別定戦
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また、2006年の夏に勝って同条件が廃止されるまで500万下・1000万下・1600万下のレースは全て別定戦で行われており、中3週以内かつ勝って同条件の馬は特別勝ち→同条件平場出走の馬は2kg加増、平場勝ち→同条件平場出走と特別勝ち→同条件特別出走の馬は1kg加増される条件であった[13]

一部、加増重量の上限がない競走も存在しており、この場合は計算上であるが負担重量が非常に大きくなることもある。
定量戦

定量戦とは、広義で言えば別定戦の一種であるが、加算重量の設定がなく、馬の性別や年齢のみで負担重量が決まる競走のことである。

3歳以上の混合戦において実質的な馬齢重量戦として施行される場合もあるが、必ずしも3歳馬の負担重量が馬齢重量と一致するわけではなく、特に春季に施行される3歳以上の混合G1競走(安田記念宝塚記念)における3歳馬の負担重量は馬齢重量より大幅に軽減された負担重量が設定されている。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}このように競走ごとに負担重量を決めることが可能であり、特定の年齢(大体は2歳および3歳)において大きな減量を行うなどの優遇策をとり出走を促すこともできる。優勝劣敗の原則に沿いつつ、(馬齢戦に比べて)競走ごとの個性を出すことも可能である。[要出典]
馬齢重量戦と定量戦の違い

馬の性別と年齢のみで負担重量が決まっているという点では、馬齢重量戦も定量戦も同様であるものの、定量戦では競走ごとに負担重量を決定する場合があるのに対し、馬齢重量戦は馬齢重量戦であるすべての競走について同一の基準で負担重量を決定する。中央競馬の規程(前述)の上では、定量戦は別定戦のうちの特別なものと扱われており、馬齢重量戦とは別の扱いとなっているが、後述の通り特に3歳限定のG1競走における定量戦と馬齢重量戦の違いは指定の斤量(定量)がたまたま馬齢重量と一致するか否かの違いに過ぎず、特別な意味を持つものではない。

中央競馬のGI競走は別定戦・ハンデキャップ戦は存在せず、ほぼ全てが定量戦で馬齢重量と一致する場合のみ馬齢重量戦となり、先述の通り4歳以上の馬齢重量は設定されていない為、4歳以上の競走馬が出走可能なG1競走は全て定量戦であり、馬齢重量戦のGIは2歳限定のG1競走(阪神ジュベナイルフィリーズ朝日杯フューチュリティステークスホープフルステークス)ならび3歳限定のG1競走のうち10月に施行される秋華賞菊花賞の5競走のみである。GIIについては、2005年まで定量戦は存在しなかったが、2006年に札幌記念阪神カップが定量戦に設定された。2024年の負担重量変更に伴い、定量戦で行われている3歳限定以外のGI・GIIに関して、それぞれ1kg加増されることとなった。

特に3歳限定のG1競走は歴史的経緯により全て負担重量が牡馬57kg[注 6]、牝馬55kgとされている(クラシック5競走が終戦後に競走が再開された1945年 - 1946年の時点での負担重量が定着し新設競走にも継承され現在に至っている)が、この負担重量が馬齢重量と一致しない時期に施行される競走(桜花賞皐月賞NHKマイルカップ優駿牝馬東京優駿)が定量戦、一致する時期(10月の秋華賞・菊花賞)に施行される競走は馬齢重量戦になるという制度上の違いに過ぎない。なお、2024年より3歳馬の馬齢重量が通年で牡馬・?馬57kg、牝馬55kgに変更される為、3歳限定のG1競走は全て馬齢重量戦になる予定である。
ハンデキャップ戦

全出走馬が近いタイムで競走できるよう、ハンデキャッパー(ハンデキャップ設定者)の判断により負担重量に差をつける競走である。人手で負担重量を設定するところが別定戦とは異なる。後述のとおり、JRAでの平地競走のハンデキャップ戦の最低重量はオープン競走では49kg、それ以外の条件戦は50kgとなっている(障害競走のハンデキャップ戦は2008年を最後に実施されていない)。詳細は「ハンデキャップ競走」を参照
付加的に用いられる重量設定
セックスアローワンス

一般的に牡馬牝馬の間には能力差があるため、それを補うために性別によってつける負担重量差のことをセックスアローワンスという。19世紀のはじめにイギリスのジョッキークラブの公式ハンデキャッパーであったヘンリー・ラウスが考案した。ただし、セックスアローワンスで認められる重量差は国やレース内容によってさまざまであり、一律の値ではない。

