加齢
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老が急速に進行する病気(早老症)としてウェルナー症候群ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群が知られている。
老化の研究

老化については、生物学医学社会科学で多角的に研究されている。培養細胞を用いた研究から細胞レベルでの老化(細胞老化)が知られている。生体組織から取り出した細胞を in vitro で培養すると、細胞分裂の回数に制限あり、その一つの原因は染色体末端のテロメア構造が短くなったためであるとされる。がん細胞や幹細胞ではテロメアを伸長する酵素テロメラーゼの働きにより、細胞分裂の回数の制限がなくなると考えられている。不老化したわけではない。ハーバード大学医学部によると、敏感肌向け洗顔料、局所ビタミンC、レチノイドクリーム、保湿ローション、日焼け止めは、老化した肌細胞を回復するのに役立つ[16][17]

大阪大学などのチームは老化原因のたんぱく質「C1q」を発見した。生後2年のマウスは、生後2カ月のマウスの5倍以上となり、たんぱく質「LRP5」「LRP6」を切断、老化を促進させた。「C1q」の生産を阻害されたマウスは、心不全動脈硬化糖尿病が改善した[18]
植物の老化

植物の場合、新しいに比べて、古い葉は光合成の能力が劣るなど、同一個体の中でも、部位により老化の程度に差が見られる。

樹木を挿し木する場合、利用する枝の採取位置により、発根やその後の成長に違いがでる。根元から遠い位置の枝よりも、根元付近から発生した蘖(ひこばえ)や胴吹き(どうぶき)を利用すると成長が優れることが多い。その原因として、根元から発生した枝に比べて、遠い位置の枝は、細胞分裂を繰り返した結果、より老化が進んでいる等の説がある。また、植物は窒素肥料を多く与えることで開花や着果が遅れる、幼木と同様の樹形や葉形になるなど、若返りという現象が確認されている。

エチレンは植物における老化ホルモンとされることがある。エチレンを与える事で果物の成熟を促進したり、反対にエチレンの働きを抑えることで切花などの寿命を伸ばすことが出来ることがある。

これらはひとまとめにして老化と称されるが、それぞれ個々に別々の現象である。また、これらは個体の死にはつながらず、動物でいう老化とは異なる現象であると考えられている。
脚注[脚注の使い方]^ a b 及川忠、森吉臣『図解アンチエイジング医療のすべてがわかる本』2010年、14頁
^ 原千恵子・中島智子『老年心理学:高齢化社会をどう生きるか』 <心理学の世界 専門編2> 培鳳館 2012年 ISBN 978-4-563-05881-4 p.36.
^ 下方浩史、長寿者になるための生理学的条件 日本老年医学会雑誌 2001年 38巻 2号 p.174-176, doi:10.3143/geriatrics.38.174
^ a b c d 及川忠、森吉臣『図解アンチエイジング医療のすべてがわかる本』2010年、15頁
^ 飯田静夫「バイオサイエンスから見た老化と寿命」『人間総合科学』、人間総合科学大学、2001年3月31日、145-154頁、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}NAID 110006284882。 
^ 廣部千恵子「 ⇒テロメアの測定と健康との関係」『清泉女子大学紀要』第54巻、清泉女子大学、2006年12月26日、87-138頁、NAID 110006406079。 
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^ G. Lopez-Lluch, N. Hunt, B. Jones, M. Zhu, H. Jamieson, S. Hilmer, M. V. Cascajo, J. Allard, D. K. Ingram, P. Navas, and R. de Cabo (2006). “Calorie restriction induces mitochondrial biogenesis and bioenergetic efficiency”. Proc Natl Acad Sci USA 103 (6): 1768?1773. doi:10.1073/pnas.0510452103. PMC 1413655. PMID 16446459. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1413655/. 
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^ “About face” (英語). Harvard Health (2020年11月1日). 2021年12月1日閲覧。
^ MSHS, Neera Nathan, MD (2021年11月10日). “Why is topical vitamin C important for skin health?” (英語). Harvard Health. 2021年12月3日閲覧。
^ 論文発表:新規Wntシグナル活性化因子・老化促進分子として補体分子C1qを同定し、Cell誌に報告しました。 大阪大学大学院医学系研究科

関連項目

加齢臭

老眼

老人性難聴

抗老化医学

エイジング

生物学における不老不死

哺乳類ではハダカデバネズミ、鳥類ではアホウドリで、爬虫類では多くのカメで、老化と加齢による死亡率の上昇が見られない。

劣化

外部リンク

See also the art-project: "Dialogue with the High Age" - of Willy Puchner










ヒトの発達
出生前

発達(英語版)

受精卵



胎児

在胎

出生とその後

分娩

子どもの発達

段階(英語版)

思春期


成人発達(英語版)

老化



段階

幼年

新生児

幼児


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