スタッフ[3][6][9][10]原作暁佳奈 通常は「次回の引き」など視聴者が興味を持つような仕掛けを施さなければならないが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの人生や人の生死を描く本作に限っては仕掛けを施すことによりリアリティが生まれにくくなることが懸念されて「1話完結型」のシンプルな構成となっている[11]。また、原作ではオムニバス形式で時系列がバラバラとなっているが、「ヴァイオレットの成長」をメインテーマに据えるにあたって、時系列を整理した方が視聴者に彼女の成長をより感じてもらいやすくなることから現在のような時系列となっている[12]。 監督の石立太一は企画が動き出した当初にシリーズ構成の吉田玲子から「フックがない」と言われたことを明かしており、ヴァイオレットが口数が少ないため彼女を代弁するキャラクターを設置するという案も出された。しかし、そうするとヴァイオレットの存在理由が薄まってしまうことから、石立は無理やり自身の企画を押し通したと話している[13]。 ヴァイオレット・エヴァーガーデンという人間を描くにあたって最も大切にしていたことについて石立は以下のように述べている。原作小説を読んだ時点から「彼女は赤ちゃんのようだ」ということを京都アニメーションのスタッフとよく話していたんです。誰しもが必ず経験しているはずの幼少期からの体験を、ヴァイオレットを通じてみなさんに呼び起こしていただけるような作品にしたい。それを表現するうえでも、彼女の根底にある“なにものにも染まっていない無垢さ”を物語のなかで成長していく過程でもあまり上塗りすることのないよう、制作時とくに気を配りました。 ? 石立太一[11] また、石立はヴァイオレットの魅力は色で表現すると「透明ではなく白」であることをスタッフ陣やキャスト陣との大切な合言葉にしていたと話している[11]。 本作のキャスティングにおいてヴァイオレット役のみオーディションが行われ、石川由依が起用された。石立は原作小説に記されている「玲瓏な声」を基準にするとヴァイオレットのテーマとしている「幼児性」「白色感」から遠ざかると感じていた。そして「田舎娘のようなおぼこい感じ」を素で出せるかつ作中での成長を演じ分けることができるといった要素を石川が兼ね備えていたことから石川をヴァイオレット役に抜擢することに決めたとしている。他のキャストについては音響監督の鶴岡陽太が指名しており、ホッジンズ役の子安武人やギルベルト役の浪川大輔はそれぞれキャリア初となる京都アニメーション作品への出演を果たすことになった[11]。石川は最初のアフレコで「今の段階の感情はゼロで、赤ちゃん状態」と言われたことから、どのようにして感情をなくして言葉にするかについて苦労したことを明かしており、「思った言葉がストレートに口からポロポロ出てくるように間を作らずにしゃべる」ことを心掛けている[14]。
監督石立太一
シリーズ構成吉田玲子
キャラクターデザイン
総作画監督高瀬亜貴子
シリーズ演出藤田春香
世界観設定鈴木貴昭
美術監督渡邊美希子
美術設定鵜ノ口穣二
色彩設計米田侑加
撮影監督船本孝平
3D監督山本倫
小物設定高橋博行、太田稔
編集重村建吾
音響監督鶴岡陽太
音楽Evan Call
音楽プロデューサー斎藤滋
音楽制作ランティス、ミラクル・バス
企画プロデューサー八田英明
プロデューサー八田真一郎、中村伸一、梅田和沙、斎藤滋
アニメーション制作京都アニメーション
アニメーション制作協力アニメーションDo
製作ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
制作
主題歌
「Sincerely」(第3話、第4話、第6話 - 第8話、第11話、第12話、Extra)[15]
TRUEによるオープニングテーマであり、本名の「唐沢美帆」名義で作詞も担当。作曲は堀江晶太、編曲は堀江とEvan Call。