当時の戦闘機は局地制空や敵機の迎撃など近距離での空中戦闘が任務であったが、1937年9月の南京空襲作戦で日本海軍の源田実参謀が戦闘機を主体的攻撃的に運用し、敵戦闘機を撃滅して制空権を獲得する「制空隊」を考案した。戦闘機を中心とする積極的な作戦で戦術思想としても画期的であった[9]。1938年(昭和13年)1月17日、十二試艦上戦闘機計画要求に関する官民研究会で、前線から帰還した源田実参謀が飛行機隊の集団使用、遠距離進出などの新境地を開拓した経験から実戦での九五式/九六式艦上戦闘機の働きを説明して格闘性能と航続距離の必要を訴えた[10]。この十二試艦上戦闘機は零戦として1940年に長距離制空戦闘機として完成した(制空戦闘機として計画・開発されたわけではない)[11]。
その後、技術的進歩とともにF-15などの制空戦闘機が誕生していった。
2005年から配備が開始したF-22は、制空戦闘機よりさらに強調された「Air Dominance(航空支配)」戦闘機と呼ばれ、航空脅威だけでなく地上脅威にも支配力を及ぼす戦闘機となっている[12]。
脚注[脚注の使い方]^ 河野嘉之『図解戦闘機』新紀元社10-11頁、防衛学会『国防用語辞典』朝雲新聞社171頁
^ 青木謙知『ミリタリー選書1現代軍用機入門 (軍用機知識の基礎から応用まで)』11頁
^ 河野嘉之『図解戦闘機』新紀元社10-11頁
^ 防衛学会『国防用語辞典』朝雲新聞社171頁
^ 戦史叢書95巻海軍航空概史124頁
^ 河野嘉之『図解戦闘機』新紀元社46頁、戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで57頁
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで60頁
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで57-59頁
^ 戦史叢書72中国方面海軍作戦(1)昭和十三年四月まで 405-407頁、源田実『海軍航空隊始末記 発進篇』文藝春秋新社206-215頁
^ 堀越二郎・奥宮正武『零戦』学研M文庫156-157頁、堀越二郎『零戦』光文社1970 56頁
^ 零戦搭乗員の会『零戦、かく戦えり』文春ネスコ37頁
^ 青木謙知『ミリタリー選書1現代軍用機入門 (軍用機知識の基礎から応用まで)』11頁
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