現実に存在する警察組織をモチーフにしている刑事ドラマでは、基本的には実際の捜査活動に近い手法で事件を解決する様子が描かれる[注 5]。その一方、ストーリーの展開の都合や視聴者へのわかりやすさなどのため、現実とは異なる捜査・警察が描写されることも多い。例えば、刑事たちが捜査状況を整理しようとホワイトボードに被害者の写真を貼ったり情報を書き込んだりする場面が多く登場するが、実際にはホワイトボードなどを使わずに口頭で連絡しているという[4]。また、ドラマでは警察車両を使用した捜査活動(容疑者の追跡、張り込みなど)が多く見られるが、実際に警察車両を使った捜査はごく少数に限られるという[6]。
さらに、重大事件(処罰が最低でも5年の懲役実刑、最高が死刑または無期懲役となる犯罪事案)については警察本部(警視庁管内を舞台にする作品がほとんどだった当時は「本庁」と呼ばれた)の捜査第一課が指揮する捜査本部が必ず設置され、所轄警察署の刑事課単独で捜査することは絶対にない。また、1970年代から1980年代にかけての刑事ドラマにおいては、犯人を逮捕する過程で相手を殴ったり、拳銃を発砲したりする描写が盛り込まれた作品が多かったが、実際にそのような状況が生じることは少ない[7]。
なお、架空の捜査部署・警察署が舞台となる場合[注 6]も多いが、前述の『特別機動捜査隊』放送開始後には警視庁に「機動捜査隊」が設置されたり[3]、新設される警察署の名称が『踊る大捜査線』の「湾岸署」と類似する「東京湾岸警察署」となるなど(詳細は東京湾岸警察署#名称および東京湾岸警察署#架空の作品との関わりについてのエピソードを参照)、現実の警察組織に刑事ドラマが間接的に影響を与えた例もある。
関連作品詳細は「Category:警察を題材としたドラマ作品」を参照
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