なお、日本の民法は原則として材料の所有者に所有権を帰属させているが、原則として所有権を加工者に帰属させる立法例もある[1]。 加工により物の所有権が消滅した場合は、その物について存在する(第三者の)他の権利も消滅する(247条
第三者の権利
そして、物の所有権の消滅の代わりに、物の所有者が加工物の単独所有者となった場合は、物について存在する他の権利は加工物について存在することになる。また、物の所有者が加工物の共有者となった場合は、物について存在する他の権利は加工物の持分について存在することになる(247条2項)。 所有権を失うなど損失が発生した場合は当事者間の公平を図るため、所有権を失うなど損失を受けた者は、損失について不当利得の規定(703条
償金請求権
添付による所有権変動は社会経済上の利益を考慮したもので所有権移転の実質的理由があるわけではない[6]。したがって、添付によって生じた損失と利得は不当利得である[6]。ただ、703条は「法律上の原因」がないことを要件としているものの、添付には法律上の原因があるという疑問を生じる余地もあるため、248条は注意的な規定として置かれている[6]。
なお、新所有権を前提にそれによって損失を受ける者の救済に関する規定(償金請求権に関する規定)も任意規定である[3][4]。
脚注^ a b c d e f 我妻榮、有泉亨、清水誠、田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法 総則・物権・債権 第3版』日本評論社、2013年、455頁。
^ a b c d 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、191頁。
^ a b c 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、187頁。
^ a b c 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、197頁。
^ a b 我妻榮、有泉亨、清水誠、田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法 総則・物権・債権 第3版』日本評論社、2013年、456頁。
^ a b c 我妻榮、有泉亨、清水誠、田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法 総則・物権・債権 第3版』日本評論社、2013年、457頁。
関連項目
所有権
原始取得
添付
付合(附合)
混和
時効取得 - 即時取得 - 無主物先占 - 遺失物拾得 - 埋蔵物発見 - 添付(付合、混和、加工)
承継取得