冒険王ビィト
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その後『SQ.CROWN』は休刊となり、2018年4月16日発売の『ジャンプSQ.RISE 2018 SPRING』より連載再開となった[16][17]
あらすじ
プロローグ
突如地上に現れた
魔人(ヴァンデル)魔物(モンスター)を操り、人々を苦しめ続ける「暗黒の世紀」と呼ばれる時代。辺境の地アンクルスの里で育った正義を信じる少年ビィトは、魔人退治を生業とする「ヴァンデルバスター(バスター)」のなかでも大陸一といわれる「ゼノン戦士団」に入ることを夢見て、周囲の反対も聞かず勝手にバスターの契約を済ませる。それからほどなくして、より人間を苦しめた魔人に与えられる宝玉「」ひとつが懸けられたゼノン戦士団の首を狙い、五ッ星の強豪魔人ベルトーゼが姿を現す。両者の戦いを目撃したビィトは優勢の戦士団リーダー、ゼノンに声援を送るが、そのためにベルトーゼに捕まって致命傷を負わされ、ビィトを救おうと陣形を崩した戦士団の5人も攻撃を受け壊滅状態となる。5人は、バスターの力の源である天力を極めたすえに生成できる究極の武器「才牙(サイガ)」に残りわずかの生命力を込めてビィトに託すと、ゼノンがビィトの実兄であることを明かし、最後の力でベルトーゼに立ち向かう。ゼノンたちは戦いの果てに行方不明となり、目を覚ましたビィトは自分の無力さに打ちひしがれて号泣し、強くなってみずからの手で暗黒の世紀を終わらせる決意を固める。それから3年後、修行を重ねてたくましく成長したビィトの冒険が始まる。
アンクルス編
バスターとなりアンクルスの里を守っていたビィトの幼馴染ポアラは、里を襲う二ッ星魔人ムガインを倒そうと居城に忍び込むが、逆に罠にかけられ危機に陥る。そこへ3年ぶりに修行の旅から帰ってきたビィトが現れ、ゼノン戦士団から受け継いだ才牙でムガインをたやすく仕留める。ビィトは里に巣食った魔物もすべて退治し、暗黒の世紀を終わらせるべく1人で旅に出ようとするが、復活したムガインにより思わぬ窮地に立たされる。間一髪で駆けつけたポアラの助けを得て勝利したビィトは、2人で「ビィト戦士団」を結成してともに旅立つ。
レドウ編
ワンダラ山地を越え、港町レドウにたどり着いたビィト戦士団は、かつてビィトと行動をともにしていたバスター、スレッドと出会う。ビィトの資質に目をつけた六ッ星魔人グリニデは、魔物を率いて町を襲撃し、ビィトを未熟なうちに始末しようとするが、そこへ七ッ星となったベルトーゼが現れ、グリニデを挑発する。グリニデは怒りをこらえて退き、ビィトはベルトーゼに戦いを挑む。苦戦のすえにビィトが勝利するものの、倒した相手は本体よりもはるかに弱い分身体に過ぎなかったことが判明する。ビィトをかばい負傷したスレッドは黙って去り、ビィトたちは戦力不足を補う新たな仲間を求めてグリニデの勢力圏「黒の地平」へと向かう。
黒の地平編
大河を渡り「黒の地平」にたどり着いたビィトたちは、七ッ星となったグリニデに仕える三魔人に次々と遭遇する。そのなかでビィトは、修行時代の親友キッスと2年ぶりに再会するが、キッスは信頼していたバスターによって捨て駒にされ、敵である魔人に認められた経験から人間を裏切り、グリニデの配下となっていた。ビィトたちは激闘のすえに三魔人を倒し、かつての志を取り戻したキッスをグリニデの呪縛から解放してビィト戦士団の3人目に加える。グリニデの居城を目指すビィト戦士団は道中、特別な権限を持つブロード・バスター (BB) のミルファと知りあい、協力して魔物退治を行なう。そして3人は中枢部を破壊して侵略を阻止するために城へと攻め込むが、限界を超えた怒りによって凶暴な真の姿を現したグリニデと正面から戦うことになる。3人は死力を尽くしたすえに奇跡のチームワークを実現し、これを倒すことに成功する。しかしキッスは駆けつけたミルファにより、魔人に協力した罪で逮捕される。ビィトたちは3人で協力して罪を償うため、バスターの本拠地グランシスタ王国へ向かうことになる。
ベカトルテ編
グリニデが倒されたことで、魔人の拠点「魔賓館」の館長シャギーは、ビィトがゼノンと同様の特別な力を秘めていると判断し、魔人の頂点「八輝星」にもっとも近い全世界の七ッ星魔人たちに向け、ビィトを倒した者には無条件で星ひとつを授与すると告げる。一方、海を渡り工業都市ベカトルテで魔人退治を手伝っていたビィトたちは、記憶を失ったゼノン戦士団のひとり、クルスと出会う。そこへ七ッ星魔人のひとりガロニュートが現れ、抜け駆けをしてビィトを倒そうとする。とどめを刺す寸前でガロニュートは制止され、ベカトルテ近海のマニヨン島に集められた七ッ星魔人たちのあいだでビィト抹殺の順番が決定し、あらためてガロニュートが一番手となる。謎の人物「翼の騎士」によって危機から救われていたビィトは、修行を受け才牙の真髄を見いだす。自分たちをおびき寄せるために連れ去られたクルスを救うべく、ビィト戦士団はミルファと町に立ち寄ったスレッドを加えた5人でマニヨン島に築かれた要塞に攻め込み、罠を打ち破りガロニュートを倒す。その後ビィトは記憶の戻ったクルスから、3年前、ゼノンがみずからに施された封印を解き、ベルトーゼと極限を超えた死闘を繰り広げ、その果てに全員が散り散りになったことを聞き、残る4人との再会を信じて特訓に励む。
サンクミール編
グランシスタへ向かう飛行機を飛べるようにするため、荒野の国サンクミール周辺で魔人退治を行なっていたビィト戦士団の3人は、ビィト抹殺の二番手で、かつてキッスが人間を裏切るきっかけとなった七ッ星魔人バロンに戦いを挑まれる。その絶大な力のまえにポアラは一撃で倒れ、キッスは錯乱して逃げ出す。さらに月に一度の「赤い月の夜」を迎え、高潔なバロンの肉体は凶悪な補助頭脳ザンガに支配される。ビィトは才牙の秘めた力を解放してザンガを撃退するものの、才牙に自身の生命力をも奪われ危険な状態となる。後日、ビィトの力を恐れるザンガの懇願を受けたバロンはとどめを刺しに向かい、翼の騎士やミルファ、BBカルロッサたちの迎撃も退けてビィトのもとに迫る。自分に絶望し心が折れていたキッスは、力がなくとも強い心を持って生きる少女ガラの姿を見て再起し、バロンに立ち向かう。そのなかでビィトは翼の騎士の力を借りて復活を遂げ、ついに自分自身の才牙を具現化し、戦いの流儀を貫こうとするバロンを見かねてその肉体を支配したザンガを打倒する。バロンはザンガの最期に報いて星を引き剥がし、もはや自分のことを倒すべき魔人ではなくなったというビィトに敗北を認め去ってゆく。出発までのあいだ修行に励んでいたビィトたちのもとに、じつはグランシスタ王女であったミルファを慕う最強のBBガレルと、その相棒モシェロが現れる。勘違いからガレルに決闘を挑まれたビィトは、戦いのなかで自分自身の才牙の特性を知り、痛み分けにまで持ち込む。
グランシスタ編
長距離飛行機でグランシスタへとたどり着いたビィトたちは、バスター協会をまとめる国王アルファ・ド・グランシスタの歓迎を受ける。しかし、愛娘ミルファの意中の相手がキッスであることに衝撃を受けた国王の才牙が暴走し、それに心の弱さを見抜かれたキッスは投獄されることになる。そのとき、ビィト抹殺の三番手ヒスタリオが、変わり果てた姿となったゼノン戦士団のひとり、ライオと魔物の大群を従え、ビィトをも自分の仲間に加えようともくろみ、城下町バロックスに襲撃をかける。応戦したビィトはライオの姿に動揺して深手を負い、「骸の幽霊船」と呼ばれる母艦のもとへ連れ去られる。脱獄したキッスがヒスタリオを足止めし、ふたたび現れた翼の騎士とポアラがビィトを救い出す。目を覚ましたビィトは幽霊船に奇襲をしかけ、仲間に足止めを任せてライオに一対一での戦いを挑み、渾身の力で勝利する。一方、ヒスタリオに捕らえられ、片腕の魔物によってライオと同じく生きたまま不死身に近い強化人間へと改造されていたスレッドは、仲間意識を植え付けられる処置を受ける寸前で脱出し、新たな力でライオを奪還する。ポアラも自身の才牙に目覚め、ふたたび5人の戦士が集って完全不死のヒスタリオに挑む。ビィトは仲間たちとの協力により、以前にザンガを撃退した才牙の力を解放し、ライオの助力も得てヒスタリオを異空間に封じ込める。こうして人間と魔人の最終決戦の幕開けとなる戦い「凶刃事変」が終結する。
登場人物

