冬のソナタ
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韓国オリジナル版では、「白い恋人たち」(フランシス・レイ作曲)、ミッシェル・ポルナレフの「愛のコレクション」、ABBAの「ダンシング・クイーン」を始めとする欧米のポピュラー音楽が多用されているが、日本では著作権法上使用できず、ユン・ソクホ監督自らが韓国の楽曲に差し替えた。2004年12月放送の「完全版」でも差し替えが行われている。
評価
受賞

監督・演出を担当したユン・ソクホが第38回百想芸術大賞でテレビ部門の演出賞を受賞した。主演したペ・ヨンジュンチェ・ジウは同じく第38回百想芸術大賞のテレビ部門で人気賞を受賞し、製作したKBSが毎年年末に授賞式を放送しているKBS演技大賞で共に最優秀演技賞を受賞した。
批評

音楽が美しいこと、絵画のような透明感のある自然の中でのシーン、「初恋の人」という多くの人が心に抱きつづけている普遍的なテーマ、初めはナイーブな恋が決して一足飛びにではなく一歩一歩深い人間的慈愛へと育っていく心理的過程が全20回に渡り丁寧に描かれていることなどが、好感をもって迎えられヒットした[要出典]。日本のドラマではもはや見られなくなったような主婦向けの昼ドラマ的なストーリー展開と、映像・音楽が美しいことで、主に中高年の女性を中心にヒットしたと報道された[要出典]。当時、日本より10年[19] から20年[20] ほど遅れて発展途上にあった韓国の経済や文化と、初恋をテーマとする哀愁を感じさせるストーリーとがよくマッチしたことが、日本での大ヒットの要因の1つとなった[要出典]。

小説家文芸評論家笠井潔によると、韓国では日本よりも自由恋愛の障壁となる父権性的規範の拘束力が強く、韓国ドラマはそういった前近代的な社会的障壁を利用してメロドラマとしての強度を保っている場合が多いが、本作の場合はそれらの障壁をもたらす社会領域の描写が徹底的に排除されており、その代替として事故・記憶喪失といった障壁が用意されているという。また、社会領域の描写抜きに純愛を虚構的に創り上げるという意味で、日本のマンガ・アニメオタクカルチャーにおいて1990年代後半から2000年代初頭にかけてムーブメントをおこしたセカイ系作品に通ずるものがあるとしている[21]

パトリック・モディアノの小説『暗いブティック通り』に影響を受けたとされている[22][23]。「パトリック・モディアノ#モディアノと冬のソナタ」も参照
反響
ヒロインの性格
ヒロインのユジンは、韓国の古いタイプの
女性で、やや優柔不断に見え、韓国の一部の若い視聴者には不評だったが、日本では「けなげで純粋である」として、中高年層の女性に支持された。
支持層
林香里金相美の調査では、『冬のソナタ』のファン調査に回答した7割が、40代以上の既婚者であった(林香里・金相美「日本女性の間の『冬ソナ』ブーム - 感情生活から生まれる『政治』生活のダイナミズム」2004年11月4日 ソウル大学 - 東京大学合同シンポジウム)[24]
記録
ヒット商品2位
ペ・ヨンジュンが、2004年上半期「ヒット商品」2位
[25]
小説の発行部数
2004年7月現在、小説『冬のソナタ』の日本での発行部数は、上・下巻計で122万部[26]
メディア売り上げ
ビデオ・DVD・書籍の2003年 - 2004年度の売上は90億円[27]、NHKの副次収入は6億円[27]
地上波の視聴率
日本で衛星放送での放送の翌年2004年に地上波のNHK総合テレビジョンで放送した時に、夜11時台の放送にもかかわらず最終回に関東地方で20.6%、関西地方で23.8%の平均視聴率を記録した。また、全20話の平均視聴率は関東では14.4%、関西では16.7%に達した(視聴率はビデオリサーチ社発表による)[28]

エコノミストの門倉貴史は、『冬のソナタ』ブームの日本国内での経済効果を総額1225億円と試算している[29]
その他
日韓共同訪問年広報大使
2004年7月22日、日韓共同訪問年広報大使に任命されたチェ・ジウが、総理大臣官邸を訪問した[30][31][32]。冬ソナファンを自認する小泉純一郎首相は「おー、冬のソナタ、鼻の下が長くなっちゃう」と歓迎の意を示している。
冬ソナの大ファン
安倍晋三第1次安倍内閣発足による内閣総理大臣就任により、ファーストレディとなった妻の安倍昭恵は、冬ソナの大ファンで、これをきっかけに朝鮮語を習い始め、韓流に傾倒したと報じられている。
フォード・エクスプローラーに関する問い合わせ
2004年頃、白のエクスプローラーに関する問い合わせが急増したと各フォードディーラーから報告されていた時期があった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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