1960年(昭和35年)、創価学会として日本国外初となる「アメリカ総支部」が結成された。『アメリカ創価学会〈SGI=USA〉の55年』では、当時はその構成員の多くが、アメリカ軍兵士と結婚して米国に移住した日系アメリカ人女性の「戦争花嫁」だったと指摘されている[18]。1960年代以降、日本からの移民(日系人)が中心となって、各国の支部が結成されていく。1975年(昭和50年)1月26日にアメリカ合衆国グアム島に51か国の代表が集って創価学会インタナショナル(SGI)が結成された。
1975年(昭和50年)のSGI設立時には日本国外全体で会員数は150万人であったが、2021年11月現在は、宗教の布教活動が厳しく規制されている社会主義国の中国、北朝鮮や中東諸国のイスラム教圏を除いた、日本を含む世界192カ国・地域に広がり、日本国外全体で約280万人のSGIメンバー(ヨーロッパ:16.2万人、中近東・アフリカ:5.1万人、アジア・オセアニア:191万人、北アメリカ:35.2万人、ラテンアメリカ:32.5万人)を擁している[SG 4][SG 5]。 法華経を最高の経典とした天台智の五時八教説と、日蓮が説いた寿量文底下種仏法・三大秘法を基礎としている。 朝晩、御本尊に向かい、法華経の「方便品第二」と「如来寿量品第十六」を読経する事[21]を「勤行」という。 「南無妙法蓮華経(なんみょうほうれんげきょう)」(※「なむみょうほうれんげきょう」ではない)という題目を唱える行為。「勤行」のあと、随時「題目」を唱える。これを、「唱題(しょうだい)」という。 時間が取れない場合などには「勤行」を行わずに、「題目」のみでもよいとされる[22]。「南無妙法蓮華経」とは「法華経に帰依する」の意であり、「題目」は経典の表題を唱えることに由来する。
教義関連
教義・目的本部2階の大広間で題目を唱える信者たち(1957年)
日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎ、根本の法である南無妙法蓮華経を具現された三大秘法を信じ、御本尊に自行化他にわたる題目を唱え、御書根本に、各人が人間革命を成就し、日蓮大聖人の御遺命である世界広宣流布を実現することを大願とする。(創価学会 会憲第2条[19]・会則第2条より[20]) 詳細は「広宣流布#創価学会」を参照
初代会長牧口常三郎、第二代会長戸田城聖、第三代会長池田大作の「三代会長」は、広宣流布実現への死身弘法の体現者であり、この会の広宣流布の永遠の師匠である。「三代会長」の敬称は、「先生」とする。(創価学会 会憲第3条2項[19]・会則第3条2項より[20])
日蓮大聖人の仏法の本義に基づき、弘教および儀式行事を行ない、会員の信心の深化、確立をはかることにより、各人が人間革命を成就するとともに、日蓮大聖人の仏法を世界に広宣流布し、もってそれを基調とする世界平和の実現および人類文化の向上に貢献することを目的とする。(創価学会 会憲第4条[19]・会則第4条より[20])
経典
『法華経』(方便品第二・如来寿量品第十六)
『新編日蓮大聖人御書全集 創価学会版』(聖教新聞社、1952年 - 2021年) - ※2021年の「新版」発刊に伴い廃刊。
『日蓮大聖人御書全集 新版 創価学会版』(聖教新聞社、2021年)
勤行・唱題詳細は「勤行 (日蓮正宗)#創価学会の勤行」を参照
本尊・本仏「大曼荼羅」も参照
信仰の対象である本尊は、日蓮が顕した法華経の肝心である「南無妙法蓮華経」の文字曼荼羅である。
本尊に関する事項は、会長が司る。(創価学会 会憲第9条4項[19]・会則第12条1項[20]より)
日蓮正宗からの破門に伴って宗門より御形木本尊の下付が停止されたため、1993年(平成5年)以降は日蓮正宗第26世法主・日寛が1720年(享保5年)に書写した本尊(淨圓寺蔵)を複写印刷し、「御形木御本尊」として授与している[SG 6]。