副作用
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日本の法律上の中毒(en:addiction)は、医学用語と異なるため[7]嗜癖薬物依存症にて説明する。また、中毒学会が扱う範囲は毒性学(toxicology)である。
原因

毒性や標的非選択性など)医薬品自体の特性

生体内で医薬品が代謝され失活された化合物の特性

身体の持つ自律的な調節システム(「恒常性」あるいは「自己治癒力」)の変調

医薬品に含まれた不純物の特性

発現機序

目的とする作用が予測を超えて生じる
[8]

望まない作用が予測を超えて現れる場合[8]

患者の代謝のバラツキにより、体内の血中濃度が予測を上回る[8]

他の医薬品などとの相互作用[8]

患者のアレルギー体質などの素因[8]

変動因子

治験における副作用の出現頻度は用量、併用薬、年齢、薬疹の既往歴といった様々な要因によって変化しうる[4]

用量だけを見ても異なってくる[5]。期間も重要であり、ゾルピデムゾピクロンでは、2週間程度の臨床試験では離脱症状は生じないが、平均7.4カ月の使用では20?38%に3つ以上の離脱症状が生じる[9]
医薬品区分用量反応関係

薬の量と、効果または副作用の発症率は、治験にて用量反応関係が導き出されており、それに従って用法用量が定められる。一定の量から効果は頭打ちになったあと、今度は副作用の発症率が高まってくる。

有効域と有毒域が近い薬は、医薬品医療機器等法(旧・薬事法)によって毒薬劇薬に定められており、乱用されやすい薬は同・習慣性医薬品や、麻薬及び向精神薬取締法による麻薬や向精神薬の指定がある。

そうした特に副作用に注意が必要な医薬品は、薬剤師の業務において管理指導加算がなされ、通称ハイリスク薬と呼ばれている[2][3]

医薬部外品はそうした強い作用への注意が不要であるため、一般店頭で購入が可能である。
副作用に注意すべき集団

必要な注意は、医薬品の添付文書に記載されている。
妊婦および授乳婦
胎児乳児にまで続発的に影響が及ぶ。妊婦や授乳婦は一般に治験に参加せず、また市販後の有害事象も報告数は限られているため、安全性データはしばしば不十分。
高齢者
一般に代謝排泄が低く、体液量が少なく、キャリア蛋白量が少ないことから医薬品の効果・副作用が共に大きくなりやすい。
小児
代謝や排泄が未熟で、体重は少なく、医薬品に対する感受性が高く、キャリア蛋白量が少ないことから、体重に応じて投与量を調節しても副作用も大きくなることがある。
肝機能障害
肝臓に代謝される多くの薬物は、肝機能の低下により血中濃度が高くなる場合がある。高齢者も肝機能は低下している。
日本で社会問題化した副作用の例

日本で社会的に注目された副作用の事例には次のようなものがある。ペニシリンによるショックサリドマイドが引き起こした先天異常、クロロキンによる視覚障害キノホルムによるスモンアンプルに入った風邪薬によるショック などである[6]

また、生体と物質との相互作用は複雑かつ多岐に渡り、短期間である臨床試験を通過した後に、死亡などの副作用が発覚し、市場から撤退するということもある。その全てが解明されているわけでもなく、投与した外来物質の作用を全て予測することができているわけでもない。

副作用に関する責任問題を回避するため、日本のテレビやラジオでの医薬品(内服薬)のコマーシャルでは、「この薬は使用上の注意を守り、正しくお使い下さい。特にアレルギー体質の方は医師薬剤師にご相談下さい」と表示、あるいは読み上げられ、テレビでは「アレルギー体質」の部分が赤色で強調されている。パッケージ内部の説明書には、同様にアレルギー体質者以外に、妊婦などを対象に医師や薬剤師に相談する旨の表示がされていることが多い。
副作用の報告制度

論文雑誌で報告され追試によって確認されただけでは、日本の医薬品の添付文書に副作用として掲載されるのではなくて、製薬会社が掲載するか、あるいは、症例1つ1つを報告するという非常に手間のかかる日本の副作用報告制度を利用する必要がある[10]
判決

1996年1月23日の日本の最高裁判決は、合理的な理由のないまま添付文書に記載された注意に従わず発生した事故については、医師の過失が推定されるとしている。2002年11月8日最高裁判決は、向精神薬の副作用について最新の添付文書を確認し必要に応じ文献を参照するなど最新の情報を収集する義務があり、当該裁判においてはフェノバルビタールによるスティーブンス・ジョンソン症候群を予見し回避する義務があったとされた。
副作用の利用


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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