出版物
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雑誌としては明治中期以降、文学作品や評論などを掲載する『国民之友』『太陽』『中央公論』『改造』などが次々に創刊され、広い層で読まれた。また、教育の普及とともに文学を好む読者層が成立し、新聞や雑誌に連載された小説が単行本化されて再読される、といったパターンも次第に定着していった(尾崎紅葉夏目漱石らの小説)。

当時は出版法(雑誌は定期刊行物として新聞紙法)に基づき内務省検閲局による検閲が行われ、書籍は発売3日前に、新聞雑誌は発売日に届け出ることになっていた。問題ありと判断されると発売禁止の処分が取られた。発売禁止の対象になったものは永井荷風の小説『ふらんす物語』のように風俗を害すると考えられたものや、社会主義マルクス主義に基づく反体制的な記事や書籍であった。昭和期に入ると1934年(昭和9年)の法改正で言論弾圧が強化された。やがて、第二次世界大戦に突入し、1938年(昭和13年)に国家総動員法が制定されるなど、日本社会全体が軍国主義一色に染まっていく中での総力戦体制の下、出版など言論の自由は完全に失われた。

第二次世界大戦日本の敗戦に終わり、出版法などが1949年(昭和24年)に廃止されるが、被占領期には連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ/SCAP) によって検閲が秘密裏に、より広汎に行われた。1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法施行後もそれは続けられた。1952年(昭和27年)4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効され主権回復して以降、今日の日本では日本国憲法第21条によって、検閲の禁止、言論や表現の自由が規定されており、何人でも出版を行うことができる。一方で行き過ぎた取材によるプライバシーの侵害など別の問題も浮上してきている。また、紙媒体ではなく、インターネットを利用した電子出版も行われるようになっている。紙媒体の書籍の場合、過去の出版物を常時揃えておこうとすると在庫の負担が大きく、絶版にすると読者が必要な時に手に入れられない、という課題があったが、電子出版が普及すればこうした課題も解決することが期待できる。
出版のプロセス

一般の商業出版では次のようになる。出版社:企画→原稿依頼→作家カメラマンイラストレーター、または左記のクリエイターを総合的に運用して編集にあたる編集プロダクション:取材→原稿執筆、撮影、作画→出版社:割付け→校正印刷会社:印刷→校正→製本所:丁合→綴じ→取次書店図書館学校ほか

こうした出版プロセスを一地域に集めて効率よく行おうという試みが、韓国で「坡州出版都市」として行われている[12]
脚注[脚注の使い方]
出典^ クリストファー・ロイド 訳野中香方子 『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』 18刷2014年(1刷2012年) pp.305 - 306.
^ 「歴史ミステリー」倶楽部 『図解!江戸時代』 三笠書房 2015年 ISBN 978-4-8379-8374-3 pp.222.
^ 同『図解!江戸時代』 三笠書房 2015年 pp.222 - 223.
^ 『広辞苑 第六版』 岩波書店一部参考。『詳説 日本史図録 第5版』 山川出版社 2011年
^ 遠藤慶太 『六国史 ?日本書紀に始まる古代の「正史」』 中公新書 2016年 ISBN 978-4-12-102362-9 p.209.
^ 同『六国史 ?日本書紀に始まる古代の「正史」』 中公新書 2016年 p.210.
^ 深谷克己 『江戸時代 日本の歴史6』 岩波ジュニア新書 第3刷2001年(1刷2000年) ISBN 4-00-500336-2 p.144.後の19世紀前半には読本、滑稽本、人情本、草双本、合巻などの化政文化が花開く。
^ 同『江戸時代 日本の歴史6』 岩波ジュニア新書 2001年 p.144.
^ 同『江戸時代』 p.144.
^ 同『江戸時代』 p.77.
^ 同『江戸時代』 p.146.
^ 坡州(パジュ)出版都市(Konest)

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