主要登場人物の概要は以下のとおり。詳細および、その他の登場人物、アニメ版の配役については「冒険王ビィトの登場人物」を参照
ビィト
本作の主人公。大陸一のバスター、ゼノン戦士団から5つの「才牙」を受け継ぎ、「暗黒の世紀を終わらせる男」になることを目指して魔人退治の旅に出る。
ポアラ
ビィトの幼馴染。ビィト戦士団のNo.2としてともに旅に出て、サポートする。
キッス
ビィトの旧友。人のもつ「天力」を転化した攻撃「天撃」の天才で、「世界一の天撃使い」を目指している。
スレッド
ビィトの知り合いで、ライバルのような関係のバスター。無愛想だが、ビィトのことをよく気にかける。
ミルファ
高い実力を有し、バスターの逮捕権も持つブロード・バスター。明るい性格のロマンティスト。
設定

本作の舞台となる世界は、魔人(ヴァンデル)が地上で圧倒的な力を振るい、人間は壁に囲まれた町でかろうじて持ちこたえ、「ヴァンデルバスター(バスター)」と呼ばれる戦士が町を守っているという図式である[18]

『地獄の迷宮』で監修を務めた堀井が「『ドラクエ』ではお金や経験値の入手方法をあえてぼかしてある」と発言していたことから、三条はここに「ドラゴンクエストシリーズ」と差別化できる点を見いだし、ロールプレイングゲーム(RPG)にみられるレベルや報酬の入手システム描写によって独自性を出せるという狙いのもと、RPG的な要素を漫画に落とし込みバスターの設定を作り上げた[7]。また、魔人の側にも独自の文化を設け、どちらも「数字で動く」ようにしたかったと述べている[7]

バスターのイメージは「ヴァンパイアハンター」に由来し、「ヴァンデル」は「ヴァンパイア」に「デビル」を足したネーミングである[18]
人間側

魔人や魔物が地上を闊歩するようになって以来、人間が生存できる区域は限られたものになっており、人間たちは「門(もん)」と呼ばれる装置によって空中に結界が張られ、周囲を防壁で囲まれた空間内で国や町を形成して生活している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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