真主齧上目
Euarchontoglires
真主獣大目 Euarchonta
サル目(霊長類) Primates
†プレシアダピス目 Plesiadapiformes
ヒヨケザル目 Dermoptera
ネズミ目 Rodentia
ウサギ目 Lagomorpha
サル目以前.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}プレシアダピス Plesiadapis生態復元想像図。右はノブ・タムラ(英語版)版、左はMUSE版。オモミス類 (Omomyidae)左はアナプトモルフス (Anaptomorphus) の頭蓋骨化石(スケッチ)、右は同種の生態復元想像図。物を掴むのに適した手指と、距離感を捉えるのに適した立体視の発達/画像の種はフィリピンメガネザル(英語版)
霊長類(サル目;霊長目)の進化の歴史は、約8500万年前まで遡ることができる。かつては有胎盤類の中で最も古い分類群と考えられていたが、現在は他の哺乳類も既にこの頃には分岐が進んでいたことが確認されている。霊長類は、同じく古い分類群で樹上生の祖先をもったであろうコウモリ類(翼手目)と共通祖先をもつと広く考えられていたが、解剖学的・形態学的、および、分子系統学的知見が発達するに連れて、ネズミ目(齧歯目)およびウサギ目と祖先を共有する一大分類群「真主齧上目」の一員と見なされるようになった。係る共通祖先の理論的に想定される生息年代は、白亜紀後期である。霊長類の既知で最古の化石は、白亜紀末期のララミディア大陸(元はローラシア大陸の一角、現在の北アメリカ大陸西部相当地域)で発見されており、プレシアダピス類(偽霊長類)と呼ばれている。このように、霊長類の進化は約6500万年前、白亜紀末期頃に始まったと考えられている[12]。最初期の霊長類と考えられている動物は、白亜紀の北半球の陸地の大半を占めていながらも分裂する最中にあったローラシア大陸のどこかで誕生して拡散したと見られる。ローラシア大陸は中生代白亜紀から新生代初期にかけて分裂してゆくが、初期霊長類を載せた地域では北アメリカ大陸とヨーロッパ大陸に分かれてゆく。両大陸に分かれてゆく時代に初期霊長類は両方で繁栄し、約6550万年前から始まる新生代の暁新世と始新世の温暖な時代に、現生キツネザル類の祖先にあたるアダピス類 (Adapidae) と現生メガネザル類の祖先にあたるオモミス類 (Omomyidae. 真猿類の祖先) という二大グループを分岐させてから姿を消した。後述するが、その後、故郷ローラシアの後身にあたる北アメリカ大陸とヨーロッパ大陸は新生代氷河時代の本格的な到来で寒冷化し、霊長類はこれに耐え切れずに絶滅してしまう。命脈を保った霊長類は、北アメリカ大陸から姿を消す前にパナマ地峡を渡って南アメリカ大陸まで到達していたグループだけであったと考えられる。その後、アフリカ大陸にも霊長類が現れて隆盛するようになるが、ヨーロッパ経由で辿り着いたにしては生息年代に開きがありすぎるため、南アメリカ大陸から漂着したという説に説得力がある。なお、パナマ地峡の存在は霊長類の進化史において極めて重要で、アメリカ大陸全土における絶滅を防いだことも大きいが、北半球の霊長類を一掃した寒冷化の原因の一つにこの地峡の形成による海流の変化が考えられる。
サル目の特徴人間の錐体細胞 (S, M, L) と桿体細胞 (R) が含む視物質の吸収スペクトルヒトを除くサル目の現世における分布
霊長類(=サル目)は、次のような特徴を持つ。5本の指をもち、親指が他の4本と多少とも対向しているため、物をつかむことができる。前肢と後肢の指の爪は、ヒトを含めた狭鼻下目のすべての種ではすべての指の爪が平爪である。曲鼻猿亜目と広鼻下目の一部では平爪のほかに鉤爪をそなえる種もある。両目が顔の正面に位置しており、遠近感をとらえる立体視の能力に優れている。これらの特徴は、樹上生活において、正確に枝から枝に飛び移るために不可欠な能力である。多くの樹上性の哺乳類では、鉤爪を引っかけて木登りをするが、サル類の平爪はこれをあきらめ、代わりに指で捕まるか引っかかるかする方向を選んだものである。また、それが指先の器用さにつながることとなる。
直鼻猿亜目と曲鼻猿亜目の分岐 (Adapidae) とオモミス類 (Omomyidae) が繁栄した。いずれもまだ原始的な種類で、アダピス類はのちの曲鼻猿類に、オモミス類はのちの直鼻猿類に進化したと考えられる。アダピス類とオモミス類はヨーロッパと北アメリカに分布したが、北アメリカの霊長類は寒冷化による森林の減少で絶滅し、旧世界を舞台に霊長類の進化は進んだ。曲鼻猿類の一部は海によって他の大陸から隔絶されていたマダガスカル島にアフリカから進出し(恐らくは流木等に掴まっての漂着)、キツネザル類に進化していった。
霊長類でL-グロノラクトンオキシダーゼ(ビタミンC合成酵素)の活性が失われたのは約6300万年前であり、サル目が直鼻猿亜目(酵素活性なし)と曲鼻猿亜目(酵素活性あり)との分岐が起こったのとほぼ同時である。