写真フィルム
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現在一般に販売されているのは、35mm判にして12枚分・24枚分[注釈 5]・36枚分をそれぞれ格納したもの。長尺のフィルムも販売されており[注釈 6]、適宜切断してパトローネか専用マガジンに装填して使用する。過去の高級一眼レフの多くは33フィートを一括して格納できる250枚撮りアクセサリーを用意していたし、ニコンF2に至っては100フィートを格納し750枚撮りできるアクセサリーも用意されていた。スチール写真用フォーマットとしては、24mm×36mmの画面寸法のものが主流であり、これはライカにより普及したため「ライカ判」と呼ばれていたが、現在は「35mm判」と呼ばれている。ライカ以前にも35mmフィルムを使ったカメラは存在したが、普及には至らなかった。ライカ判では8パーフォレーションを1駒として撮影する。他にもいくつか画面寸法の規格がある。24mm×32mmの露光サイズのものはフィルムが高価だった第二次世界大戦敗戦直後に少しでも撮影枚数を増やそうという意図から作られた規格で、ニホン判ともいう。ワイド過ぎたライカ判に比して縦横比も美しかったがアメリカ市場における自動現像機の裁断に合わず、すぐに廃れた。採用したカメラにはニコンI、初期のミノルタ35、初期のオリンパス35、ミニヨン35があり、また同時代日本メーカー群の動向と無関係にイギリスで製造されたレイフレックスオリジナル、チェコスロバキアメオプタが製造したオペマ、ハンガリーで製造されたモミコン/モメッタ[注釈 7]も全く同じフォーマットを使用する。このためニコン判、オペマ判等とも呼ばれる場合がある。7パーフォレーションを1駒として撮影する。24mm×24mm判はオットー・ベルニングのロボット、ツァイス・イコンのテナックス、キルフィットのメカフレックス、マミヤのスケッチ等が採用しており「ロボット判」と呼ばれることがある。24mm×18mm判は「ハーフ判」と呼ばれることが多い。ハーフとは先に一般化したライカ判に対して半分という意味だが、映画フィルムの一般的なフォーマットに近く、「ライカ判がダブルフレームである」とも言える[注釈 8])。ハーフサイズカメラは、オリンパスペンシリーズのヒットで一時一般化しペトリハーフ、ミノルタレポ、コニカアイ、リコーオートハーフ、ヤシカハーフ、キヤノンデミ、フジカドライブ等の追随製品が出た。その後もコニカレコーダー、京セラサムライ等断続的に新製品が発売されていたがフィルムの低価格化に伴い廃れている。その他マミヤ6MFにパノラマアダプターを使用する24×56mmパノラマ、ワイドラックスの24×59mmパノラマ、フジのTXシリーズとそのOEMであるハッセルブラッドX-Panが採用した24×65mmパノラマ等がある。スチールカメラ用35ミリフィルムについては「135フィルム」を参照
APS(IX240)
#IX240」および「アドバンストフォトシステム」を参照
65ミリ/70ミリ
詳細は「70mmフィルム」を参照これも元々は映画用フィルムの規格として作られたもの。映画用として、画質改善のために35ミリのものより大きな画面寸法を持つフィルムとして、65ミリ/70ミリシステムが開発された。撮影に65ミリ幅のフィルムを使い、上映にはその画面サイズにサウンドトラック(あるいは同期トラック)を付加した70ミリ幅のフィルムを使うというもの(「トッドAO」「ウルトラパナヴィジョン」の2方式)、撮影には35ミリ横走りのビスタビジョンを使い上映に70ミリを使うもの(「スーパーテクニラマ」)などがある。この規格のフィルムもまたスチール写真用に転用された。120/220フィルムを使用するカメラの交換マガジン用フィルムとして使用されることが多い。
110
詳細は「110フィルム」を参照カートリッジに入り、片パーフォレーション16mm幅で13×17mm判。「ワンテン」、「ポケットフィルム」、「ポケットインスタマチック」などとも言われる。1972年にコダックが発売し、やがて主要なカメラメーカーも対応カメラを製品化した。135フィルムを使用するカメラと比較して小型であることやカートリッジ式によるカメラへの装着のしやすさから「ポケットカメラ」と呼ばれ、携帯用・スナップ用の手軽な機種を中心として1970年代から1980年代にかけて普及した。カメラの構造(特にフィルム送給機構とそれに連動するシャッター)を簡素化できるため、普及後期には安価で簡素なカメラが多い。1980年代後半頃に入ると135フィルムカメラのコンパクト化や、フィルムサイズに由来する画質の低さにより急速に姿を消し、2000年以降では、わずかにトイカメラが数種類製造されるのみとなった。フィルムは近年でも富士フイルム(ISO100)、イタリアのフェッラーニア(Ferrania )の「Solaris」(ISO200)、アグファ(ISO200)、コダック (ISO400)の製品が国内で流通していたが、各社とも製造体制の維持が困難などの理由により、2008年に相次いで製造終了を発表。富士フイルムの2009年9月の販売終了を最後に、いったんその歴史に終止符を打った。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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