初等代数学
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指数が0の場合、結果は常に1である。例えば、 x 0 {\displaystyle x^{0}} は常に 1 {\displaystyle 1} に書き換えられる[11]。ただし、 0 0 {\displaystyle 0^{0}} は定義されていないため、式に現れてはならず、指数に変数が現れる式を簡略化する際には注意が必要である。

代用表記

文字や記号だけしか使用できず必要な書式が使用できない場合、代用表記が代数式で使用される。例えば、指数はふつう上付き文字を用いてフォーマットされる。 x 2 {\displaystyle x^{2}} の場合、プレーンテキストTeXマークアップ言語ではキャレット記号 ^ は指数を表すので、 x 2 {\displaystyle x^{2}} は x^2 と書かれる[12][13]Ada[14]FORTRAN[15]Perl[16]Python[17]Ruby[18]のようなプログラミング言語では二重のアスタリスクが使用されるので、 x 2 {\displaystyle x^{2}} は x**2 と書かれる。多くのプログラミング言語と計算機では、乗法記号を表すために1つのアスタリスクを明示的に使用する必要がある[19]。例えば、 3 x {\displaystyle 3x} は "3*x" と書かれる。
概念
変数

初等代数学は、一般的な(指定されていない)数を表す変数と呼ばれる文字を導入することによって構築され、算術[20]を拡張する。 これはいくつかの理由で便利である。
変数は、その値がまだ分かっていない数値を表すことがある。 例えば、今日の気温Cが昨日の気温Pより20度高い場合、問題は代数的に C = P + 20 {\displaystyle C=P+20} と記述することができる。[21]

変数を用いて、関与する数量の値を指定することなく、一般的な問題を記述することができる。[22] 例えば、具体的には5[分]は 60 × 5 = 300 {\displaystyle 60\times 5=300} [秒]に相当すると言うことができる。 より一般的な(代数的な)記述ではm[分]は秒数 s = 60 × m {\displaystyle s=60\times m} [秒]に相当すると言うことがある。

変数を用いて、変化する可能性のある数量間の数学的関係を記述することができる。[23] 例えば、円の円周cと円の直径dの関係は π = c d {\displaystyle \pi ={\frac {c}{d}}} で表される。(πは円周率を表す)

変数を用いて、数学的性質を記述することができる。 例えば、加法の基本的な性質は、一緒に足される数の順序が重要ではないことを示す可換性である。 可換性は代数的に a + b = b + a {\displaystyle a+b=b+a} と述べられる。[24]

式の整理

代数式は、算術演算(足し算引き算掛け算割り算累乗)の基本的な性質に基づいて整理され、簡略化される。例えば、

足された数は係数を用いて簡略化される。 例えば、 x + x + x {\displaystyle x+x+x} は 3 x {\displaystyle 3x} (3は数値係数)と簡略化することができる。

掛けられた数は指数を用いて簡略化される。 例えば、 x × x × x {\displaystyle x\times x\times x} は x 3 {\displaystyle x^{3}} と表される。

同類項は一緒に足される。[25] 例えば 2 x 2 + 3 a b − x 2 + a b {\displaystyle 2x^{2}+3ab-x^{2}+ab} は、 x 2 {\displaystyle x^{2}} を含む項が一緒に足され、 a b {\displaystyle ab} を含む項が一緒に足されるので、 x 2 + 4 a b {\displaystyle x^{2}+4ab} と書かれる。

分配法則を用いて、括弧を"外す"ことができる。例えば x ( 2 x + 3 ) {\displaystyle x(2x+3)} は ( x × 2 x ) + ( x × 3 ) {\displaystyle (x\times 2x)+(x\times 3)} と書くことができ、さらに 2 x 2 + 3 x {\displaystyle 2x^{2}+3x} と書ける。

式を因数分解することができる。 例えば 6 x 5 + 3 x 2 {\displaystyle 6x^{5}+3x^{2}} は、両方の項を 3 x 2 {\displaystyle 3x^{2}} で括って 3 x 2 ( 2 x 3 + 1 ) {\displaystyle 3x^{2}(2x^{3}+1)} と書くことができる。

出典[脚注の使い方]^ H.E. Slaught and N.J. Lennes, Elementary algebra, Publ. Allyn and Bacon, 1915, page 1 (republished by Forgotten Books)
^ Lewis Hirsch, Arthur Goodman, Understanding Elementary Algebra With Geometry: A Course for College Students, Publisher: Cengage Learning, 2005, ISBN 9780534999728, 654 pages, page 2
^ Richard N. Aufmann, Joanne Lockwood, Introductory Algebra: An Applied Approach, Publisher Cengage Learning, 2010, ISBN 9781439046043, page 78


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