付く。
や「?するとすぐに」の意を表す。上京するや、彼を訪ねた。動詞・動詞型活用語の終止形に付く。

終助詞

文や句の末尾について疑問禁止感動などの意味を付け加えるもの。

か文末にある語に付き、質問疑問、察知、反語、難詰、勧誘など、様々な意味を表す。驚きや感動の気持ちを表すこともある。あ、ここにあったのか。/これにしようか。/誰が買うか、そんなの。
な動詞や助動詞の終止形について禁止の意味を表したり、任意の文末について独言、詠嘆、願望などの意を表したりする。地域によっては「ね」と同じ意味でも使われる。また、動詞や補助動詞の連用形について命令の意味を表すものもあるが、こちらは補助動詞「なさる」の命令形「なさい」の省略形が由来。どの花見てもきれいだな。/いいな、駅に近くて。/食べるな危険!/落ち着いてやりな。
とも活用語の終止形につき、相手に対する強い肯定を表す。笑っていいとも!
の文末のイントネーションが高いと疑問や質問、低いと念押しを表す。また、命令を表す。あそこ、すっげぇ混んでるの。/いじめないの!
ぞ客観性を持たせた注意喚起や強調。別の用法としては、疑問の語と呼応して反語および強調の意味を表す。風邪ひいちゃうぞ。/お湯わいてきたぞ。/絶対優勝するぞ!
ぜ勧誘の意味合いを帯びた強調。古風だが広告文での使用例は比較的見受けられる。行くぜ、東北。/バンドやろうぜ!
や「まあいいや」など自分で納得したことを表す。また命令形、禁止形、勧誘を表す動詞未然形などに付ける助詞「やろうよ」「やれよ」などは、地域によっては「やろうや」「やれや」と表される。わかんないや。
かい疑問の終助詞「か」の変化形で、話し言葉としてはやや古風だが、現在でもユーモアを添える時に使うことはある。もういいかい?
よ自分の考えを相手に伝える意を示す。注意、忠告、勧誘などにも用いられる。ご飯できたよ。/走ると転ぶよ。/一緒にやろうよ。
ね自分の判断に同意を求める意を示す。軽く問いかける。雨降りそうだね。/じゃあ帰るね。
さ断定した内容を軽く言い放つ気持ちを表す。きつい質問や投げやりの反問をする。文節について、調子を整える。知ってるさぁ、それくらい。


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