離着陸での操縦に関してはある程度の経験を積むことを必要とするため、得てして重大事故の発生時に副操縦士の操縦に対して非難の集中が見られるものの、機長になるためには当然ながら離着陸に関する実務経験も積んでいかなければならない。 日本の航空法で操縦する者を2人乗せなければならない航空機が定められている。 これは日本の例だが、日本以外の国もほぼ同様である。 2人で乗務することが義務付けられた航空機では主に機長が操縦を行い、副操縦士は航空交通管制の通信・機長の補佐を行う。機長の指示で副操縦士が操縦を行うこともある。操縦経験を積むために出発から到着まで全て副操縦士が機長に代わり操縦を行うこともある。ただし、いずれの場合も最終的な判断は常に機長が行う。 旅客運送の黎明期には副操縦士が空いた時間で客室乗務員の業務を兼任していた。21世紀においては航空法第71条の2に定める操縦者の見張り義務等があり、機長が操縦している間であっても他の業務を行うことはできない[2]。 2022年現在、ドイツやイギリス、ニュージーランドなど40カ国余りは、ジェット旅客機のパイロット1人制の導入について検討を進めており、国際民間航空機関に支援を求めている。また、欧州航空安全機関は、ジェット旅客機のパイロット1人制の運用方法決定に向けて航空機メーカーと取り組んでいるほか、監督ルール策定の準備を進めている[3]。
副操縦士の業務
構造上、その操縦のために二人を要する航空機
特定の方法又は方式により飛行する場合に限りその操縦のために二人を要する航空機であつて当該特定の方法又は方式により飛行するもの
旅客の運送の用に供する航空機で計器飛行方式により飛行するもの
旅客の運送の用に供する航空機で飛行時間が五時間を超えるもの
将来
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 1966年に発生したKLMオランダ航空863便での羽田空港着陸寸前での機長急死の際には着陸復行後に副操縦士が機長役を、第二操縦士が副長として着陸したケースが、1999年に発生した全日空61便ハイジャック事件の際は、機長が犯人に刺された後、副操縦士の手によって羽田空港に引き返している。
出典^ 内田幹樹. 機長からアナウンス. p. 55
^ “副操縦士が操縦室内で写真撮影 厳重注意
^ “パイロット1人制への移行、航空各社探る?乗客の理解得られるか
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