再生可能エネルギー
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水力発電のうち、大型のダムを用いるものについては環境破壊の少ないマイクロ水力発電と区別され、統計上再生可能エネルギーとは別扱いされることがある(例えばREN21[13]では、出力10 MWを境に区別している (Table1))。また揚水発電は発電ではなく、発電調整のための蓄電・放電である。

IPCCの再生可能エネルギーと気候変動に関する特別報告書 (SRREN) では、「太陽・地球物理学的・生物学的な源に由来し、自然界によって利用する以上の速度で補充されるエネルギー全般」と定義される[8]


国際エネルギー機関の発行する統計「Renewables Information」[注 3]では、「絶えず補充される自然の過程に由来し、様々な形態のうち、太陽から直接供給される光や地球内部で発生する熱、太陽や風や海洋や水力やバイオマスや地熱資源から発生した熱や電力、そして再生可能資源に由来するバイオ燃料水素」と定義している。「REInfo」によるとヒートポンプによる熱(地中熱、大気熱等)は別記している[14]


欧州連合の2009年5月の指令では「廃熱利用、水熱利用、空気熱利用」を定義に含む[15]ヒートポンプについては「出力が投入したエネルギーより大きいもののみ統計に含めるべき」としている[16]。2022年に欧州委員会は、バイオマスに対して方針を転換し、森林破壊大気汚染などの環境負荷の大きさを考慮して、再生可能エネルギーの枠組みから除外するという新たな指針を勧告した[17][18][19]


日本の法令上は、「再生可能エネルギー源」について、端的に「永続的に利用することができると認められるエネルギー源」[20]と定義する例や、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」[21]とした上で、同施行令により「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「太陽熱」「大気中の熱その他の自然界に存する熱[注 4]」「バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるものをいう[注 5]。)」と列挙定義される例がある[注 6]

同義語・類義語・対義語

以下の同義語・類義語がある。
自然エネルギー
英単語を並べて直訳すると"Natural Energy”であるが、欧米人はその言葉を用いず、またエネルギー資源を指す言葉であるとしても、
天然ガス("Natural Gas")や天然資源("Natural Resource")から考えれば地下資源も含むことになり、日本語においては簡便な言い回しとして用いられる位であり、学術的にはほとんど利用されない。自然界に存在するものは全てその属性としてエネルギーを有していて、この言葉と対となるべき「人工エネルギー」はあり得ないので、特に自然科学の研究者はこの言葉遣いをしない。
グリーン・パワー
アメリカ合衆国環境保護庁は大規模水力以外の再生可能エネルギーによって発電された電力を「グリーン・パワー」[注 7]と定義する[22]
新エネルギー
日本の法令における「新エネルギー」とは、その利用について、「非化石エネルギーを製造し、若しくは発生させ、又は利用すること及び電気を変換して得られる動力を利用することのうち、経済性の面における制約から普及が十分でないものであって、その促進を図ることが非化石エネルギーの導入を図るため特に必要なもの」と定義され(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法2条)、政令で10種類の「新エネルギー利用」が列挙されている(同施行令1条)[23][24]。列挙される10種は、バイオマス、太陽熱、又は、地熱、風力、小規模水力、太陽電池の利用などである。
代替エネルギー
日本国外では主に再生可能エネルギー、特に「新再生エネルギー」[25]を指す。日本国内では「石油代替エネルギー」を指し、石炭ガス化・天然ガス・原子力等の枯渇性エネルギーを含む[26]

対義語は枯渇性エネルギーで、化石燃料石炭石油天然ガスオイルサンドシェールガスメタンハイドレート等)やウラン等の地下資源を利用するもの(原子力発電等)で、有限である資源を指す。
エネルギーの源洋上風力発電設備太陽熱の集熱パネル風力発電所ドイツ


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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