日本では中央競馬地方競馬もほぼ同一で、牝馬に対し2歳10月 - 2歳12月までは1キログラム (kg, 以下「キロ」)、3歳以降は2キロを減量している。ただしばんえい競馬では、牝馬に対し馬齢を問わず20キロを減量しているほか、?馬に対しても3歳以下に限り10キロを減量している。
北半球産、南半球産のアローワンス

ウマの発情期が、北半球にいるウマと南半球にいるウマで半年のズレがあるため、出産時期も北半球にいるウマと南半球にいるウマでは半年ズレてくる。従って、ウマの成長にも半年のズレがあるため、北半球産馬と南半球産馬の間に負担重量の差をつける[14]

日本の中央競馬の場合、平地競走において、南半球産で7月1日以降に出生した4歳以下の競走馬は北半球産馬よりも減量される(障害競走においては減量は設定されていない)。このアローワンスは馬齢戦・定量戦・別定戦のいずれにおいても適用される[2]
騎手による減量

主催者によっては、見習騎手(デビューからの期間が短い騎手)や女性騎手が騎乗する馬の負担重量を減量する制度を設けている。詳細は「見習騎手#現在の減量制度と騎乗制限」および「女性騎手#女性騎手に対する減量特典」を参照
最低負担重量

主催者によっては、出走馬が最低限負担しなければならない負担重量を設定している場合がある。これを最低負担重量と呼ぶ。最低負担重量が設定されている場合、上述の減量措置が適用されても、負担重量の下限は最低負担重量となる。

日本中央競馬会(JRA)が施行する中央競馬の平地競走では、騎手の体位向上および女性騎手への減量適用を理由として、2019年以降、全ての重賞競走を含むオープン競走は48kg、未勝利から3勝クラスまでの競走は49kgが最低負担重量とされていた[15]。同様に障害競走では、3歳56kg、4歳以上57kgが最低負担重量とされる[16]。ただし、これら最低負担重量ギリギリの斤量で騎乗できる騎手は限られており、最低負担重量を背負った馬がレースで必ず上位に来れる訳ではない。しかも特別・重賞といった格の高い競走に最低負担重量で出走した馬が勝利したケースは極めて稀である[注 7]

2023年より「騎手の健康と福祉および将来にわたる騎手の優秀な人材確保の観点」から、平地競走の負担重量の引き上げが行われ、これにより平地競走の最低負担重量はそれぞれ現行から1kgずつ引き上げられ、オープン競走では49kg、それ以外の競走は50kgとなった[17][18][注 8]

上記最低負担重量の設定の前には、直近では2017年9月30日の中山競馬の条件戦で負担重量47kgでの出走例がある[19][注 9]。JRAの競走における負担重量の最低記録は、1964年(昭和39年)の重賞第14回ダイヤモンドステークスに出走したリンドウ号の45kgとなっている[19]。「ダイヤモンドステークス#歴史」も参照
負担重量の遵守

競走中、定められた負担重量となっているかを検査するために、競走前に前検量、競走終了直後に後検量を行う。前検量については競走と競走の間の時間が短いため、競走当日の所定の時刻前に前検量を行うことができる。前検量を済ませた鞍を競走馬につける際には不正がないように係員のいる装鞍所でないとつけることができない。

後検量は上位入線馬(中央競馬の場合7着以内[20]。ただし写真判定で7着になる可能性のある馬が複数ある場合はその可能性のある馬のすべてが対象[21])ならびに上位人気馬に対して行われる。後検量を受ける騎手は原則としてレースで騎乗した馬に騎乗したまま検量所に向かわなければならない[22]。検量が終了して定められた負担重量となっていることが確認されないと競走は確定されない(ただし騎手が怪我を負った場合など、検量が困難な場合は省略されることもある[23])。負担重量が遵守できなければ騎手は騎乗停止となる。

降雨などにより衣類に雨を吸い込み重くなってしまったなど、裁決委員がやむを得ないと判断した場合を除き、前検量と後検量の差がマイナス1キロを超えると失格となる[24]。この場合入線してしばらくしてから審議のランプがつくこととなることがレーシングプログラムなどに明記されている。またマイナス1キロに満たない範囲でも、検量結果に不自然な増減が見られた場合には過怠金の対象となることがある[25]。なおJRAでは2011年1月以降は、不利な条件下で達成された成績は尊重されるべきという観点から、斤量の増加については失格裁定の対象から外され、1キロを超える減少のみが失格となるように改正された[26]。この規定は同年4月以降地方競馬にも適用されるようになった(ただしばんえい競走については、-12キロを超える減少が失格の対象となる)[27]
斤量が馬に与える影響

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。


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